はじめまして。ライターのニシブマリエと申します。
挨拶代わりといっては何ですが、マイカラット初登場のわたくしの身体の悩みをお教えします。
それは……
昔からのO脚!!!!!!
「脚細いんだもん。しょうがないじゃん」と各所で逆マウンティングを繰り広げてまいりましたが、挑発したところで膝がくっついてくれるはずもありません。
そして、O脚にともない、別のある悩みも……。それは、ヒール姿がキマらないこと。ヒールを履いていると、どうしても、脚と脚の隙間から向こう側の景色が見えてしまうのです。
イメージでいうと、こう。
(フラミンゴもこんなところで引き合いに出されるとは予想していなかっただろう)
中高生くらいから、急に色気付いてヒールを履き始めるようになったけど、よく考えてみたらヒールの歩き方や選び方って誰も教えてくれないですよね。骨格に悩みがあっても、歩き方でカバーできる部分もあるはず。
ということで、歩きのプロに「ヒールの歩き方」を教えていただきました!
取材協力・監修
彩希子(さきこ)先生
現役モデル/ウォーキング講師/モデルカウンセラー
Model&Beauty School 『sen-se』銀座校代表
CM、ファッションショーなど多方面で活躍し、コアなファン多数。レッスンでは、愛ある指導と、親しみやすい性格で人気。自身の経験を全力注入する熱血指導は、効果が高い上に、その厳しさが何だかクセになると評判。小学生から80代まで生徒を持ち、美しくなる楽しさと快感を届けている。著書に「『あの人すてき!』と思わせる 美人な姿勢図鑑 」(新星出版社)。
▼sen-se(センス)
美しく歩く前に、美しく立とう
彩希子先生
「まずは、自然に立ってみてもらえますか?」
マリエ
「はい。こうですか?」
( 0.5秒の間 )
彩希子先生
「ああ~、わかりました」
マリエ
「わかるの早っ」
彩希子先生
「首が落ちています。それから腰が反っていて、O脚以前に骨盤が開いていますね。『スマホ首』って聞いたことありますか? スマホやパソコンをよく見る人たちは、ほぼ皆さん猫背で首が前に落ちています。マリエさんは、厄介なことに身体が柔らかいので、可動域が広いことが裏目に出ちゃっている感じですね」
彩希子先生
「マリエさんの状態を極端に言うとこんな感じ」
マリエ
「なんか新しい生き物みたいで愛くるしいですね」
彩希子先生
「でも、くどきたくはならないよね」
マリエ
「改善しますっっっっ!」
彩希子先生
「まずは正しく立つところから始めましょうか」
◆1)骨盤を閉じる
彩希子先生
「骨盤をまっすぐに立てて、身体の歪みを改善するために、おへその下で三角を作ります。この三角の下の頂点が、地面に向かってまっすぐ垂直になるように立ちましょう」
マリエ
「お尻に力が入りますね」
彩希子先生
「骨盤が開いている状態だと、三角形の頂点が身体の内側に向いて、腰が反ってしまいます。お尻が開いて、腰が反った状態は健康に悪い姿勢なんです。この三角形のポーズを正しくできると、自然とお腹とお尻に力を入るんですよ」
彩希子先生
「この三角が美人の土台だと思ってください。立つときも、歩くときも。それから、一本の軸が頭から体の中心、おへその奥、左右の脚のあいだを通る感覚を意識すること」
◆2)内側重心で膝をつける
マリエ
「先生、膝が閉じません。がんばってコレです」
彩希子先生
「マリエさん、小指のほうに重心かかってない?」
マリエ
「平等に体重乗せているつもりなんですけど……」
彩希子先生
「う~ん、膝が固いね。そしたらちょっとこの動きを真似してくれる?」
外から集めて~~~~
中に寄せるっっ!!!
彩希子先生
「この動きを意識することで、膝がくっつくようになります。O脚の人って外側に重心がいきがちなんですよ。外から内に巻き込むように、脚やお尻に力を寄せることで、重心を内側に変えています。常日頃から内側重心を心掛けましょうね」
◆3)首を正しい位置に
彩希子先生
「では次。スマホ首を防ぐために、一本の軸の上にきちんと頭を乗せましょう。斜め45度を見上げて、頭の位置を変えずに顎を引いてみて」
彩希子先生
「ちょっと引きすぎかな(笑)」
マリエ
「難しい……」
彩希子先生
「美人の条件って首が長いことなの。だから首は前に落とさないように心がけましょう」
こちらが、首が落ちている状態。
こちらが正常時、首が長い状態。確かに、こっちのほうが凛とする!
