検索
どれくらい食べればいいの?各種栄養素の1日当たりの摂取基準

2018.02.05

どれくらい食べればいいの?各種栄養素の1日当たりの摂取基準


厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」というものを定めています。これは「国民の健康の保持・増進を図る上で、摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準」です。健康的な食生活を送る上で参考になるものですが、どの栄養素をどれくらい摂取するのがいいのかは知らない人も多いでしょう。そこで今回は、「食事摂取基準」について解説します。

記事監修



金子奈衣華 氏


栄養士。健康検定協会メンバー。日本化粧品検定協会公式コスメコンシェルジュ、調味料検定も所持。健康、美容など多岐にわたる情報を使い活躍中。


⇒健康検定協会

http://www.kenken-kyoukai.jp/

■エネルギーとなる三大栄養素の摂取基準は?

日本人の食事摂取基準は、男女・年齢別で分けられています。今回は男性、女性共に「18~29歳」のデータを紹介します。まずは体を動かすエネルギーのもととなるタンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素からです。

●タンパク質(1日当たりの推奨量)

男性:60グラム、女性:50グラム

(エネルギー比率の推奨量は13~20%)

タンパク質は肉や魚、また乳製品や卵に含まれており、筋肉や血、骨を作るのに欠かせません。牛肉だとだいたい100グラムで15~20グラムのタンパク質が含まれているので、300グラムを食べると摂取基準に達することになります。


また、エネルギー比率の推奨量は、「総摂取エネルギー(タンパク質、脂質、炭水化物の3種)のうち、タンパク質によるエネルギーが占める割合」です。タンパク質は1グラム当たり4キロカロリー。たとえば摂取基準の60グラムだと240キロカロリーになりますが、このタンパク質によるエネルギーが総摂取エネルギーの13~20%になるような食事にするのが好ましい、ということです。


※タンパク質のエネルギー産生栄養素バランス計算式

・タンパク質(%)=タンパク質(グラム)×4(キロカロリー/グラム)/食品および食事全体のエネルギー量(キロカロリー)×100

●脂質(1日当たりの推奨エネルギー比率)

男女:20~30%

脂質の20~30%は、総摂取エネルギーの「脂質の割合」を表しています。脂質は一般的に1グラム当たり9キロカロリーですので、もし50グラム摂取した場合は450キロカロリーになります。この数字が1日の摂取エネルギーの30%以内であれば、好ましい食事ができているということになります。ちなみに油大さじ1杯は12グラムもあるので、脂っこい食事をすれば、あっという間に推奨量以上になってしまう可能性があります。


※脂質のエネルギー産生栄養素バランス計算式

・脂質(%)=脂質(グラム)×9(キロカロリー/グラム)/食品および食事全体のエネルギー量(キロカロリー)×100

●炭水化物(1日当たりの推奨エネルギー比率)

男女:50~65%

炭水化物のエネルギー比率の推奨量は男女共に50~65%。総摂取カロリーを100%として、そこからタンパク質と脂質の推奨量を引いたパーセンテージです。炭水化物の1グラム当たりのカロリーは4キロカロリーです。ご飯お茶わん1杯(150グラム)で炭水化物は約50グラム摂取できますから、炭水化物のエネルギー量は約200キロカロリーです。総エネルギーの50~65%と大きな割合を占める炭水化物ですが、食べ過ぎるとすぐにオーバーしてしまう数字でもあります。


※炭水化物のエネルギー産生栄養素バランス計算式

・炭水化物(%)=100-タンパク質(%)-脂質(%)

■お通じにも効果のある食物繊維の摂取基準は?

●食物繊維(1日当たりの推奨量)

男性:20グラム以上、女性:18グラム以上

便秘の解消にも効果がある食物繊維は、男性と女性で差がありますが、だいたい20グラム以上摂取することが望ましいとされています。たとえば食物繊維が豊富とされるサツマイモは、100グラム当たり2.3グラムの食物繊維(不溶性食物繊維は1.8グラム、水溶性食物繊維は0.5グラム)が含まれています。また納豆は100グラム当たり6.7グラム(不溶性食物繊維4.4グラム、水溶性食物繊維2.3グラム)となっており、1パック(45グラム)なら3グラム以上摂取できる計算になります。

■各種ビタミンの摂取基準は?

