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梅毒やHIVも調べられる。血液検査における「感染症系」の項目

2018.04.03

梅毒やHIVも調べられる。血液検査における「感染症系」の項目


血液検査の項目の中には、炎症、感染症について調べる項目があります。特に有名なのは「CRP」と呼ばれるもので、これは体のどこかに炎症反応が起こっていないかを調べる検査です。ほかに特定の感染症に罹患(りかん)していないかを調べる検査項目もあります。今回は「感染症系検査」の項目についてご紹介します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

■血液検査で「特定の感染症」も調べられる

体内のどこかで炎症反応が起こっているかを調べるのに、まず指標となるのが「CRP」です。


※基準値は検体調査会社、医療機関などによって異なることがあります。



●CRP定量

【基準値】0.30mg/dL以下

CRPとは「C-リアクティブ・プロテイン(C反応性タンパク)」の略で、体内で炎症が起こると肝臓で生成され、血液中に流れ出す物質です。このCRPが血液1dL中にどのくらいあるのか、その量を計測します。


体内で炎症が起こると6-8時間以内に血液中のCRPの量は急増します。炎症が治まればこの数値は元に戻ります。


●CRP定性

【基準値】陰性(-)

CRPがあるかないかを調べる検査項目です(定性法)。このCRP定性が弱い陽性(±)の場合には、慢性の感染症、ウイルス感染症が疑われます。また、強い陽性では、膠原(こうげん)病、急性の感染症、心筋梗塞、敗血症、悪性腫瘍などが疑われます。


ほかに、特定の感染症・疾患を調べるための検査項目もありますので以下にその例を挙げます。


●リウマトイド因子(RF)定量

【基準値】15IU/mL以下

「リウマトイド因子」は慢性関節リウマチの患者の血液中に見られる自己抗体。この量を計測して、主に関節リウマチの診断に用います。ただし、この値が大きい場合には、「関節リウマチ」だけでなく、「全身性エリテマトーデス」「肝硬変」「慢性肝炎」「肺結核」「細菌性心内膜炎」なども疑われます。


以下の「RPR法」「TP抗体法」は、梅毒を検査するための項目のひとつです。梅毒は、抗生物質の登場によって克服された病気だと考えられていたのですが、近年かかる人が急増しています。もし、パートナーに不安があれば血液検査を受けるのが良いでしょう。

●RPR法定性

【基準値】(-)

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が引き起こす疾患ですが、梅毒に感染すると、脂質抗原(カルジオリピン)に対する抗体と、トレポネーマ(TP)に対する抗体の2種類ができます。この検査では、脂質抗原(カルジオリピン)に対する抗体があるかどうかを調べます。


●TP抗体法定性

【基準値】(-)

この検査ではトレポネーマに対する抗体が体内にあるかどうかを調べます。梅毒の初期段階、数週間は抗体検査では陽性を示しません。約6週間を超えると、上記の抗カルジオリピン抗体の値は上昇、次いで抗TP抗体の値が上昇します。「RPR法」「TP抗体法」の両方の検査項目で陽性(+)となったら梅毒と診断されます。


ウイルス性肝炎は日本人に多い病気ですが、以下の「HBs抗原」「HCV抗原」は、B型肝炎、C型肝炎をチェックするための検査項目です。


●HBs抗原

【基準値】陰性(-)

B型肝炎ウイルスに感染していないかを調べます。この検査で陽性(+)の場合には、B型肝炎ウイルスが体内にいることになります。


●HCV抗原

【基準値】陰性(-)

C型肝炎ウイルスに感染していないかを調べます。この検査で陽性(+)の場合には、C型肝炎ウイルスが体内にいることになります。


ほかにも、抗体の有無によって特定の細菌・ウイルスに感染しているかどうかを調べるテストはたくさんあります。


たとえば、溶血性連鎖球菌(溶連菌)の抗体があるかを調べ、感染をチェックする「ASO」(基準値200IU/mL以下)といった項目もあります。溶連菌は「腎炎」「猩紅(しょうこう)熱」「扁桃(へんとう)熱」「中耳炎」などの病気を引き起こします。


また、もし性的にパートナーのことが心配であれば「HIV」に感染しているかどうか、なども検査が可能です。

今回ご紹介した特定の感染症について調べる検査項目は、普通の血液検査ではまず行われません(CRPは一般的なので除きます)。人間ドックなどでも自ら希望して検査項目に追加してもらうのです。しかし、気になるのであれば、徹底的に検査しておくのもひとつの手です。自分の健康について、後悔することになるのは嫌ですものね。


(高橋モータース@dcp)