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避妊だけではない?ピルの種類と効能を医師に聞いてみた。

2017.04.29

避妊だけではない?ピルの種類と効能を医師に聞いてみた。


「ピル」というと避妊薬として知られていますが、それ以外に「生理(生理痛)を軽くする」などの効能もあるそう。毎月つらい痛みやPMSに悩まされている人にとっても、メリットがあるのです。しかし、「処方してもらうためには何が必要なの?」「デメリットは?」など、不安なことも多いですよね。


そこで今回は、ピルについて『ケイ・レディースクリニック新宿』の川越信隆院長にお話を伺いました。

取材協力・監修


川越信隆院長


東京都出身。日本医科大学卒業後、慶應義塾大学病院、医療法人財団 荻窪病院、国立病院 東京災害医療センター、日本医科大学病院、社会福祉法人 勝楽堂病院等で勤務。 その後、新宿センタービルにケイ・レディースクリニック新宿を開設。


⇒『ケイ・レディースクリニック新宿』公式サイト

http://www.klcs.jp/

■ピルの種類とは?

――ピルには、いったいどのような種類があるのでしょうか?


川越院長 ピル(経口避妊薬)は女性用の避妊薬として広く知られていますが、避妊だけではなくほかにも効能があります(後述)。歴史的に、体への負担が大きい製品のほうが先に発売され、それらを改良する形で負担の少ない製品が開発されました。現在では体に負担の少ない「低用量ピル」がほとんどとなっています。


――ピルを使用するにあたっての注意点はありますか?


川越院長 病院で処方される「安全なタイプ」のピルであれば、ふだん気を付けなければならないことはありません。言うまでもありませんが、服用中に異状があった場合には、病院で受診しましょう。


病院に行くことに抵抗があって、個人輸入でピルを購入するという人がいらっしゃいますが、それは避けてください。ピルには偽造薬が多いのです。ひどいのになると有効成分の入っていない偽造薬なんてものもあります。その場合、避妊に役立たないことになります。

■近年注目されている「アフターピル」とは?

――最近ではアフターピルというものもあるそうですが。


川越院長 「運悪く、コンドームが破れてしまった」、そんなとき、望まない妊娠を避けるために用いる薬です。ホルモン剤を飲むことによって、受精卵の着床を防ぎます。事後避妊薬、緊急避妊薬、Emergency contraception、Plan B、とも呼ばれます。欧米では広く知られている方法です。


しかし、あくまでも緊急避妊法であり、最後の手段です。避妊に失敗してから72時間以内に服用することを推奨しています。服用開始が遅くなればなるほど成功率は低くなっていきます。

■ピルのメリットとデメリット

――ピルにはどのようなメリット・デメリットがありますか?


川越院長 まずは確実な避妊効果です。正しく用いた場合ほぼ100%避妊できます。さらに低用量ピルは避妊効果だけでなく、以下のようなメリットがあると考えられています。

  • 生理が軽くなり(生理痛、出血量ともに)、生理周期が安定する。

  • 生理前のイライラ(PMS)を軽減する。

  • 肌荒れ、ニキビを軽減する。

  • 子宮体がん、卵巣がんにかかりにくいというデータがあります。

  • 子宮内膜症が治りやすいというデータがあります。

  • 乳房の良性腫瘍の発生率が下がるというデータがあります。

低用量ピルのデメリットとして、血栓症を挙げる先生もいます。血栓症とは血管の中で血が固まってしまい、激しい頭痛、胸痛を引き起こしたり、運が悪いと死亡したりします。


ピルにはいろいろな種類があって、血栓症発症率の多い銘柄、少ない銘柄があります。銘柄を選べば、その発生率は10万分の1ほどです。ちなみに交通事故に遭う確率は1万分の1といわれていて、その10分の1の確率ですから、ほぼ起こらないと考えてよいのではないでしょうか。


――ピルを処方してもらうのに何か必要なもの、また制限などはあるのでしょうか?


川越院長 基礎疾患がないかどうかで、処方の可否が決まります。基礎疾患の有無の判定は、病院によってさまざまです。当院の場合、問診を行い、問題なければその場でお渡しします。未成年でも保護者の同席や同意書などは不要としています。


――ピルの価格はどのくらいなのでしょうか?


川越院長 ピルは非常に安価です。一日あたり100円程度です。また、子作りを望む際には、服用をやめれば速やかに妊娠可能な体に戻ります。服用中止後約3カ月以内に8割ほどの方が妊娠します。

■病院を選ぶコツ

――ピルの使用を考えている女性にアドバイスがあればお願いいたします。


川越院長 一番大切なのは、病院選びです。服用中に異状があった場合には、電話やメールなどですぐに対応してくれる病院がよいでしょう。つまり、低用量ピルに関して正しい知識を持つ病院を選ぶことです。


ピル処方の際に、血液検査を行っている病院は避けるべきです。前述した、体に負担の大きいピルを処方している可能性が高いです。気になったら、処方されるピルがどのようなものなのかを聞いてみるのが良いでしょう。


病院選びのコツとしては、実際に病院に電話をかけてみるといいですよ。受診から処方までの流れを即座に答えてくれる病院であれば、「ピルに慣れている」病院ですので間違いは少ないでしょう。


もうひとつ大事なのは、何かあったときにきちんとケアしてくれるかどうかです。これは実際にあった話ですが、ある女性が低用量ピルを服用していました。彼女は一日飲み忘れてしまい、処方してもらった病院に電話をしました。


電話に出たのはナースだったようです。そこで彼女は飲み忘れた場合の対処方法を尋ねました。返ってきた答えは、なんと「ネットで調べてください」でした。このようなことにならないように病院選びは非常に重要です。


――ありがとうございました。



避妊確率は、コンドームを使用する場合と比べてピルのほうが上というデータがあります。確実に避妊したい、そしてつらい生理痛に悩まされているのであれば、ピルの使用は有力な手段となるのではないでしょうか。



(高橋モータース@dcp)


↑西国分寺レディースクリニック 佐藤力院長著『女性のためのピルの本』(幻冬舎)

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