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そもそも「風邪」って何?インフルエンザと何が違うの?

2018.03.13

そもそも「風邪」って何?インフルエンザと何が違うの?


日本では一般的に、季節の変わり目は「風邪の季節」だといわれます。手洗い・うがいに加えてマスクを着用するなど、ふだんよりも念入りに予防対策を行う人も多いですよね。さてこの「風邪」は最も身近な病気のひとつですが、そもそも何なのかご存じでしょうか?今回は、「風邪の基礎知識」を解説します。

記事監修



岡村信良 医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■「風邪」という病気はない?

医学的に「風邪」という病気はなく、「かぜ症候群」という分類になります。これは、鼻腔(びこう)から喉頭(こうとう)までの上気道(じょうきどう)と呼ばれる部位に、急性の炎症を起こす疾患です。


かぜ症候群は、「普通感冒」と「インフルエンザ」のふたつに大別されます。原因の約9割はウイルスによる感染で、それ以外にはマイコプラズマ、クラミジア、細菌が原因の場合があります。いずれの原因による場合でも、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、喉の痛み、咳、頭痛、発熱、全身の倦怠(けんたい)感、食欲不振といった症状が見られます。症状は複数が同時に現れることもあり、「かぜ」の特徴的な病状になるため、「症候群」と呼ぶのです。


かぜ症候群には以下のような特徴があります。


●原因は主にウイルス感染

上記のとおり、かぜ症候群の原因のほとんどがウイルス感染によるものです。そして、そのウイルスは200種類以上にも及びます。代表的なものには、インフルエンザ、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどが挙げられます。


かぜ症候群の感染経路としては、感染者のくしゃみや咳によってウイルスを含んだ分泌物が飛び散る「飛沫(ひまつ)感染」と、分泌物が周囲のものに付き、それに接触することによって感染する「接触感染」があります。感染者がくしゃみをすると、3m四方に数万個のウイルスが飛散するといわれています。


●冬に流行する

「風邪」と「インフルエンザ」は別の病気と思っている人がいらっしゃるかもしれませんが、インフルエンザはかぜ症候群のうちのひとつです。インフルエンザウイルスは感染力が強く、流行を起こすことから「流行性感冒」とも呼ばれます。


インフルエンザウイルスが活動しやすいのは、気温20度以下、湿度20%といわれています。日本では、気温が下がり空気が乾燥する冬が、インフルエンザウイルスが活動しやすい環境と合致するため、冬にインフルエンザが流行するのです。



●治療法は確立されていない

いわゆる「かぜ薬」と呼ばれる薬がありますが、実際のところかぜ症候群には特異的な治療法や特効薬はないとされています。治療としては対症療法が行われ、人間が本来持っている自然治癒力によって回復します。健康な人であれば1-2週間ほどで治り、予後も良好なのが一般的です。


かぜ症候群の原因はほとんどがウイルスによるものです。抗生物質は細菌を攻撃するための薬であり、ウイルスには効果がありません。つまり、抗生物質を投与してもかぜ症候群の症状に対しては効果がないと考えられます。


それにもかかわらず抗生物質を処方するのは、かぜ症候群をきっかけに細菌が感染症を引き起こすことがあったり、かぜ症候群の原因が細菌によるものと疑われることがあるからです。最近では多くの医師がかぜ症候群に抗生剤は処方しなくなっています。

■風邪(インフルエンザ)を予防するには?

手笑いうがいに加え、「マスク」で予防している人も多いでしょう。しかし、インフルエンザウイルスはとても小さく、一般的に使われている不織布マスクの網目を通り抜けてしまいます。とはいえ、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染は防げますので、「全く意味がない」わけではありません。


また、マスクを着けることによって鼻や口を保湿することができます。インフルエンザウイルスは湿度が高いところでは活動が鈍くなりますので、保湿をするのは予防効果があると考えられます。


不織布マスクは使い捨てのマスクです。見た目が汚れていないからといって、同じマスクを何日も使うのはやめましょう。また、使い終わったマスクは放置せず、ごみ箱に捨てましょう。

■かぜ症候群が引き起こす合併症

「風邪は万病のもと」という言葉もあるように、かぜ症候群をきっかけにして別の病気にかかることがあります。主なかぜ症候群の合併症としては、以下のようなものが挙げられます。


かぜ症候群はとても身近な病気ですが、特効薬もなく、重い合併症を引き起こすと命に関わることがあります。かぜ症候群の予防には、うがい・手洗いと、免疫力を高めることが効果的です。栄養バランスの良い食事、質の高い睡眠を心掛けましょう。


(藤野晶@dcp)