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「正しいおしっこの仕方」がある!? 尿道トラブルを防ぐ方法

2018.02.02

「正しいおしっこの仕方」がある!? 尿道トラブルを防ぐ方法


「排尿」は、生きていく上で必須の行為です。生まれたときから行われる生理現象なので、特に意識せず行っている人も多いでしょう。しかし、誤った方法で排尿したり、拭いたりすると、尿路感染症や膣トラブルを起こしてしまう可能性もあります。今回は「適切な排尿方法、拭き方」について解説します。

記事監修



伊藤友梨香 先生


泌尿器科医。東海大学医学部卒業、東邦大学医療センター大森病院勤務、石心会川崎幸病院勤務。

女医+(じょいぷらす)所属。

■どうしておしっこがしたくなるの?

まずは「排尿のプロセス」についてです。尿を作っているのは腎臓です。腎臓でできた尿は、尿管という管を通って膀胱(ぼうこう)にたまります。約250mlの尿が膀胱にたまると、膀胱にある末梢神経が刺激されて「尿がたまったよ」という信号を大脳に送ります。その信号を受け取った大脳は、「おしっこをしよう」と命令を出します。これがいわゆる「尿意」です。


尿意を感じると膀胱の入り口にある内括約筋が緩み、排尿されます。しかし、内括約筋の外側には外括約筋という、自分で締めたり開けたりできる筋肉があり、この筋肉を使うことで自由に排尿をコントロールできます。そのため、尿意を感じてもすぐに尿を漏らすことなく我慢ができるのです。ただし、尿が約400ml※以上たまると我慢することが難しくなります。


※女性下部尿路症状診療ガイドライン(第1版p7)より

■女性は適切な排尿でないと病気になりやすい?

男性と女性の膀胱と尿道の構造は大きく異なり、特に顕著なのが尿道の長さです。男性はS字に湾曲しており、長さは約16~20cm。しかし女性は真っすぐで約4~5cmしかありません。そのため、尿道から雑菌が入りやすく、膀胱炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)といった「尿路感染症」になりやすいのです。また、尿道口は膣口も近いため、不潔にしていると膣トラブルを招く可能性があります。


ですので、こうした尿路感染症や膣トラブルを防ぐように排尿する必要があります。適切な方法としては、たとえば三井記念病院の産婦人科医長・中田真木氏が提唱する、「大きく股を開いて前傾姿勢をとって排尿する方法」が挙げられます。股を閉じて排尿をすると、尿が真っすぐに落ちずに外陰部にたまり、それが膣内に入ることで、炎症などを起こしてしまう可能性があるのです。


排尿時に強く力を入れることも、膀胱や尿道に必要以上に圧力が掛かり、ダメージを受けるためNGといわれています。ダメージを繰り返し受けることで、膀胱の筋肉が弱まって頻尿(ひんにょう:尿が近い、一日の尿の回数が多いという症状)につながったり、強く息むことで血圧が急上昇するなどのリスクがあるのです。


また中田医師によると、おしっこを拭く際も「トイレットペーパーを尿道口に押し当て、吸い取るようにする」のが望ましいとのこと。そうすることで、残った尿を拭き残すことなく処理でき、下着が臭くなったり、尿道や膣のトラブルを防ぐことができます。

■スムーズに排便するにはどんな姿勢がいい?

女性は排尿だけでなく排便の悩みも多くあります。特に多い悩みが「便秘」でしょう。女性が便秘になりやすい理由として骨盤の形が挙げられます。女性の骨盤は、赤ちゃんを産むために男性よりも広くつくられており、特に腸を支える腸骨翼の傾きが垂直に近いのが特徴。そのため、腸の一部が下がってしまいます。そうなると、腸が便を押し出す動きがしにくくなるのです。女性に便秘の人が多いのはこのためです。


こうした、便秘の人にも効果がある排便時の姿勢として勧められているものに、


  • 彫刻家ロダンによる有名な彫刻「考える人」のポーズ


が挙げられます。これは熊本県にある高野病院の高野正太医師が、米国の直腸研究専門誌「Techniques in Coloproctology」で発表した論文「Influence of body posture on defecation: a prospective study of ''The Thinker'' position」で提唱されているもの。「考える人」と同じ前傾姿勢のポーズをとることで、直腸と肛門の間にある肛門直腸角が大きく開き、通常の座位よりもスムーズに排便できると立証しています。便秘にも効果が期待できるそうです。


⇒参考:

「Influence of body posture on defecation: a prospective study of "The Thinker" position.」

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10151-015-1402-6


排尿や排便は慣れ親しんだ毎日の行為ですから、意識がおろそかになりがち。しかし、思わぬトラブルにつながる可能性があります。姿勢や拭き方などに注意し、無用なトラブルは避けるべきですね。


(中田ボンベ@dcp)