胃が正常な位置よりも下がってしまう胃下垂。男性よりも女性の方が多いといわれていますが、本当なのでしょうか。また胃下垂のデメリットと改善方法とは?今回は、東京・池袋にある『あんこうメディカルクリニック』の安康晴博(あんこう はるひろ)院長に、胃下垂について聞いてみました!

取材協力・監修


安康晴博院長。

医学博士。日本臨床外科学会、日本胃癌学会、日本ヘリコバクター学会などに所属。消化器病の診断と治療を中心に幅広く診療。


⇒『あんこうメディカルクリニック』公式サイト

http://ankoh.jp/

■胃下垂とは?

まず「胃下垂」というのはどういった状態なのか、についてです。普通の胃はみぞおちの少し下辺りに位置しています。しかし胃下垂の場合は、胃の下部が正常位置よりも垂れ下がってしまい、まるでぼうこうの上に乗っているかのような状態なのです。胃の上部は正常の位置にあるので、おなかの上から下まで「縦に長い胃」になります。


胃の下側が垂れ下がっているため、胃下垂の人は食事を取ったら下腹部がぽっこりと膨らむのが特徴。もし胃下垂かどうか正確に判断したい場合は、胃透視検査で診断します。レントゲン写真で胃角部が骨盤の一番上を結んだ線よりも下がっていたら胃下垂、ということです。

■胃下垂の主な原因は……、筋肉!?

安康院長によると、胃下垂の主な原因は「筋肉(インナーマッスル)が弱いこと」が挙げられます。つまりおなかの中を支える筋肉が弱かったり、衰えたりすると胃が支えられなくなり、垂れ下がってしまう、ということです。


胃下垂は男性よりも女性のほうが多いのですが、それは男性に比べて女性の筋力が弱いためです。ほかにも、胃の中に食べ物がたまり過ぎることで胃が垂れ下がってしまう、ということもあるそう。


胃下垂は「痩せている人に多い」という特徴もあります。胃下垂になると、胃の中にいつまでも食べ物がたまっている感じがするのでたくさん食べられなくなります。たくさん食べられないと体に筋肉や脂肪が付かず、胃下垂も改善されません。つまり悪循環です。急激に痩せて筋肉が減ったことで、胃下垂になる、というケースもあります。


ちなみに、小さな子供もおなかがぽっこりと膨らんでいますが、実は乳幼児は筋肉が成長しておらず弱いため、胃下垂の状態。これは成長することで筋肉も強くなり改善されるそうです。

■改善するには体幹トレーニングがおすすめ!

胃下垂になると、おなかのもたれ感や満腹感、吐き気や下腹部の張りといった症状が出ます。また、腸(横行結腸)も一緒に垂れ下がって張ってしまうことで、お通じが悪くなることも。つまり胃下垂であることで、良いことはひとつもありません。早めに改善するべきでしょう。


では「どうやったら改善できるのか」ですが、胃下垂の主な原因は筋肉が弱いことですので、「インナーマッスルを鍛える体幹トレーニング」をするのがおすすめです。インナーマッスルを鍛えることで胃の位置が正常に戻っていきます。


ほかには食事の際に「よくかむこと」も大事です。そしゃくは第一消化とも呼ばれており、十分唾液と食べ物が混ざり合います。胃に負担をかけないためにもよくかんで食べるようにしましょう。もちろん暴飲・暴食、早食いもNGです。



胃下垂は男性よりも、筋力が劣る女性のほうが多い症状。皆さんも、食後に下腹部がぽっこりと膨らんでいたらそれは胃下垂かもしれません。食生活を見直し、また体を動かして筋肉を付け、少しでも改善するように取り組んでみてはいかがでしょうか。



(中田ボンベ@dcp)