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お尻からジェルが出た!? この液体はいったい何?

2018.02.14

お尻からジェルが出た!? この液体はいったい何?


おならなどで力んだときに「お尻からジェル状の物が出る」という現象があるそうです。女性ならおりものと勘違いしてしまいそうですが、これは膣ではなく、お尻から出ているもの。いったい正体は何なのか、不安になってしまいますよね。今回は「お尻から出るジェル状の物」について解説します。

記事監修

古川真依子 先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

■腸、あるいは肛門の粘膜?

力んだときに、ガスや便ではなく「半透明のジェル状の物」が出てきた場合に考えられるのは、腸や肛門から剥離した粘膜という説があります。感染性の胃腸炎で激しい下痢を起こしたときは、剥離・離脱した腸や肛門の粘膜が水様便(すいようべん)と混ざって排せつされることがあります。


また、大腸から分泌された粘液という説もあります。これは「粘液便(ねんえきべん)」といって、粘液だけが出てくることも、大便に粘液が付着した状態で出てくることもあります。この粘液は、何らかの原因で大腸が傷ついた場合、修復するために分泌されるものです。


腸が荒れているときには、この粘液便が出ることがありますが、透明に近いような色であれば、病院にかかるほどの症状ではないことも多いようです。ただし、もしこれがピンク色などの場合には、血が混ざっていると考えられます。この場合はすぐに病院に行くべきです。

■人間には消化できない脂質?

バラムツという魚をご存じでしょうか。これは深海魚の一種で、数百メートルの深さに生息しています。日本では食品衛生法によって厚生労働省から販売禁止指定されています。とはいえ、偶然、網に掛かったり自分で釣り上げたものを食べることまでは禁止されておらず、実際に食べたことがあるという人もいらっしゃいます。


バラムツは脂が乗っていて食べるとおいしいといいますが、この脂のほとんどはヒトには消化できない「ワックスエステル」という成分でできています。このため、消化できなかった油脂が、便意もなく気づかないうちにそのままお尻から漏れることがあるのです。


大量に摂取すると皮脂漏症(皮膚から油が漏れる病気)を起こしたり、消化吸収されなかった油脂が肛門からそのまま漏れ出し、下痢や腹痛を起こす場合もあります。販売禁止指定されたのは、これが理由です。ちなみに、バラムツに似たアブラソコムツも同様の症状を起こすため、販売が禁止されています。


ほかにもギンダラ、ハマチ、クジラなどをたくさん食べたときに便に油脂が混じったり、油脂だけが無意識のうちに排出されるということがあります。排便の後のトイレがラー油のように見えることから「ラー油症候群」といわれることもあります。



半透明のジェルで一過性であれば心配のない場合も多いですが、粘液便が続いたり、色のついたジェルが出た場合は医療機関で相談してみてください。また、ギンダラやハマチについても多量に食べすぎるのは控えたほうがいいかもしれませんね。


(藤野晶@dcp)