お風呂から上がると、めまいや頭痛、吐き気を感じることがあります。こうした症状は、一種の血圧障害なのです。リラックスタイムであるはずのお風呂で体調が悪くなってしまうのはなるべく避けたいものですよね。予防するにはどうしたらいいのでしょうか?今回は「お風呂上がりの不快感」について解説します。

記事監修



岡村信良 医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■お風呂上がりに体調が悪くなる理由は?

お風呂上がりに感じる不快感のことを一般的に「のぼせ」といいますね。これは、主に入浴前・入浴中・入浴後の「血圧の差・血流の差」によって起こります。


お風呂に入ると人間の血圧は大きく変化します。一般に、お風呂に入った際には熱刺激によって血圧は一時上昇し、温まることで血管が拡張して血圧は低下します。熱いお風呂ほどこの血圧の上下動が大きくなります。


この血圧低下で、以下のような症状が現れることがあります。

  • 立ちくらみ

  • 目まい

  • 吐き気

  • 頭痛

  • 動悸(どうき)

  • 不整脈

「お風呂に入ったら気持ち悪くなった」というのは一時的な低血圧症状を指すことが多いわけです。


また、お風呂に入ると血管が拡張して血流が良くなるので、脳にも多くの血液が巡るようになります。のぼせに「頭がぼーっとする」という症状があるのは、脳に多くの血が行くためなのです。


十分温まり、浴槽から立ち上がると、今度は血が脳から下半身に下がり、一種の「起立性低血圧」の状態になってしまいます。これによって「立ちくらみ」「目まい」「吐き気」などの症状が現れることもあります。


さらには、脱衣所などが寒い場合(風呂場との温度差が大きい場合)には、お風呂から上がると、今度は急激に血管が縮小して血圧が上昇し、「立ちくらみ/ふらつき」「目まい」「頭痛」「嘔吐(おうと)感」といった症状が現われることがあります。


このように、入浴の際の不快感は、血圧の差、血流の差がもとで起こると考えられています。

■入浴後の不快感への対処法

お風呂上がりに不快感がある場合は、以下のような対処をしましょう。


  • 横になって安静にする

    血圧の差が不快感を起こしますので、横になって血流を安定させるのが効果的です。

  • 頭・首・脇を冷やす

    低血圧症状が原因の、いわゆる「のぼせ」の場合には「頭・首・脇を冷やす」のが良いでしょう。


    入浴によって血管が拡張した状態が維持されると、入浴後も「のぼせ」の状態が続きます。普段の状態に戻すために頭、首、脇をぬれタオルや保冷剤で冷やしてやると、血圧を上げる効果があります。保冷剤を使う場合には、冷やしすぎないようタオルでくるむなどすると良いでしょう。

  • 水分を補給する

    発汗によって失われた水分を補給し、血液量を増量することで血圧を上げる効果が期待できます。


ともあれ、まずは安静にするのが第一です。横になってから体位を変えるのであれば、ゆっくりと行いましょう。体を動かすことによって生じる血圧の変化をできるだけ小さくするためです。



お風呂上がりに不快感がある場合、始めはぬるめのお湯に入って徐々にお湯を熱くする、また脱衣所を十分に温めお風呂場との温度差をできるだけ小さくする、といった工夫をしてみましょう。急激な血圧変化が起こらないようにすると、不快感も軽減されるでしょう。


(高橋モータース@dcp)