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有害なだけではない!「紫外線」が人体に与える影響って?

2018.03.04

有害なだけではない!「紫外線」が人体に与える影響って?


「紫外線」は、皮膚がんの原因になるなど、肌に悪い影響を与えるものというイメージが強いのではないでしょうか。しかし、紫外線はネガティブな要素だけでなく、さまざまなプラスの効果も持ち合わせています。今回は、「紫外線が持つマイナスの働きとプラスの働き」をご紹介します。

記事監修



小澤佑美 先生


皮膚科医。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。

現在同じく皮膚科専門医の妹とともに父の開業するクリニックで皮膚科・美容皮膚科を担当しています。女性ならではのキメ細やかな診療を心がけています。

日本美容皮膚科学会、女医+(じょいぷらす)所属。

紫外線っていったいなに?

太陽から発せられた光には、目で見える「可視光線」と目で見ることができない「赤外線」「紫外線」があります。同じ目に見えない光のうち、赤外線ストーブなど熱を発生させるものがあるように、赤外線には対象物に熱を与える働きがあります。太陽の光を「暖かい」と感じるのはこのためです。


一方の紫外線は、「UVA」「UVB」「UVC」の三種類があり、この中で地上まで届くのがUVAとUVB。これらは赤外線のように熱を発生させるものではありませんが、肌に浴びることでさまざまな影響をもたらします。UVAとUVBの特徴は以下のようになります。


●UVA

UVAは肌の深い部分にある真皮層にまで届き、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンに影響を与えます。これが肌のたるみやシワの原因になります。こうした、紫外線によって肌が衰えることを「光老化」と言います。UVAは地上に届く紫外線のうち約9割を占めるため、UVAは光老化の大きな原因とされているのです。また、UVAは皮膚のメラニン色素を酸化させ、黒く変色させる働きもあります。UVAを浴びると後々に色が黒くなるタイプの日焼け(サンタン)を起こします。


UVAは雲に遮断されにくいため、曇りの日でも線量が大きく下がらず、また朝・夕でも大きく変化しません。紫外線が弱まる冬季でも線量が大きく下がることがありません。


●UVB

UVBは主に肌の表面に影響を与える紫外線です。UVBを浴びることで表皮にあるメラノサイトという細胞が影響を受けます。これが原因でメラニン色素が多く作り出されてしまい、くすみやシミを引き起こしてしまうのです。また、UVBは浴びた直後に表皮が赤くなるタイプの日焼け(サンバーン)を起こし、過剰に浴びると表皮細胞が傷つけられます。


UVBはUVAと違って雲に遮断されやすいため、曇りの日は線量が少なくなります。また、夏と冬では大きく線量が異なるのも特徴。UVBの冬の線量は夏と比べるとおよそ5分の1程度といわれています。

紫外線はデメリットばかりではない

紫外線が持つ体へのプラスの影響としては、「ビタミンDの生成」が挙げられます。私たちは、体の機能を維持するために必要なビタミンDの一部を「紫外線(UVB)を浴びること」で生成しています。


『国立研究開発法人 国立環境研究所』によると、「日本人の多くは、ビタミンDが慢性的に不足している」という報告があります。ビタミンDは食事で取ることができるものの、健康的な生活を送るには日光浴によるビタミンDの生成が重要となるのです。過剰に浴びると皮膚への悪影響が懸念されますが、全く浴びないのもよくないのです。

病気の治療にも生かされている

紫外線は、「紫外線療法」といって、病気の治療に活用されています。これはアトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)などの皮膚疾患に対して施術される療法で、患部にUVAおよびUVBを照射することで、過剰な免疫反応や細胞増殖を抑え、皮膚病の改善を試みます。


もちろん紫外線を長時間当て続けることは肌への悪影響も懸念されるため、デリケートな処置が求められます。太陽光線とは違い、できるだけ治療に有効な波長のみを照射するようにしています。



どうしてもマイナスのイメージを抱きがちな紫外線ですが、ビタミンDの生成や病気治療などに有効な面もあるのです。特に紫外線量が少なくなる冬場は日光浴によるビタミンDの生成が重要となるので、適度に日光を浴びるようにしましょう。

⇒参照:

『国立研究開発法人 国立環境研究所』「太陽紫外線による健康のためのビタミンD生成と皮膚への有害性評価」

http://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20141127/20141127.html

(中田ボンベ@dcp)