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つぶしてもいいもの?やけどの「水膨れ」の対処法

2018.03.11

つぶしてもいいもの?やけどの「水膨れ」の対処法


やけどをして「水膨れ」ができてしまった場合、あなたならどうしますか?つぶす?それとも、つぶさないように保つ?どのような処置をするのがいいのでしょうか。そもそも、なぜやけどをすると水で膨れてしまうのかも気になるところです。今回は、「やけどの水膨れ」について解説します。

記事監修


土屋佳奈 先生


皮膚科医。東京医科大学卒業。東京女子医科大学で研修後、皮膚科学教室に入局。東京女子医大病院、JR東京総合病院勤務を経て、都内の美容クリニック、皮膚科クリニックに勤務。現在は、つちやファミリークリニック副院長として、皮膚科診療を行う。

女医+(じょいぷらす)所属。

どうして水膨れになってしまうの?

日本皮膚科学会によると、やけどとは「熱による皮膚や粘膜の外傷」と定義されています。やけどは程度によって以下の4つに分類されます。

  • I度熱傷

    ……赤くなり、痛い。数日で治る。

  • 浅達性II度熱傷

    ……赤くなり、水疱(すいほう)(水膨れ)ができ、痛い。水疱は圧迫で発赤(赤み)が消失。

  • 深達性II度熱傷

    ……赤くなったり、紫色~白くなり、水疱(水膨れ)ができ、痛くない。水疱は圧迫しても発赤(赤み)が消えない。

  • III度熱傷

    ……黒色、褐色または白色。水疱(水膨れ)はできず、痛くない。

このように、やけどをしてしまった場合、水膨れができる場合とできない場合があります。皮膚の表面だけのやけどであるⅠ度熱傷は、やけどした部位が赤くなりますが、水膨れはできずに数日で傷あとを残さず治癒します。Ⅲ度熱傷も水膨れはできませんが、深達度がかなり深いため、自然治癒は難しく、すぐに病院を受診する必要があります。一方、II度熱傷では、浅達性、深達性のいずれでも水膨れが形成されます。


II度以上のやけどでは、皮膚を覆う表皮よりも一段階深い部分にある「真皮」がダメージを受けます。そうすると、真皮から血漿(けっしょう)という、タンパク質などを含む液体が染み出します。これが表皮との間にたまり、水膨れができるのです。

やけどしたときの正しい応急手当は?

日本皮膚科学会では、「すぐに冷やす(やけどした部位を冷却する)ことが最も大切」としています。もし衣服の上から熱湯や油がかかってしまっても、脱がせるのはNG。熱の作用が持続し、より深いやけどになったり、水膨れが破れるなどして治るまで時間がかかることがあります。なので、衣服の上からでもいいので、すぐに流水や保冷剤で冷やすことが大切です。


やけどは冷やすことで進行を止めることができます。冷やす時間の目安ですが、「15-30分間冷却すると良い」とされています。部位によっては、1時間ほどしっかりと冷やすと症状が軽くなることもあります。そしてしっかり冷やしながら、速やかに専門医の治療を受けるようにしましょう。

水膨れになってしまったら?

水膨れの中にある血漿は、タンパク質などを含んでいるため細胞に栄養分を供給する役目を持っています。また、やけどをした表皮部分が感染を起こさないようにするという役目もあるため、清潔なガーゼなどで水膨れを覆い、水膨れをつぶさないようにしましょう。水膨れが広範囲にできた場合は、すぐに医療機関に行くようにしてください。水膨れの範囲が狭くても、深達性II度熱傷という深い部分までダメージを負っている場合もあります。もし時間を置いても痛みが引かない、さらにひどくなったという場合には病院へ行くようにしましょう。


もしつぶれてしまった場合は、流水で流したあとに清潔なガーゼで覆い、雑菌が入らないようにします。やけどの部分に感染を起こしてしまうと、傷の治りに時間がかかりますし、痕が残る可能性も高まります。


水膨れがつぶれてしまった場合、患部が狭い範囲で、症状が軽度であるならば「湿潤療法」を用いることも考えられます。湿潤療法は、創傷被覆材(そうしょうひふくざい)と呼ばれる特殊な素材で患部を覆うもので、創傷被覆材が皮膚の代わりとなって内部に血漿をとどまらせます。それにより、感染を防ぎつつ治療できるのです。創傷被覆材は市販されているものもあります。当然ですが、使用する際は患部を清潔にするなど、正しい使い方をするようにしてください。

こんなときは病院へ!

やけどの具合によって、病院へ行くべきか様子を見るべきか迷うところですが、その際は「どうして水膨れになってしまうの?」で紹介した4つの分類を参考にするのはどうでしょうか。同じ水膨れができるII度熱傷でも、浅達性と深達性では特徴が異なるので、たとえば水膨れを押して赤いままか白くなるかで判断するといいでしょう。ただ、軽度であっても処置を誤ると悪化する可能性があるため、基本的には病院で診察を受け、適切な処置を受けるのがいいですね。



万が一のときに備えて、やけどの程度による特徴や応急手当、水膨れの対処方法を覚えておいてくださいね!

⇒参考:

公益社団法人 日本皮膚科学会「やけどとは?」

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa8/q01.html

(中田ボンベ@dcp)