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突然の腹痛と下痢……。どう対処したらいい?

2018.03.12

突然の腹痛と下痢……。どう対処したらいい?


急におなかが痛くなって、下してしまった経験がある人も多いでしょう。こうした急な下痢の原因は、いわゆる「食あたり」、ウイルス性の胃腸炎、ストレスによる過敏性大腸炎などが考えられます。さて、いったいどのように対処したらいいのでしょうか。今回は「急な腹痛と下痢」について解説します。

記事監修


佐藤浩一郎 先生


消化器内科医。東邦大学医学部卒業、新潟県立がんセンター新潟病院、東邦大学医療センター大橋病院を経て、帝京大学医学部附属溝口病院勤務。現、消化器内科准教授。医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/180

急な腹痛と下痢、その原因は?

突然腹痛に襲われトイレに駆け込むと下痢。このような下痢は一過性であるという意味で「急性下痢」(長くても2週間以内、普通は2-3日で治まる)と呼ばれます。急性下痢の原因としては主に以下のようなものが挙げられます。

【急性下痢の主な原因】


  • 食べ過ぎ・飲み過ぎ

  • 冷え

  • ストレス

  • アレルギー

  • ウイルス、細菌の感染

暴飲暴食によって腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、水分が十分吸収されないまま排泄(はいせつ)されることで下痢になります。香辛料を多く含む辛い食べ物やアルコールを大量に取った際にも下痢になりやすくなります。


冷えによって胃腸の消化機能が低下すると水分吸収がうまく行われず、下痢になります。ちなみに小腸・大腸では消化管内を運ばれてきた食べ物から水分吸収を行いますが、同時に便をスムーズに排出するために腸壁から水分の分泌も行われます。便は70%が水分といわれますが、適度な水分が含まれていないと便が硬くなり、排便困難になる可能性があるのです。


胃腸はストレスに敏感な器官です。ストレスによって蠕動運動が活発になったり、腸が異常に収縮するといったことが起こると、水分吸収がうまくいかず下痢になることがあるのです。いわゆる「過敏性腸症候群」はこのケースに当たります。


また、気付かずアレルギー食品を取ってしまい、下痢を起こすことがあります。食物アレルギーについては突然発症することもあるので、自分で分かっている食物以外でもアレルギーがあるかないかについては注意しておく必要があるのです。



いわゆる食中毒は、ウイルスや細菌が起こす感染症です。O157、ノロウイルスなどが有名ですね。食中毒では、ほかにも自然毒によるもの、寄生虫によるものなどもありますが、食中毒による下痢は程度が重いことが多く、またO157やノロの場合、他者への感染も考えられます。下痢の程度は重く、発熱があり腹痛も強いときには感染による腸炎も考えられますので速やかに医療機関を受診してください。


ほかには、日本人の多くが「乳糖不耐症」といわれ、この場合牛乳を飲むと乳糖が分解されず下痢を起こす原因となります。牛乳を飲むと下痢になるという人はこれを疑ってみてください。

急性下痢の対処方法

急性下痢に襲われたら、まずは、

  • おなかを温める

  • 水分を補給する

を心掛けましょう。急性下痢の場合には、原因が何かにもよりますが普通は2-3日で回復します。しかし、その間は胃腸に負担をかけないような食事を心掛けましょう。できれば食欲が出てくるまで絶食をして、その後はおかゆ・おも湯、よく煮たうどんなど消化の良いものを取ることです。


重要なのは水分の補給です。下痢は上記のとおり腸管での水分吸収が十分でない証拠。人間は水分を失うと健康を維持できません。絶食時には、スポーツ飲料や経口補水液等を飲むのもいいでしょう。速やかな回復のためにも意識して水分を多く取るようにしましょう。

急性下痢での薬服用に関する注意!

急性下痢になったらすぐに薬を飲みたくなりますが、まずは上記のように「おなかを温める」「水分補給」で止めてください。



薬は、急性下痢の原因が何なのかによって違ってきます。たとえば「ウイルス・細菌による食中毒」の場合には、排便によって毒素を外に排出しなければなりません。食中毒では、下痢や発熱といった症状を伴うことがほとんどですが、その下痢もまた体内に入った毒素を排出することなのです。ですから、「下痢止め薬」を服用すると下痢は止まるかもしれませんが、毒素を体内にとどめ続けることになりかねないのです。その場合、症状の悪化、症状の長引きを引き起こす可能性があります。


急性下痢でも、原因が分からない場合、また逆に「同じものを食べた人が同様の症状を呈しており食中毒の可能性が高い」といった場合には、すぐに専門医を受診し、診察を受けて原因を特定、処方薬を服用するようにしましょう。素人判断で市販薬に頼るのが一番いけません。

病院に行くべき下痢

上記のように急性下痢だけでも原因は実にさまざま。暴飲暴食、辛いものを食べ過ぎたから、また体を冷やし過ぎたから、とある程度原因が明らかで非感染性の下痢と考えられる場合には多くの場合自然に改善しますが、

原因不明の急性下痢の場合は、医療機関を受診することをおすすめします。



たとえばストレスによる「過敏性腸症候群」では、出勤途中で腹痛が起こり、駅のトイレに駆け込むといったものが典型的なものですが、これなど「原因は分かっている」と思うかもしれません。しかし、やはり一度は診察を受け、アドバイスをもらったほうが良いのです。また、急性の下痢に血液が混入する場合には、虚血性腸炎や腸の腫瘍の存在も考えられます。いずれにせよ、4週間以上、下痢が続く場合、医療機関を受診するようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)