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手が震えてる……? 止まらない場合の原因と対処法

2018.01.22

手が震えてる……? 止まらない場合の原因と対処法


寒いときや緊張したときなど、「手が震える」という経験は、誰しもあるのではないでしょうか。でも、そうではないとき、自分の意思ではないのに震えが起きて止まらない……。こんな症状があると不安になってしまいますよね。何か病気が原因になっている可能性はあるのでしょうか?今回は「手の震え」が起こるシチュエーション別に、原因と対処法を解説します。

記事監修



渡辺宏行 先生


精神科医。信州大学医学部卒業後、横浜市立大学附属市民総合医療センターを経て医療法人福和会『南横浜さくらクリニック』勤務。日本精神神経学会、日本東洋医学会、医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/181

■静止しているときに手が震える場合

・ストレス

緊張したときのように、強いストレスを感じている場合「手の震え」が現れることがあります。震えが一時的なものではなく日常的に続く場合は、自律神経失調症やうつ病の可能性もありますので、専門機関を受診することをおすすめします。

・低血糖

糖尿病の方に起こしやすい傾向があります。炭水化物が不足しているときや空腹時に運動をしたとき、飲酒や入浴をしたときに震えが起こる場合は、低血糖状態かもしれません。症状が現れたら、ブドウ糖を多く含むものを口にするようにしましょう。落ち着いたら、しっかりと食事をとることが大切です。


・パーキンソン病

手足や体が震えることを「振戦(しんせん)」といいます。何もせずに静止した状態にもかかわらず手が震える人は「パーキンソン病」かもしれません。パーキンソン病では、手などの振戦のほか、筋肉の硬直といった初期症状が見られます。左右どちらかの手が震えるようになり、やがて同じ側の足にも震えが現れてきます。


パーキンソン病は、脳内の神経細胞が減少し、脳から出される運動の指令がうまく体に伝えられなくなるという病気です。難病ではありますが、一般的にはコップで飲み物を飲んだり、箸を使って食事をしたりといったことは可能です。


病状が進行すると、顔の表情の変化や動きが少なくなる、歩行時に前屈姿勢になり手の振りが少なくなる、急に立ち止まったり方向転換したりするのが難しくなるなど「動き」に関連した異常が見られるようになります。一般医ではパーキンソン病の診断は難しく、専門医の診察が必要です。

■動作をしているときに手が震える場合

・本態性振戦

「本態性振戦」は、パーキンソン病と同じように手の震えが見られる疾患です。初期症状が似ていることからパーキンソン病と誤診されることもありますが、まったく別の疾患なのです。


パーキンソン病では体の左右で振戦に差がありますが、本態性振戦の場合は左右で比較的同じように震えます。また、パーキンソン病は静止時に振戦がありますが、本能性振戦は動いているときに震えます。こういった違いがありますので、医師の診察を受けるときには症状を詳しく伝えて正しく診断してもらいましょう。


本態性振戦で症状が軽く、日常生活に支障がないようであれば治療をしなくても大丈夫です。実のところ、本態性振戦ははっきりした原因が特定できておらず、震えやすい体質によって起きると考えられています。ちなみに「本態性」とは「原因が分からない」という意味の医学用語です。しかし、震えてしまって食器も持てないなど、日常生活に支障が出ているなら医師に相談すべきでしょう。

■文字を書くときに手が震える場合

・書痙(しょけい)

文字を書くときにだけ手が震えるという人は「書痙」という疾患かもしれません。人前で文字を書こうとすると緊張して手が震えますが、それ以外の日常的な動作において振戦はありません。また別のケースでは、宴会でお酌をするときに震えたり、会議や来客でお茶を出すときに震えたりするといったこともあり、これも書痙の症状とされています。


書痙の原因の多くは「あがり症」など、精神的な要因で極度の緊張状態に陥ってしまうことと考えられていました。他人に文字を書いているところを見られていて、「字が下手だと思われていないか」「書き順がおかしいのではないか」といったネガティブな感情に支配されることはないでしょうか。こうした強迫観念や人に対する恐怖感から振戦を発症するのです。強迫神経症や対人恐怖症がその背景にあると考えられます。


また、書痙はピアニストのような指を使う職業の人にも見られます。継続的に同じ筋肉を酷使していることや、ストレスなどが原因と考えられています。


書痙があがり症からきているのであれば、あがり症を克服すれば書痙も治まるといえるでしょう。あがり症の対処法については関連書籍も多く出ていますが、自分だけで悩まず心療内科など専門医に相談するのがいいでしょう。

■アルコールが途切れると手が震える場合

・アルコール依存症

お酒を飲んでいるときは大丈夫なのに、アルコールの摂取が途切れてしまうと手足が震えるという人は「アルコール依存症」の疑いがあります。アルコールが体内から減少すると「アルコール離脱」が起きて、その症状として特に手の震えが起きることがあります。


本態性振戦の人がお酒を飲んだときに、震えが治まることがあります。しかしこれは一時的なもので、お酒を飲み過ぎるとかえって症状が悪化してしまうこともあります。普段からよくお酒を飲んでいる、お酒を飲む量が多いという人は、医師に相談しましょう。



特に治療の必要がないケースもありますが、一刻も早く治療すべきという疾患もあります。手の震えが一過性のものではない場合、普段の生活に何らかの支障が出ている場合、一度病院に行って診てもらうといいかもしれませんね。


(藤野晶@dcp)