<良い姿勢を保つために>
-
ヘソの下に三角を作り、頂点が地面と垂直になるよう、骨盤を立てる
-
首が落ちてこないよう、ナナメ45度を向いて、そのまま顎を引いた場所が頭の定位置
-
脚が外側重心にならないよう、内側を意識する
美しく歩くためのキーワードは「ええ女」
マリエ
「ようやく美しい姿勢を手に入れたけど、そういえば今日は『美しいヒールの歩き方』を聞きに来たんだった……」
彩希子先生
「大丈夫、ここまでできれば8割終わったようなものだから! そしたら、一回歩いてみてくれるかな?」
スタスタスタ
スタスタスタ
彩希子先生
「なかなか男らしいですね。手を大きく振るのは、元気で勇ましい印象。歩幅も大きいから男勝りに見えちゃうのかな。歩くときのポイントは『ええ女』。優雅で余裕のある大人の女をイメージして」
マリエ
「先生のお手本が見たいです」
コツコツコツ
マリエ
「せっ……せんせーーーーーー!!! 美しすぎる。これはマジで惚れる」
彩希子先生
「ヒールで美しく歩くときのポイントは3つ。1つ目は、前に足を出すとき。内ももと膝同士を擦って、脚の間から後ろの景色が見えないようにすること」
彩希子先生
「2つ目は、かかとから着地しないこと。つま先を少し伸ばす感覚で、つま先とかかとを同時に着地させます」
マリエ
「ちょっと難しいですね……」
彩希子先生
「音が違うの。ヒールの正しい音は『コツコツコツ』。かかとから先に着地すると、ゴツゴツした音になっちゃうの」
マリエ
「気持ちいい音が鳴っていればOKってことですね」
彩希子先生
「3つ目。手を前後に振るイメージを持つこと。前後を7:3くらいの割合で、お尻の後ろあたりで揺らします」
マリエ
「なるほど。後ろで手を振るようにすると、自然と胸も張りますね」
ここでライター・マリエは、ガチ習得モードに。この女の負けず嫌いに火が付くと、もう誰も止められない。
女は、ベールを脱ぎ捨てた。
取材ということも忘れ、黙々と歩き続ける。
彩希子先生の動きをひたすら真似る。
ものすごく考えながら歩いている感。
真剣。
着実に上達している。
と、ここで彩希子先生からストップが入る。
彩希子先生
「あのね、マリエさん。歩くのは上手になっても、『ええ女』の基本は笑顔だから!」
マリエ
「確かに! 顔を作るのを完全に忘れていました! ってか、取材であることすら忘れていました!!」
<「ええ女」風に歩くために>
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脚と脚の間から後ろの景色が見えないよう、内ももを擦るように歩く
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つま先とかかとが同時に着地するよう、つま先を少し伸ばし気味にして歩く
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手はお尻の後ろで静かに揺らす程度
-
なにより大切なのは、笑顔
失敗しないヒールの選び方
マリエ
「歩き方はばっちり教えてもらったんですが、そもそもヒールって、試着しただけじゃ自分に合っているのか、わからないときがありますよね?」
彩希子先生
「人の足のサイズって、実は左右で微妙に違うものなんです。売っている靴がぴったりハマる足の人は少ないんですよ。だから、測ったことがない人は一度シューフィッターさんに見てもらうといいかも。自分のサイズがわかれば、左右それぞれを中敷きで調整して、ピッタリのパンプスができるはず!」
彩希子先生
「それから、良い靴はかかとが細くなっています。じゃなきゃ脱げちゃうからね」
マリエ
「確かに、粗悪なパンプスは、すぐにかかとがゆるゆるになっちゃう気がします」
彩希子先生
「安くてもしっかりしていればいいんだけど、靴自体が安定してないものは論外。パンプスがきちんと自立するか、グラグラしないかっていうのは、きちんとお店でチェックしましょう」
<良いヒールを選ぶために>
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自分のサイズを知る。左右サイズが違うものなので、中敷きで調整
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しっかりした作りのパンプスは、かかとが細くなっている
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買う前に、パンプス自体が安定していることを確認する。グラグラするものはNG
ウォーキングレッスン後は、ポージングレッスンも。ウエストと腕の間の空白がポイントだそうですよ!
使い慣れない筋肉をたくさん使ったので、翌日はバッチリ筋肉痛になりました。でもこのウォーキングを日々意識して、タンスの肥やしになっているパンプスを履きこなすぞー!
(取材・文:ニシブマリエ 編集:ノオト)