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肉離れってどんな状態?治療方法とは?

2018.03.02

肉離れってどんな状態?治療方法とは?


スポーツの最中に急にふくらはぎや太ももにピリッと痛みが走って、次の瞬間から痛くて歩けなくなる、なんてことがあります。いわゆる「肉離れ」です。肉離れという言葉には軽いイメージがあるかもしれませんが、歩くこともままならないことからも分かるとおり、筋肉のダメージはかなりのものです。今回は肉離れの応急処置、治療法について解説します。

記事監修



岡本潤 先生


整形外科、救急診療科医。自治医科大学医学部卒業、大阪急性期総合医療センター、大阪府立中河内救命救急センターで勤務。日本救急医学会(専門医)、日本整形外科(専門医)、医師+(いしぷらす)所属。

肉離れとは?

まず肉離れとは、筋肉が筋力に耐え切れず部分断裂を起こした状態のことです。筋肉には柔軟に伸び縮みする機能がありますが、あまりに大きな負荷がかかると、その力に耐え切れずに自身が傷ついてしまうのです。ときには筋肉、腱(けん)が切れてしまうこともあります。「プチッ」という音が自分で聞こえることもあり、このような場合は、ほぼ間違いなく肉離れです。


肉離れが起こりやすいのは、しばらく運動をしていなかったのに、十分な準備運動もせず激しいスポーツを行うといったケースです。急に筋肉に無理をさせることになりますから、このようなむちゃは、やはりいけません。


肉離れを起こしやすい部位は「ふくらはぎ」の「下腿二頭筋(かたいにとうきん)」、「太もも」の「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」「大腿後面(ハムストリングスとも呼ばれます)」です。


下腿二頭筋は、外側頭と内側頭の2本の腓腹筋(ひふくきん)から成り、CMで有名になったヒラメ筋の外側にあります。ふくらはぎの肉離れは、たいてい腓腹筋断裂・腓腹筋挫傷(ざしょう)です。テニスプレーヤーがなることが多いので「テニスレッグ」と呼ばれたりします。


一方の大腿四頭筋は、太ももの前面にある「大腿直筋」「外側広筋」「内側広筋」「中間広筋」の4本の筋肉の総称で、主に膝を伸ばすため、また股関節の屈曲に関わる筋肉です。ハムストリングスは太ももの後面にある筋肉群で、大腿四頭筋と逆の機能を担っています(お互いにバランスを保つ「拮抗筋(きっこうきん)」という呼ばれ方をします)。太ももの肉離れというと、ハムストリングスに起こることが多いとされます。これは、大腿四頭筋に比べて、その拮抗筋であるハムストリングスが弱いことが多く、そのアンバランスが原因となるようです。

肉離れの応急処置

肉離れが起きた際の応急処置は、

  • 運動をすぐやめ安静な状態にする

  • 冷やす(アイシング)

  • 圧迫する

  • 足を挙上する


の4つです。『公益社団法人 日本整形外科学会』の「スポーツ外傷の応急処置」によれば、上記の4つの処置を「Rest(休息)」「Icing(冷やす)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙げる)」の頭文字を取って「RICE」と呼んでいます。


⇒参照:

公益社団法人 日本整形外科学会「スポーツ外傷の応急処置」

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/athletic_injury.html

筋肉の断裂・挫傷ですから、患部は炎症を起こします。すると血管が拡張し、血液を患部に送ろうとします。傷の修復のために必要なことなのですが、腫れや痛みの原因になります。手早く冷やすことでこの腫れ・痛みを抑えるのです。


圧迫もまた応急処置として効果的です。これは患部の内出血、腫れを抑えるために行います。スポンジやテーピングパッドを患部に当て(断裂がひどい場合にはくぼみができることがあり、それも目印になります)、その上からテーピング、包帯を巻くことで圧迫します。ただし、血流を遮断するほど、また神経を圧迫するほど強く巻いてはいけません。


挙上とは、あまり聞き慣れない言葉でしょうが、簡単にいえば、患部を心臓より高い位置に上げることです。上記のように血液を患部に過度に送らないようにする効果があります。足の肉離れですから、(可能なら)寝て、足首にクッションを敷き、患部を心臓より高い位置に上げるようにしましょう。


これら4つの応急処置は部位に限らず肉離れを起こした際には有効なものです。

肉離れの治療法

肉離れを起こしたら、応急処置を行い、速やかに整形外科などの専門医を受診するようにしましょう。ふくらはぎの場合でも、太ももの場合でも、固定し、足が地面に着かないように、つまり損傷した筋肉を使わないようにするのが何より肝心です。ギプスを施したり、テーピングで固定したりといったことはやはり専門家の医療処置を受けるのが一番です。


肉離れの治療は、安静、湿布、塗り薬、内服薬といったものになります。また、応急処置では冷やしますが、患部が安定してきたら今度は血行を良くするために温めないといけません。この切り替えどころも専門医の判断を仰いだほうが良いのです。


マッサージやストレッチも治療に使われますが、これもやはり医師の指導でリハビリとして行うようにしましょう。軽いストレッチでも痛みがある場合には、動かすのは極力避けましょう。焦ってもいいことはありません。



ありがちなのが、急に思い立ってランニングを始めたら肉離れを起こしてしまった、みたいなケースです。適度な運動は確かに健康にとって大事ですが、十分な準備運動なしに行うこと、また急に激しい運動をすることはNGです。自分の筋肉をいたわりながら、徐々に激しい運動ができる体になること、を心掛けてください。


(高橋モータース@dcp)