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「虫歯」だけじゃない! 歯が痛くなる原因とは?

2018.03.15

「虫歯」だけじゃない! 歯が痛くなる原因とは?


歯が痛む理由として、真っ先に思い付くのは「虫歯」ですね。虫歯治療は怖いから、と痛みを我慢してしまっている人もいるかもしれません。しかし、そもそも歯が痛む原因は虫歯だけとは限りません。今回は、虫歯以外の「歯が痛くなる原因」について解説します。

記事監修



迎和彦(むかい・かずひこ)先生


歯科医。むかい歯科 院長-健康検定協会-

http://www.mukai-shika.com/

「歯が痛い」場合、以下のような原因が考えられます。

●知覚過敏

冷たいものや熱いもののほか、甘いものや酸っぱいものを食べたり飲んだりしたときに歯が染みることがあります。これは虫歯の症状としてもみられますが、虫歯が見当たらないのに症状が出ているなら、「知覚過敏」の可能性が高いでしょう。


歯の表面は「エナメル質」という人間の体でも最も硬い物質で覆われています。エナメル質には神経がないので、通常ならば刺激物に触れても染みることはありません。しかし、以下のような原因でエナメル質が削れると、その内側の「象牙質」がむき出しになってしまいます。

・歯磨き

・酸性の食品

・歯ぎしり

・かみ合わせの影響

象牙質が露出すると刺激が神経に伝わりやすくなってしまうため、冷たいものや熱いものの刺激を受けると歯が染みるようになります。

●歯冠破折(しかんはせつ)・歯根破折(しこんはせつ)

歯茎から上の部分を「歯冠部」、歯茎の中の部分を「歯根」といいます。「破折」とは割れたり折れたりすることで、歯冠が破折すれば「歯冠破折」、歯根が破折すれば「歯根破折」となります。歯冠破折は歯を残して治療できる可能性がありますが、歯根破折は多くの場合抜歯することになります。


歯冠破折では、冷たいもの、温かいものが染みる、かんだときに痛みを感じるといった症状が見られます。また、何もしていないときでも痛むこともあります。



歯根破折では歯の根っこが割れているため、歯冠破折の痛みの症状に加え、歯茎がうずくような痛みを感じることもあります。

●歯周病

歯周病」は、歯茎や歯槽骨(しそうこつ)など、歯を支えている組織を壊す症状の総称です。歯と歯茎の間に細菌が入り込んで炎症を起こします。歯周病が進行すると、最後は抜歯しなければなりません。歯周病によって歯の周りの骨が歯を支えられなくなると、かんだときに痛みを感じるようになります。

●根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

「根尖性歯周炎」は、歯の根っこの周りの組織が炎症を起こす病気の総称です。炎症によって膿(うみ)が発生すると、歯の根っこの先にできる「歯根嚢胞(しこんのうほう)」という袋にたまっていきます。これによって歯茎が腫れ、痛みを伴います。

●親知らず

人間の永久歯は、本来32本あります。しかし、現代人の顎の骨は少しずつ小さくなっており、永久歯が28本しか生えてこない人が増えています。この、生えてこない4本の歯を「智歯」といいます。一般にいわれる「親知らず」は、この智歯のことです。


親知らずが痛むという人は少なくありませんが、この痛みの主な原因は以下の4つです。



・親知らず周辺の歯茎が炎症を起こしている

親知らずは普通の歯とは違い、真っすぐに生えてこないことが多い歯です。親知らずが横向きに生えると、歯茎や隣の歯との隙間に汚れ(プラーク)がたまります。口の中の汚れとは、食べかすやそれを餌にする細菌です。細菌が増殖すると、周辺の歯茎が痛みを伴う炎症を起こすことがあります。


・親知らずが虫歯になっている

親知らずは真っすぐに生えてこないことが多いため、歯磨きをしづらくなります。しっかりした歯磨きができないと、虫歯発生のリスクが高まります。しかも、親知らずと隣接している「第二大臼歯」という奥歯も巻き込んで虫歯にしてしまいます。虫歯の症状が進行すれば、痛みを伴うのはほかの歯と同じです。


・親知らずが隣の「第二大臼歯」を圧迫している

歯は、自分が向いている方向に伸びようとする性質があります。つまり、横向きの親知らずは、そのまま横方向に伸びようとするのです。多くの場合、傾いて生えてくる親知らずは第二大臼歯のほうを向いており、第二大臼歯を押しながら生えようとします。普通に生えている第二大臼歯が圧迫されるため、痛みを感じます。


また、歯は継続的に強く押されていると、その方向に移動する性質があります。親知らずに強く押されている第二大臼歯は、さらに隣の第一大臼歯を押しながら移動します。このように連鎖し、全体の歯並びに影響することがあります。


・親知らずが歯茎や粘膜を傷つけている

親知らずが生えたとき、対になる歯が生えていなかったり、正しい向きに生えていなかったりすると、かみ合っていない歯が歯茎や口腔(こうくう)内を傷つけることがあり、そのために痛みが生じます。



歯が痛くなる原因は、虫歯だけではありません。歯が痛むときはきちんと歯科に行くようにしましょう。原因が何であれ、放置していると抜歯しなければならないこともあります。人間の歯は一生使うものですから、大事にしてくださいね。


(藤野晶@dcp)