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定期的な受診を心がけて。「妊婦検診」って何するもの?

2018.03.18

定期的な受診を心がけて。「妊婦検診」って何するもの?


妊娠するとさまざまな体調の変化を感じます。ホルモンの分泌とバランスの変化や、つわりなどが心身に影響を与えるのです。そのため、母子の健康をチェックし、安産を期すための「妊婦検診」が重要になります! 今回はこの「妊婦検診」についてご紹介します。

記事監修



中林稔 先生


産婦人科専門医。日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院産婦人科で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/126

■「妊婦検診」の受診サイクルと検査項目

妊婦検診は赤ちゃんとお母さんの健康をチェックするためのものです。流産や早産を避けるためにも、定期的に「妊婦検診」を受けるようにしましょう。妊娠の確定診断を受けたら、

妊娠23週目まで:4週間に一度

妊娠24-35週目:2週間に一度

妊娠36週-出産:1週間に一度

というスケジュールを目安に「妊婦検診」を受診するのが良いでしょう。妊婦検診の検査項目は以下のようなものです。


1.体重

急激に体重が増えないようにチェックします。肥満は妊娠糖尿病などのリスクを高めます。


2.尿検査

「尿糖」「尿タンパク」をチェックし、「妊娠糖尿病」「妊娠高血圧症候群」を早期発見します。


3.血圧

「妊娠高血圧症候群」を早期発見するために、血圧を測定します。


4.腹囲

おなかの回りを計測して異常がないかを調べます。たとえば羊水過多になると腹囲が過剰に大きくなります。


5.子宮底長

恥骨から子宮底までの長さを測ります。胎児の発育状況をチェックします。


6.むくみ(浮腫)の有無

膝下を押してみて戻るかどうかを見ます。むくみ(浮腫)がある場合には、指の痕が残ってしまいます。


7.胎児心音

胎児の心音をチェックします。


8.超音波検査(エコー)

経腹超音波検査ではおなかに超音波を当てて、胎児の発育、先天奇形の有無などについてチェックします。経腟超音波検査では子宮頚管長(子宮の入口の長さ)を測定します。


9.内診・外診

内診では「膣(ちつ)」「子宮口」などの異常について調べます。外診ではおなかを触って胎児の大きさや位置などを調べます。出産間近では、内診で子宮口の開き具合などもチェックします。

■必ず受けておくべき検査項目


赤ちゃんが健康に生まれてくるように、以下のような検査項目は必ず受けておかなければなりません。


10.性感染症の検査

近年流行している「梅毒」、後天性免疫不全症候群「HIV」、「クラミジア」といった性感染症をチェックします。性感染症は知らないうちに感染していることがあり得ます。


11.血液型

ABO式、Rh式の両方で調べます。これは血液型不適合のチェック、また何かあったときの輸血に備える意味もあります。


12.貧血など

分娩時には出血がありますので、それに備えて血液のチェックをしておきます。また妊娠の中期には「貧血」になるお母さんが増えます。血液を調べて貧血傾向がある場合には、医師から鉄分の補給を促されるでしょう。


13.風疹抗体(抗体価)

お母さんが妊娠初期に「風疹(ふうしん)」にかかると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になり、目・耳・心臓などに障害をもって生まれる可能性があるのです。そのため風疹に対する免疫力をチェックします。


14.肝炎ウイルス

「B型肝炎ウイルス」「C型肝炎ウイルス」に感染していないかをチェックします。赤ちゃんが産道でウイルスに感染する恐れがあるからです(特にB型肝炎は母子感染が多いのです)。

■必要であれば受けるべき検査項目


ほかにも、妊婦さんが「必要であれば受けるべき」という検査項目もあります。以下に挙げてみましょう。


15.骨盤計測

狭骨盤で、胎児の頭が産道を通り抜けられないことがあります。念のために骨盤を測ってチェックします。


16.膣分泌液

「おりもの」の中の細菌を調べます。細菌によっては分娩時に赤ちゃんに感染すると重篤になるものもあるため注意が必要です。


17.肝機能・腎機能

おなかの中の赤ちゃんはお母さんとつながっています。お母さんの肝臓、腎臓に異常があると赤ちゃんの健康に影響を及ぼすので、チェックします。


18.血糖値

糖尿病、妊娠糖尿病をチェックするために行う血液検査です。


19.心電図

妊娠・分娩(ぶんべん)は心臓に負担がかかります。お母さんに心臓疾患が疑われる場合には調べる必要があります。


20.胎児心拍陣痛図

お母さんのおなかの張り具合と、赤ちゃんの心拍数を計測して記録します。これによって胎児の健康状態をチェックします。


21.羊水染色体検査

羊水を採取して、「ダウン症候群」「ターナー症候群」などの病気(染色体異常による疾患)がないかをチェックします。


22.母体血胎児染色体検査(NIPT検査)

母体血を用いて、胎児の「遺伝学的検査」を行います。先天異常がないかをチェックします。


23.トキソプラズマ抗体

トキソプラズマ症の抗体があるかをチェックします。トキソプラズマ症は、ペット(ネコや鳥)から母親に感染し、それが胎児に感染することがあります。感染すると胎児が目や知能に障害を持ったり、死に至る可能性があるのです。


ほかにも、たとえば「結核感染」をチェックするための「胸部X線」検査がありますが、放射線のことを考慮すると、ほかの検査で代用するほうが良いかもしれません。このような点は医師に要確認です。



いずれにせよ、母子共に健康であるように妊婦さんは定期的に「妊婦検診」を受け、必要に応じてほかの検査項目も受診してください。赤ちゃんが健康に生まれてくるようにできる限りのことをいたしましょう!


(高橋モータース@dcp)