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お腹を下すと腰が痛い……。下痢と腰痛の関係

2018.03.03

お腹を下すと腰が痛い……。下痢と腰痛の関係


体調が悪いと、複数の箇所が同時に痛むことがあります。たとえば、下痢と腰痛が同時に起きるといったケースです。場所が近いだけに関係がありそうですが、実際はどうなのでしょうか。今回は「下痢と腰痛の関係」について解説します。

記事監修

古川真依子 先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

下痢と腰痛は関係がある?

結論から言うと、下痢と腰痛が主な症状として現れる明らかな病気はありません。しかし、下痢の原因となる腸と腰は近くにあり、腹筋や背筋、近くの神経などに異常が起きれば、同時に症状が現れる可能性があります。下痢と腰痛を発症させる原因としては、以下のようなケースが考えられます。

下痢と腰痛を発症させる原因

●体の冷え

胃腸が弱い人は、おなかが冷えると下痢をすることがあります。体の冷えは下痢の原因のひとつです。おなかを壊して何度もトイレに行くうち、だんだんおなかに力が入らなくなってきたことはないでしょうか。このように腹筋がいつも通りに働かなくなると姿勢が悪くなり、背骨を支えたり内臓の位置を正常に保てなくなったりします。その結果、腰に負担がかかるのです。


また、冷え症の人は血行が悪くなっています。血行が悪くなると、細胞内で発生した疲労物質の排出が滞ったり、筋肉が緊張して硬くなったりします。そのため、ぎっくり腰や慢性的な腰痛を起こしやすくなるのです。


●過敏性腸症候群

検査をしても異常が見られないのに、腹痛や便秘、下痢を起こす「過敏性腸症候群」という病気があります。この病気は、以前は「非特異的大腸炎」などと呼ばれていたものです。


過敏性腸症候群には「下痢型」「便秘型」「混合型」「分類不能型」の4タイプがあり、下痢型では突発的に原因不明の下痢が起こります。これによって下痢が続くと、冷え症の場合と同じように腹筋の機能が悪くなり、腰に負担がかかって腰痛を起こすこともあります。

●大腸の不調による神経痛

内臓、特に大腸の不調が原因で腰痛になることも考えられます。これは「関連痛」といって、ある部位が痛んだとき、それを伝える同じ神経(もしくは隣接する神経)が刺激され、別の部位の痛みだと錯覚して痛むというものです。


下痢と腰痛の例では、

1.大腸の不調によって下痢になりお腹が痛む

2.大腸の動きが亢進し腰の筋肉の神経を刺激する

3.腰には異常がないが、大腸からの刺激によって腰が痛む

という流れが生まれ、下痢が腰痛を起こす原因になっています。


●月経

女性の場合、月経時において下痢と腰痛を同時に起こすケースもあります。月経時には、子宮を収縮させて経血を排出するために「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。この物質には痛みを感じさせる作用もあり、この副作用として腹痛や腰痛を起こしてしまうのです。


●ほかの重篤な病気によるもの

胃腸、肝臓、膵臓(すいぞう)、腎臓などの炎症や病気によって、下痢と腰痛を同時に発症することもあります。大腸がんなどの重い病気の場合もあるので、冷え症などの対策をしているにもかかわらず症状が治まらないような場合、検査を受けたほうが良いでしょう。



下痢、腰痛はどちからだけでもつらい症状ですが、これが同時に襲ってくるのですからたまったものではありませんね。体質や体調によってある程度原因が分かったとしても、自力で対処するのは困難です。早めに病院に行き、適切な治療を受けたほうが良いでしょう。


(藤野晶@dcp)