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春先は体調を崩す人が多いのはどうして?人間の「体温調節」の仕組み

2018.03.26

春先は体調を崩す人が多いのはどうして?人間の「体温調節」の仕組み


春先は日によって寒暖の差を感じることが多く、体に変調を来す人も多くなりますね。この変調の原因は「体温調節機能がうまく働かず、恒常性が保てないこと」だと考えられます。さて、私たちの体は、いったいどのような仕組みで「体温調節」を行っているのでしょうか?今回はこの「体温調節」について解説します。

記事監修



松田明子 先生


専門は内科、腎臓内科、泌尿器科、美容皮膚科。東京女子医科大学卒業。東京女子医大病院 腎臓内科、同 泌尿器科を経て、2017年よりサイエンスクリニック院長就任。女医+(じょいぷらす)所属。


▼ブログ

https://ameblo.jp/pikuminmizuakko/

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/134

人間の体温調節のメカニズムは?

人間の体温調節は以下のような仕組みで行われています。


●気温が低いとき

・毛穴を閉じ、体の熱が逃げるのを防ぎます

・汗孔(かんこう:汗を分泌する穴です)が狭まり、汗を出させません

・体表近くの血管が収縮して血流を少なくし、放熱を防ぎます

・震えを起こします(熱を発生させます)


※毛穴、汗孔がふさがり、立毛筋(毛を直立させる平滑筋の線維束)が収縮するのがいわゆる「鳥肌」です。寒いときに鳥肌が現れるのは熱を逃がさないようにするためです。あまりに寒いと胴震いなどの震えが起こりますが、これは熱を発生させるためです。


●気温が高いとき

・毛穴が開き、体の熱を逃がします

・汗を分泌します。汗は体を濡らし、蒸発するときに熱が奪われます

・体表近くの血管が拡張して血流を増やし、放熱を促します


寒くなると顔色が青白く見えることがあるのは、上記の「体表近くの血管が収縮して血流が少なくなるから」で、逆に暑いときに顔が赤く見えるのは、放熱のため「体表近くの血管が拡張して血流が多くなるから」なのです。


これらの「保温」「放熱」のための働きは、間脳の視床下部にある「体温調節中枢」がコントロールしています。


皮膚から「寒い」「暑い」という情報が神経を伝わってもたらされると、この体温調節中枢から「自律神経」を伝わって「毛穴を閉じろ」「汗を分泌しろ」といった命令が送られ、実行されるのです。


自分の意思で毛穴を閉じたり、鳥肌になったりはできませんね。これは自律神経を通じて起こる現象であるためです。

体温調節が「うまく働かない」ことがあるのはなぜ?

日々の寒暖の差が激しいと、「保温」と「放熱」を切り替えながら体温調節を行わないといけなくなり、体温調節中枢に負担が掛かります。また、この切り替えは体のエネルギーを多く消費することでもあり、体を疲弊させます。そのため「寒暖差疲労」という言葉があるほどです。


寒暖差疲労では、


気温が高いと普通に過ごせるのに、温度が急激に下がるとどっと疲れが出る


といった症状が現れます。寒暖差疲労の場合、通常は「前日比で5度以上気温が下がったときに影響が現れる」とされますが、このような気温の変化は春先でもよくあることです。


寒暖差疲労が進むと「冷え性」の症状や「自律神経失調症」の症状になる、といわれますが、逆に自律神経失調症のために体温調節がうまくいかない、ということもあります。


上記のとおり、体温調節のための作用は自律神経を通じて行われます。そのため、そもそも自律神経に不調を来していると体温調節がうまくいかなくても不思議はないのです。


実際、自律神経失調症の症状の中には、


・のぼせ

・火照り


という「体温調節の不調」と考えられるものも挙げられます。


こうなると「タマゴが先かニワトリが先か」みたいな話になりますが、気温の差が大きいと体温調整がうまくいかないことがあり、それで不調を来したりするのは確かです。



春先どこかに出掛けるときには、急に冷え込んだときに備えて何か上から羽織るもの、体の熱を逃がさないで済むようなものを1枚持っていくようにしましょう。体を必要以上に疲労させないための準備が大切です。


(高橋モータース@dcp)