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子供がかかりやすい「小児病」の種類と症状

2018.02.16

子供がかかりやすい「小児病」の種類と症状


「おたふく風邪(かぜ)」や「小児喘息(ぜんそく)」など、子供特有、あるいは子供がかかりやすい病気を「小児病」といいます。「なったことがある」という人も多いかもしれませんね。しかし、いったいどのような病気なのかご存じでしょうか?今回は、一般によく知られている小児病について解説します。

記事監修

武井智昭 先生


2002年、慶応義塾大学医学部卒業。同大学病院付属病院を経て、2017年よりなごみクリニック院長就任。

医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/216

子供がかかることが多い「小児病」と呼ばれる病気では、以下のようなものがよく知られています。症状が見られたら、なるべく早く病院に連れていきましょう。

●おたふく風邪

「おたふく風邪」は「流行性耳下腺炎」とも呼ばれる病気で、「ムンプスウイルス」というウイルスによる感染症です。特有の症状としては、耳の下にある「耳下腺」が腫れます。そのほか、頭痛、発熱、喉の痛みなど、一般的な「風邪(医学的には「かぜ症候群」といいます)」に似た症状も現れます。


「おたふく風邪」の対処としては、対症療法を施します。基本的には安静にさせ、脱水症状を起こさないよう、十分に水分補給をさせましょう。また、腫れたところを冷やすと症状が緩和することがあります。症状は1週間ほどで治まってきます。

●小児喘息

「小児喘息」は『公益社団法人 日本医師会』のwebサイトによると

発作性の呼吸困難、喘鳴(ぜんめい)、咳などの気道閉塞(へいそく)による症状の繰り返す病気であり、その背景として多くは、気道の過敏性を伴う環境アレルゲン(アレルギーの原因物質)による慢性のアレルギー性炎症が存在する

と定義されています。「喘鳴」とは、呼吸時に「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」と音がする症状です。


原因は、アレルゲンや受動喫煙といった環境による刺激と、遺伝や体質による因子が絡み合って起こるとされています。アレルゲン(ダニや埃(ほこり)など)が体内に入ると、気管支で慢性的な炎症が起き、気道が過敏になります。そこに上記のような要因が重なると炎症が強くなり、症状を繰り返すようになります。


「小児喘息」の治療には、主にステロイド剤を使用した吸入による対処を施します。設備がなく、吸入ができない場合には、横になっていれば座らせ、発作の原因になる物質を取り除くために換気を行います。また、十分に水分を与えましょう。

⇒引用元:

『公益社団法人 日本医師会』「気管支喘息」

https://www.med.or.jp/chishiki/kikansizensoku/001.html

●手足口病

「手足口病」は「コクサッキーウイルスA6」「コクサッキーウイルスA16」「エンテロウイルス71」などによる感染症で、主に夏に流行します。発症すると口の中、手のひら、足に水疱(すいほう)性発疹が見られるようになります。そのほか、発熱を伴うこともありますが、その場合でもそれほど高熱にならないことが多く、長く続くことも通常はありません。


「手足口病」には特効薬がなく、特別な治療法も確立されていません。発症した場合、対症療法で経過を観察するのが一般的です。

●はしか

「はしか」は「麻疹(ましん)ウイルス」による感染症です。はじめに発熱とかぜ症状を認め、その3-4日後に全身に発疹が現れます。感染力が非常に強いのですが、予防接種で防ぐことができます。



また、一度「はしか」にかかればそれ以降かかることはないといわれていますが、免疫力がない場合には再度かかる可能性もあります。ほかにも、妊娠中の女性が「はしか」にかかると、「早産」や「流産」のリスクが高まりますので、早めに病院で予防接種を受けましょう。


「はしか」には特効薬がないのですが、ほかの病気の二次感染を防ぐため、病院では抗生物質を処方されることがあります(「はしか」はウイルスによる感染症のため、抗生物質は効果がありません)。「はしか」そのものに対しては対症療法を施し、自然治癒を促します。

●風疹

「風疹」は「風疹ウイルス」による急性の感染症です。症状は、耳の後ろから首筋にかけて、リンパ節に腫れが見られるようになります。その後、体や手足に小さく赤い発疹が現れます。また、同時に発熱を伴う場合もあります。


治療は対症療法を施します。比較的症状が軽く、1週間ほど安静にさせて様子をみましょう。

●プール熱

「プール熱」は、「アデノウイルス」による感染症で「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」ともいいます。症状は咽頭炎、結膜炎を起こし、発熱を伴います。「プール熱」の病名は、プールの水を媒介に感染することに由来します。


アデノウイルスに対する特効薬はなく、治療はそれぞれの症状に対して対症療法を施します。

●みずぼうそう

「みずぼうそう」は「水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス」による感染症の一種です。このウイルスに初めて感染したときに発症します。全身に小さい水疱が現れます。


このウイルスは一度「みずぼうそう」の症状が治まった後も体内に潜伏します。そして、加齢や免疫力の低下などの要因により再活性化が起こり、「帯状疱疹」を起こします。


「みずぼうそう」の治療としては、皮膚を掻(か)かないように保護する「亜鉛華軟こう」を塗布し、ウイルスの増殖を抑える内服薬にて対応します。


●溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

「溶連菌感染症」は「溶血性連鎖球菌」という細菌による感染症です。主な症状は、喉の痛み、38度以上の高熱です。また、舌が赤く腫れ、体や手足に発疹が現れます。


「溶連菌感染症」は細菌が原因なので、抗生物質が効きます。とはいえ、症状が治まったからといっても油断は禁物で、その後の合併症を予防するためにペニシリン系であれば10日ほど抗生物質を内服することがすすめられます。医師がいいというまでは、勝手に薬を飲むのをやめないよう、注意しましょう。

●りんご病

「りんご病」はパルボウイルスによる感染症で、正式には「伝染性紅斑(こうはん)」といいます。発症すると頬がりんごのように赤くなることが、病名の由来です。頬のほか、手足にも「紅斑」という赤い発疹ができます。また、頬が赤くなる前に、微熱などの「かぜ症候群」に似た症状が現れますが、実はこのタイミングが最も感染力が強い時期です。


「りんご病」は対症療法で対処します。痒み止め、解熱剤、咳止めなどを症状によって処方し、経過を観察します。「りんご病」は、一度発症すればその後感染することはないとされています。

●RSウイルス感染症

「RSウイルス感染症」は病名のとおり「RSウイルス」による感染症です。このウイルスには乳幼児が感染しやすく、2歳になるまでにほぼ100%の子供が感染します。また、何度も感染するのですが、感染を繰り返すうちに抵抗力が付き、症状が重篤化することもなくなっていきます。


主な症状は咳、鼻水が出たり、発熱することがあり、一般的な「かぜ症候群」とも似ています。月齢が小さいお子さんや、心疾患・肺疾患があると肺炎・細気管支炎など重篤になることがあります。


治療法としては、対症療法を施します。この感染症を予防するためのワクチンが研究されていますが、まだ開発段階で実用化はされていません。




「小児病」は子供が発症すると比較的症状が軽く済むことが多いのですが、大人の場合は重篤化する場合もあります。子供がこれらの病気になったら、子供の治療はもちろん、家族の大人も病院で予防のためのアドバイスを受けるといいでしょう。


(藤野晶@dcp)