エネルギーとなる三大栄養素、そして食物繊維の次は、主に体の調子を整える働きをする各種ビタミンの摂取推奨量です。

●ビタミンA(1日当たりの推奨量)

男性:850マイクログラムRAE、女性:650マイクログラムRAE

※ マイクログラムRAE=レチノール活性当量

含有量が多い食品:レバー、肝、うなぎ


●ビタミンD(1日当たりの推奨量)

男女:5.5マイクログラム

含有量が多い食品:きくらげ、しらす、煮干し


●ビタミンE(1日当たりの推奨量)

男性:800マイクログラム、女性:650マイクログラム

含有量が多い食品:煎茶、ひまわり油、アーモンド


●ビタミンK(1日当たりの目安量)

男女:150マイクログラム

含有量が多い食品:抹茶、わかめ


●ビタミンB1(1日当たりの推奨量)

男性:1.4ミリグラム、女性:1.1ミリグラム

含有量が多い食品:豚肉、うなぎ、小麦粉


●ビタミンB2(1日当たりの推奨量)

男性:1.6ミリグラム、女性:1.2ミリグラム

含有量が多い食品:レバー、うなぎ


●ナイアシン(1日当たりの推奨量)

男性:15ミリグラムNE、女性:11ミリグラムNE

※ミリグラムNE=ナイアシン当量

含有量が多い食品:たらこ、かつおぶし


●ビタミンB6(1日当たりの推奨量)

男性:1.4ミリグラム、女性:1.2ミリグラム

含有量が多い食品:唐辛子、にんにく


●ビタミンB12(1日当たりの推奨量)

男女:2.4マイクログラム

含有量が多い食品:しじみ、あさり


●葉酸(1日当たりの推奨量)

男女:240マイクログラム

含有量が多い食品:レバー、うなぎ、枝豆


●パントテン酸(1日当たりの推奨量)

男性:5ミリグラム、女性:4ミリグラム

含有量が多い食品:レバー、干し椎茸


●ビオチン(1日当たりの推奨量)

男女:50マイクログラム

含有量が多い食品:落花生、インスタントコーヒー


●ビタミンC(1日当たりの推奨量)

男女:100ミリグラム

含有量が多い食品:アセロラ、グァバ、ケール

各種ビタミンの推奨量・目安量は、ミリグラムやマイクログラムなど分かりやすい単位で記載されています。推奨される量をちゃんと摂取したい場合は、該当する栄養素を持つ野菜の「栄養素含有量」を調べることで、必要な量を導き出すことができます。たとえば葉酸の場合、葉酸が豊富な野菜としてホウレンソウが挙げられます。1束約270グラム当たり567マイクログラムの葉酸が含まれているので、半束を使って料理すれば推奨量は満たせる計算になります。

■各種ミネラルの摂取基準は?

続いて。カルシウムをはじめとするミネラルの摂取基準です。

●ナトリウム(1日当たりの必要量)

男女:1.5グラム(必要量)、8.0グラム未満(目標量)

※食塩相当量


●カリウム(1日当たりの目安量)

男性:2,500ミリグラム、女性:2,000ミリグラム


●カルシウム(1日当たりの推奨量)

男性:800ミリグラム、女性:650ミリグラム


●マグネシウム(1日当たりの推奨量)

男性:340ミリグラム、女性:270ミリグラム


●リン(1日当たりの目安量)

男性:1,000ミリグラム、女性:800ミリグラム

こちらも分かりやすい単位のため、含まれる栄養素を考えて食事をすることで、推奨量を満たすことができます。特にナトリウムは食塩換算で記載されているので分かりやすいですね。ちなみに、一般的なカップラーメン1杯には、5.5グラムの食塩が使われているといわれているので、一食で目標量の約7割に到達してしまいます。塩分の過剰摂取が問題となっていますから、できるだけ8.0グラム未満には抑えたいですね。

■鉄や亜鉛の摂取基準は?

最後に鉄や亜鉛、銅といった微量ミネラルの摂取基準です。

●鉄(1日当たりの推奨量)

男性:7.0ミリグラム、女性:6.0ミリグラム(月経時10.5ミリグラム)


●亜鉛(1日当たりの推奨量)

男性:10ミリグラム、女性:8ミリグラム


●銅(1日当たりの推奨量)

男性:0.9ミリグラム、女性:0.8ミリグラム


●マンガン(1日当たりの目安量)

男性:4.0ミリグラム、女性:3.5ミリグラム


●ヨウ素(1日当たりの推奨量)

男女:130マイクログラム


●セレン(1日当たりの推奨量)

男性:30マイクログラム、女性:25マイクログラム


●クロム(1日当たりの目安量)

男女:10マイクログラム


●モリブデン(1日当たりの推奨量)

男性:25マイクログラム、女性:20マイクログラム

微量ミネラルの推奨量・目安量はこのようになっています。鉄分が豊富な食材としてはたとえば豚レバーが挙げられます。鉄分は100グラム当たり約13ミリグラムも含まれているので、1日当たりの推奨量を満たすには最適の食材といえます。



細部まで覚えるのはなかなか難しいですが、たとえばエネルギーとなる三大栄養素だけでも覚えておけば、健康的な食生活を送ることに役立つかもしれませんよ。

⇒参考資料:

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

(中田ボンベ@dcp)