緊張したり、ストレスがあったり、ちょっとした変化で調子が悪くなるデリケートなお腹……。通常はバナナのような太さと長さの便が健康といわれていますが、さまざまな要因で液状や水のような「下痢」になってしまうことも。腹痛を伴うことが多く、我慢できずに何度もトイレにかけ込んだり、トイレにこもったりと本当につらいですよね。


今回はそんな下痢について、医師の筆者が解説します。

■下痢の原因とは?

突然くるお腹の痛み。頻繁に下痢が起きるのは、下記のような原因が主に考えられます。


(1)精神的ストレス

腸の動きには、自律神経が関わっています。ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、下痢を起こしやすくなるのです。ストレスだけでなく、睡眠不足などの不規則な生活も、自律神経の乱れを引き起こします。


慢性的なものであれば、下痢型過敏性腸症候群などの可能性も考えられるでしょう。


(2)アルコール

アルコールは腸管での水分の吸収を阻害するため、腸管内に大量の水分がたまります。そして、アルコール自体が腸の刺激となり、下痢になりやすくなってしまうのです。


アルコールが原因での下痢の場合は、アルコールを減らす、またはやめれば、下痢は治るでしょう。


(3)食べ物が体質に合わない

食べ物と体質の相性によって、お腹を壊すこともあります。牛乳に含まれている乳糖を分解する酵素が不足している人は、牛乳を飲むと下痢を起こしてしまいますし、脂っぽい食事は膵臓や肝臓に負担をかけるので、下痢になる可能性があるのです。


もちろん、これ以外にも器質的な問題や風邪などによって下痢になる場合があります。

■下痢の予防法

お腹を下すのには原因があるので、その原因を排除することが予防の近道です。精神的ストレスがある場合はゆっくり体を休める、時間や準備など余裕を持って行動をすることが予防につながります。アルコールや食べ物が要因の場合は、それらを避けることで予防になるでしょう。


また体、主に腸を刺激しないよう、暴飲暴食はもちろん、冷たいものや辛いもの、脂っこいものを避けたり、お腹回りを温める格好をしたりしましょう。

■早急に医療機関へ行ったほうがいい下痢

「暴飲暴食をした」「お腹が冷えた」など、下痢になってしまった理由がわかる場合は様子をみていれば大丈夫なこともあります。


しかし、痛みや嘔吐、発熱などがある、海外や旅行後に発症、血液が混じっている、3日以上改善がない、などの下痢は早急に医療機関で診てもらうようにしましょう。


これらの症状がなくても、頻繁に下す場合は病気が隠れていることもあります。症状が続いたり、気になったりするようでしたら早めに診てもらいましょうね。

■下痢になった際の対処法

下痢が起こると、体内から水分とともにミネラルもたくさん奪われてしまいます。温かいスープやミネラルウォーターなどで水分をたっぷり補給することが重要です。


また、腸に刺激があると下痢を助長させてしまうので、脂っこいものや香辛料が多いもの、食物繊維が多いものは避けましょう。


十分熱を通したり、裏ごしをしたりして消化しやすいよう工夫し、少量を数回に分けて食べ、無理をせず安静に過ごすといいですね。



下痢は通常、身体に悪い物を排出する生理反応なので、下痢が起こったからといって“下痢止め”をやたらに飲むのはおすすめできません。まずは原因を考えましょう。思い当たらない場合は早急に専門機関に相談してくださいね。


(岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)