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なぜ「お産」は痛いの?陣痛のメカニズム

2018.02.23

なぜ「お産」は痛いの?陣痛のメカニズム


出産時の痛みを「鼻の穴からスイカを出すよう」と言った例えで表現したりしますが、それだけ想像を絶する痛みということです。では出産時、なぜこうした激痛を伴うのでしょうか。今回は「出産時の痛み」について解説します。

記事監修



巷岡彩子(つじおか・あやこ)先生


産婦人科専門医。医学博士。都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。女医+(じょいぷらす)所属。

陣痛はなぜ起こるの?

出産時には、下腹部や腰などさまざまな部位に痛みが生じます。これら出産により引き起こされる痛みのことを、総じて「陣痛」と呼びます。


陣痛は、まず分娩(ぶんべん)第一期と呼ばれる、子宮口が開き始めて全開になるまでの過程で発生します。胎児が十分に成長すると、出産のため子宮が収縮を始めます。この収縮により引き起こされる痛みが「陣痛」と呼ばれるものです。


生理痛のような不規則な痛みから始まり、次第に強く規則的に痛むようになります。胎児が出るために少しずつ子宮口が押し広げられ、これにも痛みが伴います。子宮口が大きく開くにつれ痛みは強くなります。また児頭が下がってくることで骨盤も押し広げられるため、腰がくだけそうな痛みも伴います。


子宮口が十分に開くと、胎児の頭が、産道である膣内に進みます。これが分娩第二期です。児頭により産道の筋膜などが圧迫、刺激されて痛みが生じます。この時の痛みは排便時の痛みと似ているため、いきみたい感覚も出てきます。その後、胎児は膣口(ちつこう)から体外に出ますが、その際に膣口が大きく開きます。赤ちゃん出てくる間際には外陰部から肛門にかけて焼けるような激しい痛みを感じることが多いようです。

陣痛は人によって異なる?

「死ぬほど痛かった」という人がいる一方で、「それほどでもなかった」という人がいるなど、陣痛は個人差が大きいのが特徴です。痛みに差が出る理由としては、胎児の大きさ、骨盤の形、産道の柔らかさなど複数の要素が挙げられます。また、痛みの感じ方は人によってかなり差があり、これらが個人差の要因だといわれています。

産後も痛みに耐える必要がある?

出産に伴う痛みは陣痛だけではありません。出産後も、いろいろな痛みに悩まされることがあるのです。まずは広がった子宮が元の大きさに戻る過程で起こる「後陣痛」です。子宮筋の収縮という、陣痛と同様の現象が起こるために、陣痛に似た痛みを引き起こします。


また、強くいきむと会陰部に強い力がかかり、場合によっては大きく裂けてしまうことがあります。そのため、出産時にあらかじめ会陰部を切開することがあります。切開時は局部麻酔を施すために痛みはありませんが、産後に麻酔が切れるとひどく痛むことがあります。「後陣痛や切開した会陰部の痛みのほうがつらかった」という人もいるのです。


痛い痛いと聞くと、出産に恐怖を覚えてしまう方もいると思いますが、最近では無痛分娩や和痛分娩など、痛みを抑える分娩方法も選択できます。自分に合った方法を選択出来ると良いですね。


(中田ボンベ@dcp)