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正常ってどれくらい?高いとどうなる?「血糖値」の基礎知識

2018.02.10

正常ってどれくらい?高いとどうなる?「血糖値」の基礎知識


血糖値というと、「甘いものを食べ過ぎると上がる」とか「高すぎると糖尿病になる」といったイメージがあるかもしれません。しかし、高すぎる場合に考えられる疾患は糖尿病だけではありませんし、逆に「低すぎる」場合も身体に変調をきたす可能性があります。今回は、「血糖値」について解説します。

■血糖値とは?

血糖値とは、「血液中のブドウ糖(グルコース)濃度を示す値」のことです。


血糖は、私たちの身体には「体内の約3%以下」しか蓄えられていないため、食事から摂取する必要があります。よく、「食べたものがエネルギーに換わる」といいますが、これは「食物に含有されているブドウ糖が、全身の細胞が機能する源になる」ためです。逆に、「栄養不足」は血糖不足を意味することになります。血糖は筋力や体力を保つためにも、血糖は必須の存在なのです。


血糖値は、低すぎても高すぎても多くの不調をきたすため、私たちの身体には、「血糖値を正常に維持しようとする機能」があります。血糖値を下げるためにはインスリン、上げるためにはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン等のホルモンが作用し、健康な成人の場合、空腹時は血液1dlあたり80~110mg、食後2時間で80~140mg程度に維持されているのです。

■血糖値は上がりやすく、下がりにくい

人間には、血糖値を上げるためのホルモンが5種類存在しています。グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、甲状腺ホルモンです。一方、血糖値を下げる物質はインスリンのみしか存在していません。


健康な人間の場合は、血糖値が極端に変化することはほぼありません。ブドウ糖は脳の栄養源として必要不可欠なもののため、血糖値が下がると身体は危機的状態であると捉えてしまいます。そのため、「血糖値を下げる」よりも「上げる」ホルモンが多く存在すると考えられます。

■血糖値が高いとどうなるの?

通常、食物の摂取後に血糖値は上昇します。すると、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて血中のブドウ糖を細胞内へ送りこみ、血糖値を下げるという仕組みになっています。


しかしインスリンの分泌量が不足していたり、機能が不足していたりすると、血糖値は高いままになってしまいます。


血糖値が高い状態が維持されると、血液濃度が濃くなり、脱水状態に陥ることがあります。そのほか、糖尿病や肝硬変、心筋梗塞等の病気を引き起こすリスクも高まります。特に糖尿病は、一度発症してしまうと完治が困難です。


また高血糖が長期間持続されることで多くの合併症を引き起こす恐れがあります。糖尿病の合併症として多いものとして挙げられるのは、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症、糖尿病性腎症などです。

■血糖値が低いとどうなるの?

血糖値が低いことを「低血糖」といい、血糖値が60mg/dl以下の状態を指します。


低血糖が起こる原因は、食事量が少ないことや規則正しい食事ができていない、空腹状態で激しい運動や労働を行った……、などが考えられます。低血糖の症状では、集中力が欠如する、イライラする、無気力になる、落ち着きがなくなる等の症状が起こります。症状が進行すると、頭痛やめまい、吐き気が起こり、さらに悪化すると、昏睡状態に陥るなどの危険も考えられるため注意が必要です。



血糖値は「高すぎる」場合ばかり注目されがちですが、上記のように「低すぎる」ことも良くありません。血糖は人間の身体にとって必要なものですから、「高すぎず、低すぎないようにコントロールすること」がとても重要なのです。


もし血糖値に異常があると判明した場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。


(執筆 岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)