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「粉瘤」の治療法とは?ニキビとどう違うの?

2018.03.12

「粉瘤」の治療法とは?ニキビとどう違うの?


代表的な皮膚トラブルに、ニキビがありますね。吹き出物ができると「ニキビかな?」と思ってケアする人も多いでしょう。しかし、これは「粉瘤(ふんりゅう)」という腫瘍の可能性もあります。粉瘤は自然に治癒はしませんので、医療機関で診察を受ける必要があります。今回はこの「粉瘤」について解説します。

■粉瘤ってなに?

粉瘤とは、皮脂や垢等の老廃物が皮膚の内側に溜まることでできる良性の腫瘍です。(「おでき」と呼ばれることもあります。)皮膚にできる良性腫瘍の中で一番多いといわれており、年齢、性別を問わず誰でもできる可能性があります。


粉瘤ができる原因は、現状でははっきり解明されていません。ウイルス感染や外傷など、なんらかの理由で皮膚の内側に袋が作られ、本来なら剥がれて落ちるはずの老廃物がその袋の中に入り込むことで発生します。粉瘤が悪化して大きくなると、数十cmになることもあります。

■粉瘤の症状は?

代表的な症状は、「触ると硬いしこりのようなものがある」ことです。ただ、このしこりは初期に皮膚表面に現れることは少ないないため、自覚するのはむずかしいでしょう。しかし、徐々に大きくなりますし、炎症を起こした場合には痛みや赤み等の症状を伴うこともあります。(炎症を起こした粉瘤は、「炎症性粉瘤」といいます。)


一般的に粉瘤ができやすい場所は、耳の裏側、お尻、背中などの擦れる部分ですが、皮膚であればどこにでも発生します。

■粉瘤の治療法は?

粉瘤を自分で潰そうとするのは大変危険です。粉瘤を潰してしまうとそこから細菌が侵入して感染を引き起こし、症状が悪化してしまう可能性があるためです。



粉瘤は、自然完治は望めません。粉瘤を根治させるためには粉瘤の袋を除去する手術が必要です。これを除去しない対処法では、一時的な回復しか望めません。


炎症を起こしていない粉瘤の場合は、外来手術により短時間で除去する治療が行われることもあります。炎症を起こしている粉瘤の場合は、まず小さく切開したり、抗生物質を服用したりして炎症を抑えてから手術をして除去します。


この手術は大掛かりではないことが多く、小さい粉瘤の場合は局所麻酔で手術が行われるので日帰り手術が可能です。しかし手術方法によって手術跡が残ってしまう可能性もあるので、受診する病院を選定する際は注意が必要です。


手術跡に悩まないためにも、できるだけ粉瘤が小さいうちに病院を受診し、適切な処置を施してもらうことをおすすめします。

【粉瘤除去手術の方法】


①くり抜き法

パンチのような特殊な器具を使用し粉瘤に小さい穴を開けて、その部分から粉瘤の内容物を絞り出します。そして、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る手術方法です。


この手術方法を行うと、手術跡が残りにくいといわれていますが、難易度の高い術式のため、執刀するドクターの腕が重要です。


②小切開摘出術(切除術)

粉瘤中心にある穴から、皮膚を紡錘形に小さく切開し、嚢腫を袋ごと取り出し縫合する、という手術方法です。

■粉瘤を予防するには?

粉瘤が現れる原因は未だ完全には解明されていないので、ベストな予防方法もありません。そのため、現段階で予防につながると考えられることをご紹介します。

  • 辛い、脂っこい、甘い食品を控える

  • 睡眠時間の確保、バランスのよい食事内容、適度な運動等日々の生活習慣の見直し、改善を行う

  • ストレスを溜め込まず、ホルモンのバランスを維持することで、体内の新陳代謝をスムーズにする

  • 体を必要以上に擦らない

粉瘤を放置しても自然に治ることはないため、もしかして?と気づいた時点ですぐに医療機関を受診しましょう。ほとんどの場合、治療には保険が適用されるため、少ない負担で済みますよ。



(執筆 長谷川桂子/小田原銀座クリニック美容皮膚科 形成外科医-健康検定協会-)