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クモ恐怖症、花恐怖症…。恐怖症の種類はこんなにある

2018.03.12

クモ恐怖症、花恐怖症…。恐怖症の種類はこんなにある


「恐怖症」という言葉はそもそも精神医学用語ですが、一般にもよく使われます。たとえば「私は高所恐怖症なので、高いところはどうも……」などです。誰にでも怖いものはありますが、それが「恐怖症」と呼べるものであるかは別問題です。今回は「恐怖症」について解説します。

記事監修



福田敬子 先生


精神科医。都内メンタルクリニック勤務。早稲田大学卒業、同大学院修士課程修了。カリフォルニア大学バークレー校留学、金融機関勤務ののち、山口大学医学部卒業。東京都立松沢病院、日本医科大学付属病院精神神経科などを経て、現職。

女医+(じょいぷらす)所属。

■「それ」が怖い! 「特異的恐怖症」

精神医学で「恐怖症」がどのように定義されているかを見てみましょう。一般に皆さんが「恐怖症」と呼ぶもの、上記のような「高所恐怖症」などのように、個別の状況、特別な事物に対する恐怖は、「特異的(個別的)恐怖症」を指します。


「特異的(個別的)恐怖症」(Specific(isolated)phobias)は、『ICD-10』によれば以下のように説明されます。

●特異的(個別的)恐怖症

これらは特定の動物への接近、高所、雷、暗闇、飛行、閉所、公衆便所での排尿あるいは排便、特定の食物の摂取、血液あるいは外傷の目撃、特定の疾患の罹患に対する恐れなどのように、きわめて特異的な状況に限定してみられる恐怖症である。(後略)

⇒データ引用元:

『ICD-10 精神および行動の障害 新訂版』新訂版第11刷,2017年3月1日発行,医学書院,p.149



間違えないでいただきたいのは、誰にでも恐怖を感じる対象はあって、その程度は人それぞれですが、「恐怖症」と呼ばれるのは一般の人と掛け離れて極端な場合です。


たとえば「高所恐怖症」。高層ビルの屋上から下を見ればどんな人間でも恐怖を感じます。これを高所恐怖症とは呼びません。高所恐怖症の場合には、いすの上に立つだけでも発汗、パニック発作などを呈することがあるのです。

■いろいろな恐怖症

恐怖症には実にさまざまなものがあります。たいてい「○○ + 恐怖症(フォビア)」でその恐怖症の名称になりますが、代表的なものを挙げてみましょう。


●高所恐怖症(アクロフォビア)

高いところに上ることが怖い恐怖症です。


●先端恐怖症(ベロネフォビア)

針の先、ペン先など鋭利にとがったもの、先端が怖い恐怖症です。


●閉所恐怖症(クローストロフォビア)

閉ざされた空間、狭い空間にいることが怖い恐怖症です。自分がそのような場所にいることを想像するだけで極端な恐怖を感じることもあります。


●クモ恐怖症(アラクノフォビア)

クモが極端に怖い恐怖症です。


●花恐怖症(アンソフォビア)

花が怖い恐怖症です。花を見たり、花について想像したりすると極端な恐怖を感じます。花弁だけでなく茎や葉などについても恐怖を感じる場合があります。


●飛行機恐怖症(アビオフォビア)

飛行機に搭乗することが怖い恐怖症です。


●ピエロ恐怖症(クラウンフォビア)

「ピエロ(道化)」が怖いという恐怖症です。


●暗闇恐怖症(ニクトフォビア)

暗所、暗闇を極端に恐れ、怖がる恐怖症です。


●集合体恐怖症(トライポフォビア)

小さな穴(また円形の図柄など)の集合体が怖い恐怖症です。ネット上では有名ですが、これは2005年に新登場した造語で、精神医学用語ではありません。また、この嫌悪感・恐怖は、進化の過程で獲得した「DNAによる刷り込み」が原因とする説が有力です。


ほかにも「雷恐怖症」「火炎恐怖症」「嘔吐(おうと)恐怖症」「血液恐怖症」など、また特定の病気を極端に恐れる恐怖症もあります。



繰り返しになりますが、恐怖症というのはパニック発作を起こしてしまうほど怖い場合にそう診断されるものであって、たとえば「クモは怖いけど、それは人並み程度」というのであれば「クモ恐怖症」とはいえません。


皆さんはどんなものが怖いですか?


(高橋モータース@dcp)