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綿棒はNG!? 耳に水が入ったときの正しい処置方法

2018.01.30

綿棒はNG!? 耳に水が入ったときの正しい処置方法


皆さんは、お風呂やプールで「耳の中に水が入った経験」はありませんか? その場合、頭を傾けて片足でジャンプして耳の水を抜いたりしたでしょう。でも、これで本当に水を出すことはできるのでしょうか? 今回は、「耳に水が入ったときの処置方法」について解説します。

記事監修

稲葉岳也 先生


耳鼻咽喉科医。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。医師+(いしぷらす)所属。


▼いなばクリニック

http://www.inabaclinic.jp/

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/200

■ティッシュや綿棒はNG!

耳に水が入ったら、中の水を取り除くために

  • 1.水の入った耳のほうに頭を傾けて片足でジャンプする

  • 2.ティッシュで拭き取る

  • 3.綿棒で拭き取る

といった行動のいずれかをする方が多いでしょう。しかし、2と3の行為はNG。特に3の綿棒で拭き取る行為は、耳のトラブルにつながりやすい行動なのです。


まず「ティッシュで拭き取る」という方法ですが、水が耳の入り口辺りにあるのなら容易に拭き取れます。しかし、やや中ほどまで水が入っている場合は、ティッシュを奥まで突っ込んだり、こより状にして差し込まないといけません。そうすると、ふやけたティッシュの一部がちぎれて耳の中に残ったり、耳の中を保護している油分まで余計に拭き取ってしまうことがあります。


綿棒も同様に耳の中を保護している油分を取り除いてしまいます。それだけでなく、綿棒は耳の中を傷つけてしまうことがあります。綿棒によって傷ついた部分に雑菌が入ると「外耳炎」になり、強い痛みを引き起こします。もし耳に水が入っても、ティッシュや綿棒を使って拭き取ることは避けましょう。

■耳に水が入ったら……放置?

ティッシュや綿棒を使うのを避けたとして、残る手段は片足で小さく何度もジャンプすることです。しかし、この方法でも耳の中に入った水が流れ出てこない場合は、どうすればいいのでしょうか。


実は「そのまま放っておく」のがいいのです。


耳の中に水が入っても、時間がたてば乾燥して蒸発するため、基本的には放置しておいても問題ありません。「水が奥まで入ってしまうのでは?」と思うかもしれませんが、耳の外耳部分と中耳部分は鼓膜によって遮られています。そのため、鼓膜に穴が開いているなど耳に何らかの病気がない限りは、奥のほうまで水は入り込みません。

■耳に入った水が原因で中耳炎になる?

昔から「耳に水が入るとすぐに取り除かないと中耳炎になる」などといわれています。しかしこれは全くの迷信。耳に水が入っても中耳炎にはなりません。可能性があるとすれば、水に含まれた雑菌が耳の中の細かい傷に入り、外耳炎になることでしょう。


そもそも中耳炎とは、耳の奥のほうにある中耳部分が細菌感染することで起こる病気です。中耳に膿(うみ)がたまり、不快感や痛み、発熱を生じます。中耳は耳管という管で鼻とつながっており、この耳管を通して細菌が中耳に入り、中耳炎を引き起こします。中耳は耳管とつながってはいるものの、上で記述したように、外耳とは鼓膜によって遮られているので、外耳から中耳に水が入ることはありません。ですので、耳に水が入っても中耳炎になる可能性はないのです。



外耳を傷つけることで起こる可能性のある外耳炎は、時に重症化する恐れもあります。もし耳に水が入っても、慌ててティッシュで拭いたり綿棒を使わないようにしましょう!


(中田ボンベ@dcp)