検索
「腸漏れ」っていったい何?リーキー・ガット・シンドロームとは?

2018.03.28

「腸漏れ」っていったい何?リーキー・ガット・シンドロームとは?


「リーキー・ガット・シンドローム(腸漏れ症候群)」という疾患をご存じでしょうか?腸に「目に見えない穴」が開いてしまうことで、一説には日本人の7割が発症しているといわれています。自覚していなくても、もしかしたら「腸漏れ」になってしまっているかもしれません。今回は、この「腸漏れ症候群」について解説します。

記事監修

古川真依子 先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

■「リーキー・ガット・シンドローム(腸漏れ症候群)」とは?

リーキー・ガット・シンドロームは、腸の細胞同士の結合が緩んで目に見えない穴が開いてしまう状態のこと。「腸管壁浸漏(ちょうかんへきしんろう)症候群」と訳され、「腸漏れ症候群」といわれることもあります。


もともと腸管には目に見えない穴が開いていて、栄養素は取り込み、それ以外の物質は取り込まないという「仕分け」を行っています。しかし、リーキーガット症候群で生じる穴には、このような仕分け機能はありません。逆に、この穴からは本来は体内に取り込むべきでない「有害な物質」が入ってきてしまいます。


有害な物質というのは、未消化の食べかす、ウイルス、細菌、腸内微生物が生成した毒素といったものです。未消化の食べかすが腸の仕分けを経ずに侵入すると、免疫システムが働いてアレルギーを起こすことがあります。

■リーキー・ガット・シンドロームの原因は?

リーキー・ガット・シンドロームの原因については正確には分かっていません。しかし、以下のようなことが発生に関わっているといわれます。

  • 腸内細菌の減少/腸内細菌環境の悪化

  • 腸壁の炎症

腸内細菌の環境は人間の健康に大きな影響を及ぼします。何らかの原因で腸内細菌が減少、また腸内細菌環境の悪化が起こると、腸管バリアの働きが低下したり、腸細胞の新陳代謝が促進されなくなったりして、穴が生じやすくなるのです。


腸内細菌の絶対量が減少していることがそもそもの原因という指摘もあります。現代の日本人は戦前の人と比べても「便」の量が半分から1/3になっているという説もあります。


便はその大部分が腸から剥がれた粘膜細胞、また腸内細菌です。便の量が減っているということは、その分腸内の細菌も減っていると推測できます。これには「食物繊維の摂取量が減っていること」が影響しているといわれます。


とすれば、


食物繊維の摂取量の減少⇒腸内細菌の減少⇒腸管バリア機能の低下・腸細胞の新陳代謝機能の低下⇒リーキー・ガット・シンドローム


というフローが考えられるのです。


また、ウイルス、菌、未消化の食べかす、抗生物質、あるいは重金属が原因で腸壁が炎症を起こし、これによって穴が生じるとも考えられています。



近年、特に小児アレルギーの研究において「腸」の果たす役割が大きいことが分かってきました。腸は人間の免疫システムにおいて「体に有害なもの」「体に必要なもの」を仕分けする仕事を行いますが、リーキー・ガット・シンドロームになると、この機能に文字通り「穴が」できてしまうのです。


まだ日本ではそれほどメジャーになってはいませんが、リーキー・ガット・シンドロームの人は増加傾向にあるといわれます。「腸漏れ」を起こさないためにも食物繊維の多い食事を取り、腸内細菌の環境を健康に保つようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)