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圧力と熱、水分を意識して!上手なアイロンがけのポイント

2018.03.06

圧力と熱、水分を意識して!上手なアイロンがけのポイント


しわだらけのシャツに、よれよれのジャケット。こんな装いだと、ビジネスシーンはもちろんオフタイムでも「ちょっと残念」な印象を与えてしまうかも。とはいえ、アイロンがけって面倒ですし、しわを残さないようにするのは意外と難しいんですよね。。そこで今回は、「上手なアイロンがけのポイント」をお伝えします。

「アイロン」でしわが伸びる仕組みとは?

「アイロン」の語源は英語の「iron(鉄)」です。もともとは、重い「鉄のかたまり」でできていたそう。日本でも火熨斗(ひのし)という柄のついた金属製の容器に、焼いた炭を入れたものが使われていました。重たい鉄のかたまりで圧力をかけ、炭の熱を利用するのです。


しわを伸ばすために重要なのは「圧力と熱」。


現在、家庭で使われているアイロンは昔ほどの重さはありません。ほとんどのものは布の上で滑りが良くなるように、焦げ付くことがないように、底部分にフッ素樹脂塗装がされています。しかし、「圧力と熱」を重視要しているのは昔と変わりません。


さて、衣類の原材料である繊維は「高温で変形しやすくなり、低温で固定する」のが特徴です。


しわのついたシャツにアイロンをかけると、熱によってシャツの繊維が変形しやすくなります。この状態で圧力をかけると、「しわになっていた繊維が、しわが伸びた状態に変形する」のです。

アイロンがけのポイント

●圧力をかける

より強い圧力がかかったほうがしわは伸びますから、アイロンは衣類の上を滑らせるのではなく、体重をかけてギューッと押し付けるようにするといいですね。また、襟や袖など面積の小さいところからかけ、最後に面積の大きな部分をかけると良いですよ。



●衣服は温度が下がるまで動かさない

アイロンをかけた直後は、温度が下がるまであまり動かさないようにしましょう。温度が高い状態は変形しやすいので、すぐに動かすとまたしわがついてしまいます。「すぐに着たい」という場合は、ドライヤーなどで冷風を当てて冷ますと良いでしょう。


●水分を上手に使う

圧力と熱のほかに、「水」も大切なポイントです。繊維は「水を吸うこと」でも変形しやすくなります。


繊維分子の間には「結びつく力」が働いているのですが、水分を吸うと、この力がゆるんで変形しやすくなるのです。これを利用しているのが、スチームアイロンや衣服スチーマーです。スチーム機能ないアイロンの場合は、霧吹きを使って衣服に水を含ませてからアイロンをかけるといいですね。


スチームと霧吹きの違いは「水の粒の大きさ」です。スチーム(水蒸気)は気体ですから、霧吹きから出てくる液体の水より粒が小さいです。



特にしわになりやすい綿や麻などの繊維には、水分をしっかり与えたいので、霧を吹いた後に少し時間をおきましょう。全体に水分を行き渡らせてたら「ドライ」でアイロンをかけます。水分が残っているとしわがついた状態に戻ってしまうので要注意。ウール素材には、スチームアイロンがおすすめです。直接アイロンをあてるのではなく、衣類から1~2cm離して「蒸気」をあてるようにして使います。ウールはしわになりにくい繊維ですから、水蒸気をあてるだけ十分です。アイロンを強く押しあてると繊維がつぶれてしまい、テカリが出て風合いが悪くなるので注意しましょう。


衣服スチーマーはスチームアイロンよりも「蒸気の量」と「蒸気が出ている時間」が長くなります。ウール素材の衣類や、ニットのしわを伸ばす際には使いやすいと思います。


ちなみに、「蒸気」はしわだけでなくニオイをとる効果も期待できます。旅先などでアイロンが使えない状況なら、「浴室」を利用してもいいですね。入浴後の浴室はかなりの水蒸気(湯気)で満たされているので、一日着てしわとニオイがついてしまったジャケットやコートなどを吊るしておくと、ある程度しわもニオイも軽減されるはずです。


※ただし、ポリエステルは水をほとんど吸わないため効果はありません。


●素材に適した温度を設定する

素材によって「適した温度」は違うので、衣類についている取扱い絵表示を確認して温度設定するようにしましょう。



目安としては、綿・麻は高温、毛・絹・ポリエステル・ナイロン・レーヨン・キュプラは中温、アクリル・ポリウレタン・アセテートは低温です。2種類以上の繊維が使われている場合は、多く含まれる繊維、または適温が低いほうに合わせると良いでしょう(含まれる繊維の種類と割合は「組成表示」で確認できます)。たとえば、「綿65%、ポリエステル35%」と書かれていたら、多く含まれる綿の適温である「高温」で。「ポリエステル65%、綿35%」だったらポリエステルに合わせて「中温」、「綿50%、ポリエステル50%」で含まれる量が同じ場合は、適温がより低いポリエステルに合わせて「中温」に設定することをおすすめします。

アイロンの選び方と「プラス」したいアイテム

使う頻度や使い方、お好みに合わせて選ぶのがいちばんですが、効果を優先させるなら「重くてスチームの出る穴の数が多いもの」が良いでしょう。


アイロン台はスチームや熱をこもりにくくするため、足がついていて下に空間ができるものが良いですね。

そしてもうひとつ用意しておいてほしいのが、「洗濯のり」です。布の表面にのり剤の被膜をつくることで、適度な硬さとハリを与え、毛羽をおさえられます。平滑になるので光沢が出ますし、触った感じがひんやりします。夏場はシーツなどにも使うと気持ち良いですよ。また、被膜によって汚れがつきにくくなるため、「洗濯時に汚れが落ちやすい」というメリットも。ボトルに入った液体タイプとスプレータイプがありますが、全体をパリッとさせたいなら液体タイプ、部分的にパリッとさせたいならスプレータイプを使うと良いでしょう。



アイロンがけは確かに手間のかかる家事のひとつですが、やっぱりきちんとアイロンがけされていると気持ちが良いですし、好印象になりまるよね。コツを押さえて、ぜひチャレンジしてみてください!


(執筆 Yukie Karube/テキスタイルアドバイザー)