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早期発見、早期対処が大切!血液検査における「腎臓系」の項目

2018.03.14

早期発見、早期対処が大切!血液検査における「腎臓系」の項目


肝臓と並んで腎臓もまた「沈黙の臓器」といわれます。不調に気付きにくいのですが、肝臓と違って再生できませんから、一度障害が起こると治すのが難しい臓器です。そのため、腎臓の不調は早く見つけることが大事になります。今回は、腎臓の異常を見つけるための血液検査の項目について解説します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

腎臓の主な役割りとは?

腎臓の主な仕事は、

  • 尿をつくること

  • ホルモンを分泌すること

のふたつです。


尿はもともと血液です。腎臓では、血液から老廃物を漉(こ)し取り、尿をつくってこれを膀胱(ぼうこう)へ送ります。尿をつくることで体内の水分量を調節し、そのバランスを保つ働きをします。これには血液中の成分バランス、特に塩分の調節が含まれます(血液の酸性度の調整も行っています)。


また腎臓は、血圧を上げる「レニン」、血圧を下げる「カリクレイン」「プロスタグランジン」を分泌して、血圧を保つ仕事もしています。


腎臓に何か障害があると、上記のような働きが阻害されます。特に尿をつくる機能に障害が発生すると、体内に有害な物質がたまるなどして重篤な事態に陥る可能性が高いのです。

腎機能を測るための「血液検査の項目」

腎臓の疾患も、肝臓と同様に早期発見、早期対処が求められます。以下のような血液検査の項目で、腎機能が健常かを調べることができます。



●クレアチニン(Cr)

【基準値】男性0.61-1.04mg/dL

【基準値】女性0.47-0.79mg/dL

筋肉内にある「クレアチン」がエネルギーとして使われ、後にできる老廃物の一つが「クレアチニン」です。老廃物であるため体内に再吸収はされませんし、また腎臓からしか排出されません。


腎臓が健康であれば血液中にクレアチニンがたまることはありません。血液中のクレアチニンの値が高いのは、腎機能が低下している証拠です。


クレアチニンは筋肉の多い人ほど多く生成されますので、女性と比べて筋肉量が多い男性のほうが基準値は高くなっています。


●尿素窒素(BUN)

【基準値】8.0-20.0mg/dL

体内でタンパク質が代謝され、エネルギーが取り出された後にできるのが「尿素窒素」(タンパク質の最終代謝産物)です。肝臓で合成されて腎臓から排出されます。


しかし、腎機能が低下すると血液中にたまり、血液検査では値が高くなってしまいます。


ただし、タンパク質の最終代謝産物ですから、過剰にタンパク質を取り過ぎても値が上昇することがあります。また、逆にカロリー不足のため体が緊急に「筋肉をカロリー源として利用した場合」などにも、この数値が上がることがあります。


●eGFR

【基準値】60.0mL/分/1.73㎡以上

「eGFR」とは「推算糸球体濾(ろ)過量」のことです。腎臓にある「糸球体」は毛細血管の束で、これがフィルターの役割を果たし、血液から余分な水分、老廃物を漉し取り、ろ過します。


このろ過される量を「GFR」といいます。腎機能が低下するとGFRは減少します。つまり、血液のろ過量が減り、たくさんの尿をつくることができなくなるのです。「eGFR」はクレアチンの増加量を測定して、推計でこのろ過量を求めた指標です。


●尿酸(UA)

【基準値】男性3.8-7.0mg/dL

【基準値】女性2.5-7.0mg/dL


尿酸は、タンパク質である「プリン体」が代謝された後の老廃物です。慢性的に血液中に尿酸がたくさんある状態が「高尿酸血症」という病気です。血液中の尿酸が結晶化して関節に蓄積し、突然炎症を引き起こすことがあります。これが痛風発作です。


基準値「7.0mg」を超える人はいつ痛風発作を起こしてもおかしくありません。また尿酸の増加は尿路結石を引き起こしたり、腎機能・腎血流の低下を招いたりすることが分かっています。尿酸値が高い人は腎臓に負担が掛かっていることを意識しなければいけないのです。



腎臓は、何か疾患があっても初期の自覚症状が見逃されやすい臓器です。まずは近くの医療機関で一年に一度は検診を受けて腎臓の機能をチェックしましょう。そこでもし何か異常があった場合には、腎臓内科、泌尿機関を受診すると良いですね。


(高橋モータース@dcp)