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脚の付け根が痛い!! これって何が原因?

2018.01.17

脚の付け根が痛い!! これって何が原因?


歩いたり走ったりしていて「脚の付け根」が痛くなったことはありませんか? なかには歩いている途中で痛むのではなく、「歩き始めからすでに痛い」というケースもあるそう。こうした脚の付け根の痛みは、さまざまな病気の可能性も考えられます。今回は「脚の付け根の痛み」を引き起こす病気を紹介します。

記事監修

岡本潤 先生


整形外科、救急診療科医。自治医科大学医学部卒業、大阪急性期総合医療センター、大阪府立中河内救命救急センターで勤務。日本救急医学会(専門医)、日本整形外科(専門医)、医師+(いしぷらす)所属。

脚の付け根の痛みを引き起こす主な原因としては、以下のような病気があります。

●変形性股関節症

股関節にある「関節軟骨」がすり減った結果、骨が変形してしまう病気です。痛みは、歩き始めなど脚を動かしたタイミングで、脚の付け根や太ももに起こるのが特徴です。先天性のほか、加齢や運動不足が原因でも起こります。痛み止めなどを用いる薬物療法、また筋肉を鍛えることで改善することもあります。重症の場合は人工関節に置き換える手術も行われます。

●坐骨(ざこつ)神経痛

腰部分から爪先まで伸びている坐骨神経が圧迫されることで、脚の付け根に痛みが生じます。坐骨神経痛を起こす原因はさまざまあり、たとえば腰の椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどが原因であるケースも見られます。この場合は原因となる疾患を改善させることで、坐骨神経痛も改善します。

●筋肉痛

単純に筋肉痛という場合も考えられます。特に普段あまり運動しない人の場合は、急に体を動かすことで筋肉痛を起こし、脚の付け根に痛みが生じることがあります。筋肉痛なら数日で痛みは治まりますが、もし改善しない場合は別の病気である可能性があるので、病院で診察を受けるようにしましょう。

●グロインペイン症候群

スポーツを原因とする脚の付け根の痛みとして、走ったり、足を激しく動かすことで股関節に痛みが生じる「グロインペイン症候群」が挙げられます。グロインペイン症候群は「鼠径(そけい)部痛症候群」とも呼ばれており、股関節に負担を掛け続けたことが原因で起こります。炎症が治まるまで安静にするほか、マッサージなどを施すと改善することもあります。


※鼠径部……脚の付け根部分のこと

●鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアは、腹膜や腸の一部が鼠径部の筋膜の間から外に出てきてしまう病気です。腸が正常な位置から抜けてしまうため、「脱腸」とも呼ばれています。鼠径ヘルニアになると脚の付け根に痛みが生じるだけでなく、放置しておくと脱腸した部分が壊死(えし)してしまいます。鼠径ヘルニアは手術でしか治すことができないため、速やかに専門医の診察を受けましょう。

●関節リウマチ

リウマチは、自己免疫機能が異常を起こし、自分の体の組織を敵だと思って攻撃してしまうという病気。このうち関節に起こるリウマチを関節リウマチといいます。股関節にリウマチが生じた場合は、自己免疫機能が股関節の組織を攻撃するため、脚の付け根に痛みが生じてしまうのです。リウマチは治療が難しい病気とされてきましたが、昨今では研究が進み、効果的な投薬治療が行われるようになっています。

●妊娠

女性の場合は、妊娠することで痛みが起こる場合もあります。妊娠すると骨盤が広がるため、人によっては脚の付け根に痛みが出ます。また、妊娠後期には出産に向けて広がった骨盤が緩み、このときにも痛みが生じます。出産後は、骨盤が元の位置に戻ろうとするのですが、その場合も歩いたりすることで脚の付け根に痛みが起きることがあります。

●バージャー病

バージャー病は四肢の末梢(まっしょう)血管が閉塞(へいそく)する病気です。そのため「閉塞性血栓血管炎」とも呼ばれています。足の血管が閉塞した場合は、脚の付け根に痛みが生じます。動かしていないのに痛みを感じることもあり、場合によっては壊死する可能性もあります。喫煙や受動喫煙が原因であるとされていますが、詳しい原因はまだ分かっていません。



女性の場合、変形性股関節症や坐骨神経痛などが痛みの原因であることが多いでしょう。また、最近、妊娠や出産を経験した人は、それが原因とも考えられます。しかし別の部位の病気が、脚の付け根の痛みを引き起こしている可能性もありますから、なかなか痛みが治まらない場合は、専門医の診察を受けるようにしてください。


(中田ボンベ@dcp)