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「母乳」ってそもそも何?妊娠・出産すると出るのはなぜ?

2018.02.10

「母乳」ってそもそも何?妊娠・出産すると出るのはなぜ?


女性は妊娠・出産をすると母乳が出るようになりますね。これがどういうメカニズムによるものなのか、ご存じでしょうか?また、「母乳=血液」だといわれますが、これは本当なの?どうして赤くないの?今回は、「母乳」について解説します。

記事監修



加藤智子 先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■なぜ妊娠すると母乳が出るようになるの?

妊娠すると母乳が出るようになるのは、「女性ホルモン」の働きによるものです。女性の体は常に「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンが分泌されています。これらは生理、妊娠、出産といった女性特有の現象に必要不可欠なものです。


妊娠すると、このエストロゲンとプロゲステロンが胎盤から大量に分泌されるようになります。このうち、エストロゲンが母乳の通り道となる乳管を成長させ、プロゲステロンが母乳を分泌する役割を持つ腺房を大きくします。


出産すると、乳腺を発達させて母乳の生成を促すプロラクチンと、母乳の排出を促すオキシトシンというホルモンが分泌されるようになります。オキシトシンは、胸が刺激を受けたり、赤ちゃんが乳首を吸ったりすることでより多く分泌されます。母乳の出を良くするために胸部マッサージが勧められているのはこのためです。

■母乳=血液って本当?

プロラクチンが分泌されることによって乳腺が発達し、母乳が作られるようになりますが、そもそも母乳とは何なのかご存じでしょうか。実は母乳は「血液」から作られているのです。


発達した乳腺が血液を取り込み、それを母乳に作り替えています。血液からはタンパク質などの栄養を取り込んでいますが、血液を赤くしている赤血球は取り込みません。血液から作られているのに母乳が赤くないのはそのためです。

■妊娠していなくても母乳が出ることがあるのはどうして?

妊娠していないのに母乳が出てしまう場合、原因として多いとされているのが「高プロラクチン血症」と呼ばれる病気です。プロラクチンは、上述のように乳腺を発達させて母乳の生成を促す女性ホルモンです。


高プロラクチン血症は、妊娠していないのにプロラクチンが異常に分泌されてしまうという疾患です。過剰分泌されたプロラクチンが作用して、母乳が出るようになります。


高プロラクチン血症は母乳が出る以外にも、月経不順、排卵障害、不妊といった症状を引き起こすことがあります。高プロラクチン血症の原因は、プロラクチンを作り出す脳の下垂体に腫瘍がある場合や、甲状腺機能の低下などです。ほかにも強いストレスによる自律神経の乱れや、薬の副作用というケースもあります。


いずれにしても、妊娠していないのに母乳が出るということは何らかの病気である可能性があります。その場合は早期に専門医の診察を受けるようにしましょう。



ちなみに、人間以外のほ乳類も妊娠・出産すると「母乳」が出るようです。成分は人間のものとは異なり、「それぞれにとって必要な分」の栄養が含まれているそう。生命のメカニズムはすごいですね。


(中田ボンベ@dcp)