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「たばこ」が健康に与える影響は?どんなリスクがある?

2018.03.07

「たばこ」が健康に与える影響は?どんなリスクがある?


日本でも喫煙人口はずいぶん減りました。ただし、来る2020年の東京オリンピックに向けて「受動喫煙」問題で、居酒屋などの喫煙スペースをどうするか、などの議論は尽きませんね。そもそもたばこは、どうして健康によくないといわれているのでしょうか?今回は、現段階で分かっている「たばこ」と健康リスクを解説します。

記事監修



鈴木智(すずき・さとし)先生


呼吸器内科医。金沢医科大学医学部卒業。舞鶴市民病院等での臨床研修を経て、2003年金沢駅前ぐっすりクリニック開院、2004年より加賀ぐっすりクリニック院長を務める。医療法人すのあ会理事長。医師+(いしぷらす)所属。


▼加賀ぐっすりクリニックfacebookページ

https://www.facebook.com/kaga.gussuri/

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/183

喫煙者の健康リスク

喫煙が健康に与える影響については、これまでに多くの議論が重ねられてきました。販売する側にも理屈がありますが、健康に害があるとする科学的な調査は今も進んでおり、以下のようなことが分かっています。


喫煙の健康被害の最大のものは、


「がん」の発生リスクが高まること


だといわれます。日本で吸われているたばこのほとんどが「紙巻きたばこ」です。厚生労働省の文書によれば、

喫煙によって発生する主流煙の粒子成分が約4,300種類、ガス成分が約1,000種類、合計約5,300種類ある。これらの化学物質には、発がん性があると報告される物質も約70種類含まれている。

と、あります。これらの物質が煙に含まれて肺に届き、血液に混入して全身に運ばれます。発がん性物質がDNAに損傷を与えるなどしてがんの原因になると考えられるのです。


喫煙と発症の「科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である」(この水準の推定は「レベル1」)とされるがんには、

●肺がん

●口腔(こうくう)・咽頭がん

●喉頭がん

●鼻腔(びくう)・副鼻腔がん

●食道がん

●胃がん

●肝がん

●膵(すい)がん

●膀胱(ぼうこう)がん

●子宮頸(けい)部がん

が挙げられます。


また、「科学的証拠は因果関係を示唆しているが、十分ではない」(この水準の推定は「レベル2」)とされるがんでは、

●大腸がん

●乳がん

●腎盂(じんう)尿管・腎細胞がん

●前立腺がん死亡

●急性骨髄性白血病

が挙がっています。がん以外にも、たばこは喫煙者本人に、

●循環器系疾患

●呼吸器系疾患

●糖尿病

を引き起こすリスクが高いことも分かっています。さらに「歯周病」との因果関係も「レベル1」で、科学的に根拠があるものとみられているのです。

⇒データ引用元:

『厚生労働省』「喫煙の健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」平成28年8月

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf

「受動喫煙」の健康リスク

他人が吸っているたばこの煙を吸い込むことを「受動喫煙」といいますが、この受動喫煙でも健康リスクがあることが分かってきました。『国立研究開発法人 国立がん研究センター』では、

受動喫煙による日本人の肺がんリスクは約1.3倍

としています。自分がたばこを吸わなくても、誰かのたばこの煙を吸い込むだけでも肺がんのリスクが高まるのです。


このリサーチを受けて、国立がん研究センターと健康研究センターの研究班は、科学的根拠に基づいて、受動喫煙における日本人の肺がんリスクを「ほぼ確実」から「確実」に変更しました。


同時に、「日本人のためのがん予防法」ガイドラインにおける表現を、たばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」へと文言変更を行っています。


2016年8月31日に更新された同ガイドラインでは、喫煙について、

たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。

と明記されているのです。

⇒データ引用元:

『国立研究開発法人 国立がん研究センター』「受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍」

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2016/0831/index.html


このように並べてみますと、たばこの健康リスクが大きなものであることがお分かりいただけるのではないでしょうか? 今回ご紹介した国立がん研究センターの研究は、おおむね世界の研究結果と合致しています。受動喫煙であっても上記のようなリスクがあることは、科学的に「確実」と考えて良いようです。


(高橋モータース@dcp)