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においが分からなくなってしまう…。嗅覚がまひするのはなぜ?

2018.02.17

においが分からなくなってしまう…。嗅覚がまひするのはなぜ?


トイレに入った瞬間に感じたにおいが、出るころには気にならなくなったことはありませんか? レストランのおいしそうな香りも、入店して時間がたつとあまり感じなくなったりします。これは「においがなくなった」わけではなく、どうやら私たちの「嗅覚」が関係しているようなのです。今回はいわゆる、「嗅覚がまひした」と表現される現象について解説します。

記事監修



木村聡子 先生


耳鼻咽喉科医。日本耳鼻咽喉科学会専門医、医学博士。女医+(じょいぷらす)所属。

においを感じる仕組みとは?

そもそも私たちがどうやって「におい」を感じているのかはご存じでしょうか。鼻の中の天井部分には「嗅粘膜」という特殊な粘膜があり、この部分にだけ、においを感じ取る細胞(嗅細胞)があります。嗅粘膜にはボーマン腺と呼ばれる腺(粘液を出すところ)があり、ここから鼻粘膜に粘液が出されます。


嗅細胞はこの粘液中に多数の細い足(嗅毛)を伸ばしており、外から入ってきた匂いの粒子に刺激されると、どんなにおいなのかの情報を電気信号に変換し、嗅神経を経て大脳に送ります。大脳では、過去に経験したにおいの情報をまとめており、大脳皮質にある嗅覚野が送られた電気信号を過去のデータベースに照らし合わせ「これは何のにおいなのか」を判別します。


こうしたプロセスを経て、私たちは「におい」を感じることができるのです。

「においに慣れる」のはなぜ?

においを体に伝える嗅覚器官は、同じにおいを嗅ぎ続けることでにおいに慣れ、あまり感じなくなってしまいます。この現象を「嗅覚順応」「においの順応」などと呼びます。ほかに、「嗅覚疲労」といった表現もされます。


嗅覚器官はほかの器官よりも順応(疲労)しやすいという特徴があり、においが強いほど順応が起こりやすいといわれています。嗅覚が順応しやすい理由については、不快なにおいを嗅ぎ続けることによるストレスを軽減させるためや、別のにおいを嗅ぎ取るために感受性を下げているなど諸説あります。


嗅覚順応が起こったとしても、嗅覚器官がにおいを感じ取れなくなっているのではありません。特定のにおいに対して順応しているだけなので、別のにおいは感じ取ることはできます。

嗅覚順応はどうすれば回復する?

嗅覚順応は、しばらくそのにおいから遠ざかることで回復します。よく「服のにおいを嗅ぐといい」などといわれますが、別のにおいを嗅ぐことで嗅覚器官の順応を回復させられる可能性があるからです。ただこれは一時的なものなので、できれば嗅覚順応を起こしている原因から遠ざかることが望ましいでしょう。



もし全くにおいが感じ取れない場合は、順応ではなく嗅覚障害を起こしている可能性があります。嗅覚障害の原因は鼻の病気や外傷などさまざま考えられますが、自分で治すことは難しいので、速やかに専門医の診察を受けるべきです。


(中田ボンベ@dcp)