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「胸焼け」っていったい何?原因と予防法

2018.02.18

「胸焼け」っていったい何?原因と予防法


お酒を飲んだ後や食後に「胸焼け」がすることがありますね。言葉どおり胸が焼けるような、ムカムカした感覚です。年齢を重ねるにつれて、胸焼けする回数も多くなってきた……、なんて方もいらっしゃるかもしれません。さて、この原因はいったい何なのでしょうか。予防するには、どうしたらいい?今回は、「胸焼け」について解説します。

記事監修



岡村信良 医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

胸焼けが起きる原因は?

胸が焼けるような熱い感覚の原因は、食道にまで逆流してきた胃の内容物、つまり「飲み込んだ食べ物や胃酸」です。口から入った食べ物は食道を通り、胃の中に入ります。


胃と食道の間には「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉があり、これは食べ物が食道から胃に入るときだけ開く門のような働きをしています。そのため、通常は胃の内容物が逆流することはありません。しかし、何らかの原因でこの筋肉が緩んでしまうと逆流し、胸焼けを起こします。


胃酸の逆流によって食道が炎症を起こすことを「胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)」、あるいは「逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)」といいます。


胃食道逆流症の原因は、次のようなものが考えられます。


  • 暴飲暴食

    たくさんの食べ物を食べ、お酒などを飲むとゲップが出ますね。これは胃の中にたまった空気を口から出すため、一時的に下部食道括約筋が緩むことで起きる生理現象です。空気だけが出る分には問題ないのですが、胃酸まで逆流してしまうと胸焼けの原因になります。


    また、早食いをすると食べ物と一緒に空気を飲み込むので、胃の中にも空気がたまりやすくなります。ゲップが出る頻度も高くなり、胸焼けを起こしやすくなります。

  • 消化の悪い食事

    揚げ物など油や脂肪分の多いもの、炭水化物、甘いもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、辛いもの、アルコールなどは消化が良くありません。こうしたものを食べると、消化を助けるホルモンが分泌されるとともに、胃酸の分泌が活発になります。


    また、このホルモンは下部食道括約筋を緩める作用も持ち合わせています。下部食道括約筋が緩むと内容物の逆流が起こり、胸焼けの原因になります。

  • 腹部の圧迫

    さまざまな原因で胃が圧迫されていると、胃酸が逆流しやすくなります。腹部が圧迫されるのには、以下のような原因が考えられます。


    ・肥満体質

    ・妊娠

    ・ベルトやコルセットで腹部を締める

    ・腰が曲がっているなどの理由で、長時間前かがみの姿勢を取る

  • 胃酸過多

    胃酸過多という病気があります。この病気の症状で胃酸が過剰に分泌されると、逆流も起きやすくなります。

  • ストレス

    ストレスも胸焼けの原因になると考えられています。強いストレスを受けている状態が続くと、自律神経のバランスが崩れます。すると食道の粘膜にも異常が起こり、正常なときよりも胃酸に過敏に反応するようになることがあります。わずかな逆流でも反応してしまうため、胸焼けになります。

  • 加齢

    加齢によって下部食道括約筋の働きが弱くなると、胃酸の逆流が起こりやすくなります。

胸焼けを予防するには?

胸焼けの原因として最も多いのが胃食道逆流症です。この場合の予防策としては、以下のようなものが考えられます。


  • 食生活の改善

    暴飲暴食、早食いをやめましょう。食べ過ぎ・飲み過ぎは控え、十分にかんでゆっくり食べることです。空気を飲み込む量が少なくなるだけでなく、食べ物を消化しやすくなるので、胃酸の分泌を抑えることができます。

  • 食後すぐに寝ない

    食後は胃酸が活発に分泌されます。食後すぐに横になると胃の内容物が逆流しやすく、胸焼けの原因になります。


    横になる場合は、体の左側を下にすると胃の出入り口両方が高い位置に上がり、内容物が逆流しにくくなります。また、体の上部が高い位置になるように、体の下にクッションなどの物を入れるのも効果的です。食道を胃よりも高い位置に保つようにしましょう。


    また、夜の就寝前には胃の中に物が入っていないのが理想です。食後2-4時間は空けられるように計算すると良いでしょう。

  • 腹部を締め付けない

    可能であれば、ベルトを少し緩めましょう。運動制限がないのであれば日常的に軽い運動を取り入れ、肥満体質を改善するのも良いでしょう。ただし、激しい運動は胸焼けを誘発するという研究報告があります。くれぐれも無理はしないようにしましょう。また便秘でも腹部が圧迫されますので同じような症状になります。

  • ストレスをためない

    慢性的な強いストレスも胸焼けの原因になります。うまく発散するように心掛けましょう。


もし予防していても胸焼けしてしまった……、という場合は胃酸を中和させる働きのある市販の胃薬を服用するのもひとつの手です。ただし、胸焼けが慢性的なものであれば、病院に行き、医師による適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。


(藤野晶@dcp)