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ひどい胸焼けがする……。もしかして「胃食道逆流症」の症状かも?

2018.03.05

ひどい胸焼けがする……。もしかして「胃食道逆流症」の症状かも?


「胃食道逆流症」は、胃の内容物が逆流することによって食道の粘膜がただれてしまうという病気です。空腹時や夜間に、特にひどい胸焼けを感じるのが特徴で、日本人では有病率が20-25%といわれています。思い当たる症状がある方もいらっしゃるかもしれませんね。今回はこの「胃食道逆流症」について解説します。

記事監修

古川真依子 先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

胃食道逆流症とは?

胃食道逆流症は、胃の内容物が食道へと逆流することで起こります。内容物には強烈な酸である胃液が含まれることもあって、食道の粘膜にびらん、ただれ、潰瘍などを生じることがあります。


胃食道逆流症には「逆流性食道炎」と「非びらん性胃食道逆流症」があり、内視鏡検査を行って、下部食道粘膜に「ただれ」「びらん」「潰瘍」が認められるものを「逆流性食道炎」と呼びます。胃食道逆流症ではなく、この逆流性食道炎のほうが名前は有名かもしれませんね。


一方、内視鏡検査を行っても炎症が見られないものを「非びらん性胃食道逆流症」と呼びます。

胃食道逆流症の症状って?

胃食道逆流症の主な症状は、

  • ひどい胸焼け

  • 呑酸(どんさん)

です。「呑酸」というのは、胃の内容物が食道に(時には喉元まで)上がり、また下がることで、酸っぱく、かつ苦い味を感じる症状です。嘔吐(おうと)を我慢したときの不快感と同じですね。胃食道逆流症が慢性的になると、胸焼け・呑酸の苦しさが日常的になってしまいます。


なお、逆流性食道炎が、

  • 声がれ(嗄声:させい)

  • 喘息(ぜんそく)

  • 慢性の咳

を引き起こすことも分かっています。


また食道炎が長期にわたって続くと「バレット食道」になってしまうことがあります。バレット食道とは、食道壁と胃壁の接合部分で、胃の粘膜細胞(正確には円柱上皮:これがせり上がる)と食道の粘膜細胞(正確には扁平(へんぺい)上皮)が置き換わってしまうという症状です。


バレット食道は食道腺がんの主な原因となります。胃食道逆流症で食道炎が慢性化した場合には、炎症がバレット食道を引き起こさないようにしなければなりません。

胃食道逆流症の原因とは?

胃の内容物が逆流する主な原因は、

  • 肥満

  • 妊娠

  • 便秘

です。このどれもが腹圧を上昇させるため、逆流を引き起こしやすくなるのです。また加齢も原因になります。そのため、胃食道逆流症になりやすいのは、40-60代の肥満傾向の強い男性、また60代以上の腰が曲がってしまった女性です。ただし、若い人であっても肥満度の高い人は発症する可能性があります。

  • 狭心症や高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)を服用している人

  • 食道裂孔ヘルニアを持つ人

  • ピロリ菌を除菌した人

  • 胃を手術した人

は逆流性食道炎になりやすいといわれています。

胃食道逆流症は治療できる?

胃食道逆流症の治療には、胃酸の分泌を抑える「胃酸分泌抑制剤」が使われますが、同時に生活習慣の改善も行わなければなりません。胃酸の分泌を薬で抑えますが、胃酸の分泌を促進するような「油脂分の強い食事」「甘いもの」「アルコール飲料」などを避けるようにするのです。また、胃の内容物が逆流しないように、前屈姿勢を避けるなども必要です。早食いや大食いを避ける、食べた後すぐに横にならない、寝るときにも、上半身のほうが高くなるようにする、といった工夫をします。



胃食道逆流症は、胸焼け・呑酸のあるつらい病気です。若い世代でも肥満などが原因で増加傾向にあるといわれています。もし、呑酸など思い当たる自覚症状があれば、早めに専門医に診てもらうようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)