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痰が絡む原因って?色から判断できる病気

2018.01.16

痰が絡む原因って?色から判断できる病気


「痰(たん)」というと、おじいさんが「カーッ、ペッ!」と吐き出しているようなイメージがありますね。風邪や花粉症のときに悩まされた、という人もいるのでは?さて、この「痰」とはいったい何なのでしょうか。鼻水の塊?それとも……?今回は「痰」について解説します。

記事監修


ステラ耳鼻咽喉科 渡邊千寿子(わたなべ ちずこ)院長


東京医科大学出身。医学博士。耳鼻咽喉科専門医。補聴器相談医。警察病院(千代田区)、新川橋病院(川崎市)、安田耳鼻咽喉科(豊島区要町)を経てステラ耳鼻咽喉科院長に就任。


ステラ耳鼻咽喉科のHP

http://www.stella-jibiinkouka.jp/

■痰とは何か?

痰というのは、肺につながる気管、気管支から分泌される粘液です。気管の内壁は「線毛(せんもう)」という細かい粘膜の突起で覆われています。呼吸によって入ってきた空気の中に細かい埃(ほこり)やちりがあると、肺に届く前に線毛にくっつき、ここで取り除かれます。この埃やちりが痰となって排出されるのです。


また、気管、気管支が細菌やウイルスによって炎症を起こすと、免疫機能によってこれらを排除しようとします。このときは白血球や細胞の死骸、細菌やウイルスの死骸を絡めた痰が排出されます。


痰の小さいものは食道から胃に落ちて排出されますが、大きいものは喉を通って口から痰として排出されます。つまり、痰とは気管、気管支の異物が粘液に包まれて排出されたものです。


痰は健康な人でも常に少量が分泌されており、小さいものは無意識のうちに飲み込まれています。しかし、体に何か異常が発生した場合は分泌量が増加し、多くの異物を絡めた粘り気の強い痰となって排出されます。元々が粘液なので、量が多くなると気管や喉にへばりつき「痰が絡む」状態になるのです。

■痰の状態から判断できる病気

痰には細菌やウイルスの死骸などの異物が含まれていますが、その色を見ることで痰が出た原因となる病気をある程度は判断できます。


  • 無色透明or白色or黄色

    透明あるいは白色の痰が出る原因の多くは細菌感染症によるものです。また、細菌感染している場合、その死骸が混じって黄色くなります。以下のような病気の可能性があります。


    ・急性気管支炎

    ・急性肺炎

    ・COPD(慢性閉そく性肺疾患)

    ・気管支ぜんそく

    ・肺がん

  • 緑の膿(うみ)が混じったような色

    痰が緑色になるのは、細菌に感染して炎症を起こし、膿が出ているのが原因です。以下のような病気の可能性があります。


    ・慢性気管支炎

    ・気管支拡張症

    ・びまん性汎細(はんさい)気管支炎

    副鼻腔炎

  • 痰に血が混じる

    痰の色が赤い、あるいは黒、茶色、ピンクなどの場合、血が混じっていると考えられます。血が混じった痰は「血痰(けったん)」と呼ばれます。以下のような病気かもしれません。


    ・肺がん

    ・気管支拡張症

    ・肺結核

    ・肺梗塞

    ・肺真菌症

    ・肺水腫


痰が出ても「風邪かな?」と思うだけであまり気にしていない人もいるかもしれません。しかし、なかには上記のような病気が原因となっている可能性もあります。痰が絡む期間が長く続く、変わった色の痰が出るようなら、早めに病院に行って診察を受けましょう。


(藤野晶@dcp)