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HbA1c、血糖値…。糖尿病予防のために重要な「糖代謝系」の血液検査

2018.03.27

HbA1c、血糖値…。糖尿病予防のために重要な「糖代謝系」の血液検査


血液検査で「血糖値」が大きいと、日本人の国民病ともいえる「糖尿病」が疑われます。糖尿病になると定期的な検診や治療を受けなくてはならないほか、合併症を引き起こす可能性もあります。血糖値を正常に保ち、糖尿病を発症させないことが大切なのです。今回は血液検査のなかで、血糖値など「糖代謝系」の項目について解説します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

■「糖尿病」は合併症を引き起こす難病です!

厚生労働省の調査データによれば、「糖尿病が強く疑われる者」が約1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」も約1,000万人ですから、計2,000万人が「糖尿病&糖尿病予備群」となります(平成28年「国民健康・栄養調査」)。


糖尿病は、高血糖状態が慢性化する病気です。高血糖とは、血液中の糖分(グルコース)の濃度が普通よりも高いことです。


通常であれば、インスリンというホルモンがこの高血糖状態を解消しようとするのですが、何らかの原因でインスリンの効きが悪い(分泌量が少ない場合もあります)と、高血糖状態が続いてしまいます。


血糖が高いままですと、毛細血管が詰まる・傷つくといったことが起こりやすく、また全身の細胞の機能が低下し、しばしば深刻な合併症が引き起こされます。


腎臓障害、網膜症、神経障害の3つが糖尿病の三大合併症です。最悪の場合、失明、手足の切断といった事態に至ることもありますので、糖尿病は恐ろしい病気だと意識し、発症しないように注意することが必要です。


そのために血液検査の「糖代謝系」の検査項目は特に重要なのです。


■糖代謝系のテストの項目と基準値

血液検査の「糖代謝系」項目は主に以下のようなものです。


※基準値は各病院・検査機関などによって異なる場合があります。


●血糖値(グルコース)

【基準値】70-109mg/dL

血液中にある糖(ブドウ糖)の量を計測します(ちなみに「ブドウ糖」と「グルコース」は同じものです)。基準値よりも高い値の場合には「糖尿病」「膵臓(すいぞう)がん」などが疑われます。「FRG」という検査項目もありますが、これは「空腹時血糖」のことです。


※「mg/dL」は、血液1dL(デシリットル)の中に何mg(ミリグラム)その物質があるか、という意味です。

●HbA1c(NGSP)

【基準値】4.6-6.2%

HbA1cは「ヘモグロビン・エーワン・シー」と読み、ヘモグロビンにグルコースが結合したものです。この項目では、血液中のヘモグロビンのうち、HbA1cが何パーセントあるかを調べます。


HbA1cには過去1-2カ月の平均的な血糖状態が反映されます。食事や、短時間のインスリンの影響を受けないため、血液検査の1-2カ月前に血糖がどのようであったかを判断できるというわけです。


空腹時血糖の値が「126mg/dL」以上で、かつHbA1cの値が「6.5%」以上の場合には、糖尿病と診断されます。


●1.5AG(1.5アンヒドログルシトール)

【基準値】男性:15-45μg/ml

【基準値】女性:12-29μg/ml

「1.5AG」は、ブドウ糖に次いで多く血液中に含まれる糖です。腎臓の糸球体でいったんろ過されますが、ほとんどが再吸収されます。食べ物から摂取される量と、体外へ排出される量がほぼ等しいので、血液中の濃度はだいたい一定です。


しかし、糖尿病にかかって尿糖が増えると、血液中の1.5AGの濃度は低下します。血糖が増加すると1.5AGの値は低くなり、逆に血糖が減少すると1.5AGの値は高くなります。これを利用して、血糖の変動を捉え、糖尿病の治療効果などを見極めるのに役立てます。



この糖代謝系の検査項目で基準値に収まると、皆さんほっとするのではないでしょうか? 上記のとおり、合併症を発症するリスクの高い糖尿病は絶対に避けたいところです。普段から適度な運動を行うなどして、高血糖状態が慢性化しないように心掛けてください。


(高橋モータース@dcp)