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尿検査で分かることって?どんな項目があるの?

2018.03.02

尿検査で分かることって?どんな項目があるの?


健康診断などで「尿検査」が行われることがありますね。皆さん「これに採尿してきてください」と紙コップを渡されたことがあるでしょう。尿検査は、腎臓・泌尿器系・肝臓などについて異常がないかを調べるものです。具体的に、どのようなことが分かるのでしょうか。今回は「尿検査」での検査項目について解説します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

尿検査は「尿に何かが混入していないか」を調べるもの

尿はもともと血液です。腎臓で血液から不要なものを漉(こ)し取って作られた尿は、尿管を使って膀胱(ぼうこう)へ送られます。膀胱にある程度尿がたまると脳へ信号が行き、「尿意」を感じるようになっています。尿意を感じると、皆さんトイレに行っておしっこをしますね。


尿からもその人が健康かどうかを調べることができます。具体的には、以下のように「尿に何かが混入していないか」を検査し、見つかったものによって疾患・異常のある部位が推測できるのです。

  • 尿中に「蛋白(たんぱく)」が見つかった

    ⇒腎臓の病気では?

  • 尿中に「糖」が見つかった

    ⇒糖尿病、およびその関連疾患では?

  • 尿中に「ウロビリノーゲン」が見つかった

    ⇒肝臓に疾患があるのでは?

  • 尿中に「血」が混じっている(潜血といいます)

    ⇒尿管結石、膀胱炎など、腎臓・尿管・膀胱などの尿の通り道で何か疾患があるのでは?

といった具合です。


ちなみに、普通の尿検査では、紙コップ1/4程度(約50cc)ほどの尿があれば行えます(検査業者によっても異なります)。ただし、1日の尿をためて行うという検査(24時間蓄尿検査)もあって、この場合には検査される尿はずっと多くなります。

尿検査の「項目」と分かること

具体的な尿検査の項目は、一般的には以下のようになっています。


●尿蛋白(たんぱく)

腎臓の「糸球体」で血液から不要なものが漉し取られ尿の元である「原尿」がつくられます。「タンパク質」は体をつくるための栄養素なので、ろ過されません。また仮に原尿に出てしまっても、糸球体の先にある尿細管で再吸収されます。そのため、タンパク質が尿に混ざることは健康ならほぼありません。


ですので、尿にタンパク質が見つかる「尿蛋白で陽性(+)」ということは、腎臓のろ過機能が低下している、尿細管が機能していないなど、何らかの腎臓の疾患が疑われるのです。


基準値:陰性(-)~ 擬陽性 (±)

ただし、糖尿病の場合には擬陽性(±)でも精密検査を受けるほうが良い

・「蛋白蓄尿」基準値:20-120mg/day


●尿糖

血液中の「糖」が尿に出てしまうことがあります。普通は、腎臓で漉し取る過程で再吸収され血液中に戻るのですが、血糖が限界を超えて増加するとそれができず、尿に排出されてしまうのです。


これは血糖値が160-180mg/dLを超えると起こるといわれています。尿糖が陽性(+)の場合には、「糖尿病」「腎性糖尿病」「甲状腺機能異常」などの疾患が疑われます。


基準値:陰性(-)~ 擬陽性(±)

・部分尿「糖部分」基準値:20mg/dL以下

・蓄尿「糖蓄尿」基準値:40-80mg/day


●尿ウロビリノーゲン

古くなった赤血球に含まれるヘモグロビンは「ビリルビン」という物質になります。これが腸内に送られ、細菌によってさらに「ウロビリノ-ゲン」という物質に変えられます。


ウロビリノーゲンは血液中を流れ、尿と一緒に排出されますが、肝臓に何らかの障害があると、このウロビリノーゲンの量が増加するのです。尿中のウロビリノーゲンの量を計測することで、肝炎・肝硬変など、肝臓疾患の兆候がないかを調べることができます。


検査結果が「陰性(-)」「陽性(++)以上」の場合は、要再検査です。


基準値:擬陽性(±)~陽性(+)


●尿潜血

誰が見ても分かる血尿以外にも、尿にわずかな赤血球が混じるといった「尿潜血」を調べます。腎臓・尿路(腎臓から尿道までの尿が通る道筋のことです)に結石がある、また膀胱炎など、尿潜血では「尿の通り道での異常・疾患」が疑われます。また「前立腺炎」、「腎がん」などの悪性腫瘍といった疾患でも尿潜血が見られることがあります。


基準値:陰性(-)~擬陽性(±)


※各項目の基準値は検査業者などによっても異なっています。


●尿沈渣(にょうちんさ)

尿路のどこかに異常があって、赤血球・白血球・上皮細胞・円柱といった組織が尿中に混ざることがあります。この混入した成分を「尿沈渣」というのですが、これを顕微鏡で観察します。赤血球などを数え、腎臓・尿路系の炎症や結石、感染症、腫瘍尿路の疑いがないかを調べるのです。



毎日おしっこが出ること、またそのおしっこに異常がないことは、健康にとってとても大事です。定期健康診断の「法定検査項目」にも「尿検査」はあって、「尿中の糖及び蛋白の有無の検査」となっていますが、どうせならそれ以外の項目についても検査しておくと良いでしょう(経費負担は少々増えますが)。


(高橋モータース@dcp)