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寒いところに行くと発疹が……。「寒冷じんましん」っていったい何?

2018.01.15

寒いところに行くと発疹が……。「寒冷じんましん」っていったい何?


寒冷じんましんとは、名前のとおり「皮膚が寒さにさらされることで起こるじんましん」です。「物理的じんましん」のひとつですが、もし発疹が出てしまったらどうしたらいいのでしょうか?また、予防方法は?今回は、「寒冷じんましん」について解説します。

記事監修

土屋佳奈 先生


皮膚科医。東京医科大学卒業。東京女子医科大学で研修後、皮膚科学教室に入局。東京女子医大病院、JR東京総合病院勤務を経て、都内の美容クリニック、皮膚科クリニックに勤務。現在は、つちやファミリークリニック副院長として、皮膚科診療を行う。

女医+(じょいぷらす)所属。

■寒冷じんましんの原因は?

そもそもじんましんとは、皮膚の一部分が突然赤く盛り上がり、しばらくすると跡形もなく消えてしまう病気です。患部にブツブツとした発疹が出て、強いかゆみを伴います。症状は数十分で消えることもありますが、長いときは数時間以上続くケースも見られます。


皮膚が赤く盛り上がるのは、皮膚の毛細血管が何らかの理由で一時的に拡がり、その血管から血液の中に含まれる血漿(けっしょう)という成分が漏れ出してしまうからです。血管が一時的に拡がる原因として、主にアレルギー物質への反応が挙げられます。


皮膚の真皮には、マスト細胞と呼ばれる細胞があり、このマスト細胞がアレルギー物質に反応すると、ヒスタミンと呼ばれる物質を放出します。このヒスタミンが血管を拡げるので、血漿が漏れ出してしまうのです。さらに、ヒスタミンは皮膚にかゆみを起こす神経を刺激する働きもあるため、じんましんになると患部がかゆくなります。


アレルギー物質に触れる以外にも、急激な寒さによって皮膚が刺激を受けるとマスト細胞がヒスタミンを放出することがあります。そうするとアレルギー反応と同様に、じんましんが起こってしまいます。これが「寒冷じんましん」です。

■寒冷じんましんになったらどうすればいい?

寒冷じんましんは、体の一部、または体全体に一般的なじんましんと同様の症状が出ます。長くても数時間ほどで治まりますが、その間に患部をかきむしったりしないようにしましょう。患部を刺激することでヒスタミンの分泌が活発になり、かゆみがさらに強くなったり、持続したりしてしまいます。


患部を冷やすこともNGです。通常のじんましんは冷やすことで症状を和らげることができますが、寒冷じんましんの場合は冷やすと悪化します。ですので、ゆっくりと温めるようにして症状の悪化を防ぎます。もし症状が長引いたり、我慢できないほどの症状が出た場合は、必ず専門医の診察を受けましょう。医療機関で処方される抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服により、改善が期待できます。


また、寒冷じんましんの中には、遺伝性の家族性寒冷じんましんや、異常な免疫物質が血液の中に増えてしまうクリオグロブリン血症といった血管炎が原因である可能性もあるため、ただのじんましんと放置せず、専門医の診察を受けることが重要です。

■寒冷じんましんを予防するには?

寒冷じんましんの一番の予防法は、やはり「寒さによる刺激を受けないようにすること」でしょう。たとえば冬場の外出時にはマフラーや帽子、手袋などを着用し、外気に触れる部分をできるだけ少なくしたり、室内でも冷たい床は素足で歩かないようにしましょう。また、夏でもプールに長時間入っていたり、冷たいエアコンの冷気に直接当たることで症状が出現することがあります。とにかく皮膚が寒冷刺激を受けないように心掛けるべきです。



寒冷じんましんは、誰にでも起こる可能性があります。「今まで寒いところでじんましんが出たことがない」と慢心せずに、寒い季節はしっかりと防寒するようにしましょう。

⇒参考:

『公益社団法人 日本皮膚科学会』「蕁麻疹(じんましん)」

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa9/

(中田ボンベ@dcp)