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足だけじゃない!? 水虫菌が感染する部位って?

2018.03.09

足だけじゃない!? 水虫菌が感染する部位って?


水虫は主に「男性」の「足」に発症する病気だと思われがちです。しかし、もちろん女性や子供も発症しますし、水虫の原因菌が足以外の箇所に感染することもあります。「足を清潔にしているから大丈夫」とは言い切れないのです。今回は、「足以外の水虫菌感染」について解説します。

記事監修



屋代未佳 先生


日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。北里大学医学部卒業。その後、大学病院や関連病院で勤務。

女医+(じょいぷらす)所属。

そもそも「水虫」ってどんな病気?

「水虫」は、「白癬菌」というカビの一種が皮膚に寄生し生じる病気です。医学的には、白癬菌(皮膚糸状菌)による皮膚やその付属器の感染症を白癬(=皮膚糸状菌症)といいます。そのうち、足に生じたものを「足白癬」といい、これが通称「水虫」として知られています。白癬菌は、以下のようなものを介して皮膚と接触し、感染します。

  • バスマット

  • カーペット

  • スリッパ

  • 洗濯物

もし、家族に水虫の人がいた場合、気が付かないうちに白癬菌と接触する機会が増えるわけです。


白癬菌は局所の温度や湿度がその増殖に強く関与しており、高温・多湿を好みます。はだしで歩いたり、通気性の悪い靴を長時間履いたりするのはなるべく避けたほうがいいでしょう。

「水虫」の症状って?

水虫の主な症状は以下の3つです。

  • 水膨れ

  • 皮がむける

  • 皮膚が硬くなり、ひび割れる

一般に、「水虫はかゆいもの」と思われがちですが、水虫でかゆみが出るのは10%程度と言われています。自覚症状のない水虫は放置されているケースが多く、感染源となり得ます。



水虫は症状やでき方によって、以下の3種類に分類されています。


・趾間型(しかんがた)

足の指の間に発症する水虫です。指の間の皮がむけたり、白くふやけたりします。


・小水疱型(しょうすいほうがた)

主に足の裏に小さい水膨れができます。指の付け根や足の縁にもできることがあります。水膨れが破けると、皮がむけます。


※趾間型と小水疱型は暖かくなると症状が出て、涼しい時期になると自然に治まる傾向があります。


・角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

足の裏、特に踵(かかと)の角質が厚くなり、皮がむけます。皮膚の表面はザラザラとしてひび割れを起こすこともあります。

「水虫菌」は足以外にも感染する?

「水虫」といえば前述の通り、足に発症するものですが、足以外の部位に水虫菌が感染することもあります。「白癬」が足以外で発症した場合、以下のような病名で呼ばれます。



●爪白癬(つめはくせん)

手や足の爪に発症する白癬です。「爪白癬」「爪水虫」と呼ばれます。足の親ゆびに生じることが多く、足白癬から続いて起こることが多いです。自覚症状が乏しいため、放置され、自家感染や家庭内感染の原因となることがあります。


●手白癬(てはくせん)

手は足に比べて外気にさらされていることが多く、洗う機会も多いため、白癬にはなりにくいのですが、足や爪の水虫を頻繁に触っていると感染することがあります。手に発症した白癬は「手白癬」と呼ばれます。


●体部白癬(たいぶはくせん)

胸、お腹、背中、太もも、腕など、股以外の体に生じた白癬です。「ゼニタムシ」とも呼ばれます。円形-楕円形の発疹で、中央は治っているように見え、かゆみを伴うことがあります。ペットからの感染の他、格闘技選手間ではTrichophyton tonsurans(トリコフィトン・トンズランス)という種類の菌の集団感染が頻発した報告があります。


●股部白癬(こぶはくせん)

股に発症する白癬で、「インキンタムシ」とも言われています。女性よりも男性に多く見られます。見た目は体部白癬と同様で、強いかゆみを伴うことがあり、しばしば、湿疹と見間違えられます。


●頭部白癬(とうぶはくせん)

「頭部白癬」は頭に発症した白癬で、俗に「シラクモ」とも呼ばれます。大人よりも子供がに多く発症します。患部が赤く腫れ、細かい角質が剥がれ落ちます。かゆみや痛み等の自覚症状は少ないものの、脱毛を来します。


●ケルスス禿瘡(とくそう)

白癬菌が頭部の皮膚の下部にまで侵入し、より強い炎症を起こすようになったものです。患部が腫れ、膿(うみ)が出るほか、脱毛も起こります。治療が遅れると、回復後も髪の毛が生えにくくなることがあります。発熱やリンパ節の腫れも起こすことがあります。犬や猫などペットからの感染が最も多いですが、体部白癬と同様、Trichophyton tonsurans(トリコフィトン・トンズランス)によるものが増加傾向です。


●白癬性毛瘡(もうそう)

男性の髭の生える口周りに生じた白癬で、場所以外はケルスス禿瘡と同様です。毛穴から膿が出たり脱毛を起こしたりします。



現在、水虫に有効な薬は多くあり、正しい使用法と継続で治すことは可能です。前述したように、夏場に水虫は悪化しやすく、涼しい時期になると水虫菌の増殖が止まり菌の数が減るため、一見、治ったように思えますが、菌が残っていると高温多湿の時期に再び症状が出てきます。完治させるには家族全員で協力して治療に取り組む必要があります。水虫を疑った際は、皮膚科を受診し根気強く治療を続けましょう。


(藤野晶@dcp)