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胃、小腸、大腸…。消化管の役割って?

2018.01.10

胃、小腸、大腸…。消化管の役割って?


「胃」、「小腸」「大腸」という臓器を知らない方はほとんどいらっしゃらないでしょう。しかし、それぞれどんな働きをしているのかについてはご存じでしょうか?もしかしたら、ざっくりと全部「食べ物の栄養を吸収している」と思っている人もいるかもしれませんね。そこで今回は、「胃、小腸、大腸の働き」について解説します。

記事監修

古川真依子先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

■「消化」にも種類がある

消化管は、名前のとおり「食べたものを消化する器官」です。ただ、消化管が行う「消化」には2種類あります。ひとつは「化学的消化」と呼ばれるもので、体の中から分泌される液体に含まれる酵素を使って、食べたものを消化します。もうひとつは、蠕動(ぜんどう)運動などの動きで食べたものをかき混ぜて消化を促す「機械的消化」です。たとえば食べ物を口の中でかみ砕く行為も、機械的消化の一種です。

■胃では胃液と胃の動きで食べたものを消化!

胃は「食べたものを消化する器官」です。食べたものは食道を通って胃に送られます。そこで胃から分泌される胃酸を使って食べたものを溶かします。胃でドロドロに溶けた食べ物は次に小腸へ運ばれます。ですので、胃はあくまで「食べたものを溶かす場所」で、栄養などを吸収するのはまた別の場所なのです。例外として、アルコールだけは胃で吸収されます。また、化学的消化だけでなく、蠕動運動によって食べたものをかき混ぜる機械的消化も行っています。


胃での消化時間は、消化の良いものだと数十分で消化されて小腸に運ばれます。しかし水に溶けにくい不溶性食物繊維を多く含んだものや、脂肪分の多い肉などは消化に時間がかかり、長いものだと10時間以上も胃にとどまる場合があります。


成人の場合、胃の容量は一般的に約1.2~1.5リットルくらいで、食べ物をたくさん食べることで2リットルくらいまで広がるといわれています。

■小腸ではさらなる分解と吸収を行う!

胃で消化されたものは小腸に運ばれ、そこでさらに分解され吸収されます。小腸は胃につながっている「十二指腸」と、十二指腸からつながる「空腸」、そして大腸に接続する「回腸」の3つのパーツに分けられます。


胃で消化されたものが最初に通過するのが十二指腸です。十二指腸では、炭水化物(糖質)や鉄分、カルシウムなどの栄養素を吸収します。また、十二指腸はすい臓や胆のうにつながっており、ここから分泌されるすい液や胆汁(たんじゅう)が消化された食べ物に混ぜられ、さらに分解されます。


十二指腸の次は空腸へと送られます。空腸では「腸液」を分泌し、さらに食べたものを消化(最終消化)するほか、ビタミンや脂肪、タンパク質を吸収。次に回腸へと送られ、ここでビタミンB12と胆汁酸を吸収します。小腸はどの部位も「分解・吸収」が主な働きです。ただ、部位ごとに吸収する栄養素は異なるのです。


また、小腸も胃と同じように化学的消化と機械的消化を行っている器官です。

■大腸では主に水分を吸収!

小腸で分解された食べ物は、次に大腸へと運ばれます。大腸は「盲腸」と「結腸」、そして「直腸」の3つの部位に分けられます。小腸で分解・吸収された食べ物は回腸から盲腸に入ります。盲腸は、結腸に送る消化物の量を調整しています。盲腸には虫垂という器官があり、ここが炎症を起こす病気が虫垂炎です。


消化物は結腸を通り、直腸へと送られます。この結腸から直腸へと運ばれる中で、消化物に含まれている水分を吸収したり、消化しきれない繊維質などを腸内細菌を使って発酵させ、エネルギーに転換しています。こうして栄養素を搾り取られたカスが、便として肛門から排出されるのです。


ちなみに、食べたものが胃で消化され、最後に排便されるまでの時間は約40時間といわれています。それだけゆっくりと体の中を通っていると考えると、なんだか不思議ですよね。



基本的には、「胃で消化し、小腸でさらに消化・分解しながら吸収し、大腸で残りの部分を吸収する」と考えると分かりやすいですね。こうした体の仕組みを覚えておけば、ダイエットなどで食事内容を改善する場合にも役立つかもしれませんよ!


(中田ボンベ@dcp)