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大人も発症することがある。アトピー性皮膚炎の原因と対処法

2018.01.12

大人も発症することがある。アトピー性皮膚炎の原因と対処法


「アトピー性皮膚炎」とは、アレルギー体質の人や肌のバリア機能が低い人が発症しやすい肌の病気です。主な症状は、「かゆみ、湿疹」。完全に治すことは難しく、6カ月以上継続して症状が現れると慢性と判断されています。さて、今回はこの「アトピー性皮膚炎」について、医師の観点から解説します。

■アトピー性皮膚炎の原因とは?

原因について完全にはまだ解明されていないのですが、遺伝的要素のほか、乾燥、ハウスダストやダニ、食品アレルギー、化学物質のアレルギーなどが関係していると考えられています。


アトピーは「良くなったり、悪くなったりを繰り返す」ことが特徴です。症状が悪化する要因には、汗、乾燥などの「外部刺激」や「ストレス」があります。

■アトピー性皮膚炎は「治る」の?

小児アトピー性皮膚炎は乾燥、食物アレルギーが原因の場合が多く、身体が成長して内臓や皮膚が丈夫に育ってくると快方に向かう傾向があります。しかし、もともと遺伝的要素として保湿機能が低い乾燥肌の人や、重いアレルギー体質がある人は、自然に治癒する可能性は低くなります。


また、大人になってからアトピー性皮膚炎が発症した場合は、ダニやほこり、ハウスダスト等のアレルギーが起因する可能性が高いです。こうしたアレルギーは一度発症すると完全に取り除くのは難しいため、なかなか良くならない場合があります。

■アトピー性皮膚炎の場合、どんなスキンケアをしたらいい?

アトピー性皮膚炎のケアは、肌のバリア機能を高めるために「肌を清潔に保つこと」、「高保湿」が重要となります。保湿には、できればアトピー性皮膚炎用のスキンケア用品を使用するといいですね。通常のスキンケア用品は、アトピー肌の方にとっては刺激になることもあります。


また、入浴も重要です。入浴は皮膚の汚れ以外に、塗布している薬などをしっかり洗浄し、落とす役割があります。湯船につかると汚れなどが落ちやすくなりますので、なるべくしっかりと温まるようにしましょう。


しかし、湯船のお湯が熱すぎるとかゆみが酷くなってしまう場合があります。長湯もかゆみ、炎症を悪化させるので注意しましょう。入浴剤にもアトピー性皮膚炎用の物がありますので、気になる方は活用してみるといいかもしれませんね。


皮膚科でも、外用薬や保湿剤の処方だけでなく、こうしたスキンケア類の紹介が受けられれることがあります。

■「ステロイドは使わないほうがいい」と言われるのはどうして?

ステロイド剤は、一般的にアトピー性皮膚炎の治療に使われる外用薬です。「副腎皮質ホルモン」を含むため、副作用を気にして使いたがらない人もいらっしゃいます。


しかし、酷い症状や、つらいかゆみを一気に抑えることができます。使用期間は医師が決めるため、その期間を守っていれば、副作用の心配はありません。


ちなみに、「ステロイド剤=アトピーを治す薬」とイメージしている方もいらっしゃるかもしれませんが、現在、アトピー性皮膚炎を完治させる治療薬は存在しません。ステロイド剤はアトピー性皮膚炎のかゆみ、炎症の症状を抑えるために処方されるものです。体調やストレスなどで症状が悪化しやすいアトピー性皮膚炎の「パートナー」だと考えて下さい。パートナーと上手に付き合いながら、肌状態の良い期間が長く続くようにしていくわけです。肌状態が良いと気分も落ち着き、アトピーが悪化しにくくなる人もいます。


大事なのは、医師の処方通りに使用すること。自己判断で処方された部分以外にも使用したり、指定期間以上使い続けるのは止めましょう。



アトピー性皮膚炎は、適切な薬、スキンケアを続ければ、悪化しないようコントロールすることができます。肌状態にあった薬とスキンケアで、アトピー性皮膚炎と上手に付き合いましょう。


アトピー性皮膚炎は大人になってから急に発症することもあります。肌荒れ、かゆみが続くときは、自己判断せずに専門医を受診してくださいね。


(執筆 長谷川佳子/小田原銀座クリニック美容皮膚科 形成外科医-健康検定協会-)