鼻の病気の中に「蓄膿(ちくのう)症」と呼ばれるものがあります。専用薬のテレビCMが放送されていたりするので、皆さんも耳にしたことがあるでしょう。さてこの蓄膿症ですが、いったいどのような病気なのでしょうか?今回は「蓄膿症の原因と症状」について解説します。

記事監修

稲葉岳也 先生


耳鼻咽喉科医。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。医師+(いしぷらす)所属。


▼いなばクリニック

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▼詳細プロフィール

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■蓄膿症とは?

「蓄膿症」はいわゆる俗名で、正しくは「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」と呼ばれるものです(以下、蓄膿症ではなく副鼻腔炎と記述)。副鼻腔炎は、鼻の周りの骨にある、副鼻腔という空洞が炎症を起こす病気です。炎症を起こした副鼻腔からは、膿(うみ)が分泌され、膿の混じった鼻水が副鼻腔にたまります。


膿の混じった鼻水はひどく臭うため、副鼻腔炎になると鼻の奥のほうが臭います。また、副鼻腔にたまった膿混じりの鼻水が鼻の中に流れ出るため、鼻の中に悪臭を感じ、排出した鼻水も臭うのが特徴です。ほかにも、鼻詰まりや頭痛、鼻水が大量に喉側に流れ込む後鼻漏(こうびろう)といった症状も起こります。


副鼻腔炎には急性のものと慢性のものがあり、急性の場合は上で挙げた諸症状が起こります。慢性の場合は、急性副鼻腔炎で見られる症状に加え、後鼻漏を原因とする呼吸器症状(咳、声のかすれ、大量の痰が出るなど)が起こります。急性副鼻腔炎の症状は1カ月ほどで治まりますが、慢性副鼻腔炎は3カ月以上症状が続くのが特徴です。

■副鼻腔炎の原因は?

急性副鼻腔炎になる主な原因は、ウイルスや細菌の感染です。たとえば風邪になると、急性鼻炎という鼻粘膜の炎症が起こります。このとき、風邪のウイルスが副鼻腔に入って炎症を起こすことで、急性副鼻腔炎を発症します。ほかには真菌や花粉症などのアレルギー性鼻炎も副鼻腔に炎症を起こすことがあるため、副鼻腔炎の原因とされています。


急性副鼻腔炎は長くても1カ月ほどで自然治癒しますが、まれに副鼻腔にたまった膿が適切に排出されないことがあり、その場合に慢性化することがあります。

■副鼻腔炎を治療するには?

副鼻腔炎の診察では、まずレントゲン撮影が用いられます。鼻周辺のレントゲン写真を撮影し、副鼻腔の部分が白くなっていれば副鼻腔に膿がたまっていると分かります。レントゲンだけでなく、ファイバースコープを鼻から挿入し、副鼻腔につながる部分を見て判断する検査も併用することがあります。


副鼻腔炎が急性である場合は、炎症を抑えるための抗生剤を使った治療を行い、早期の治癒を促します。慢性化している場合は、抗生剤の服用で治療を行うほか、慢性化によって変性した部分を取り除く手術療法を行うこともあります。ただし、慢性化した副鼻腔炎は完治するまで時間を要するため、できるだけ早く治療に取り掛かることが重要です。



風邪が治ったはずなのに、鼻詰まりが長引いたり、鼻の中が臭う場合は、急性副鼻腔炎になっている可能性が考えられます。上記のとおり、副鼻腔炎は慢性化すると治療に時間がかかるため、症状に気付いたらすぐに耳鼻科で診てもらうようにしましょう。


(中田ボンベ@dcp)