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PC仕事でもなる? 腱鞘炎ってどんな病気なの?

2018.04.11

PC仕事でもなる? 腱鞘炎ってどんな病気なの?


皆さんは「腱鞘(けんしょう)炎」がどんな病気なのかご存じですか? 手を酷使するスポーツや仕事の人がなるもの、というイメージがあるかもしれませんね。これは名前のとおり「腱鞘」に炎症が起こる症状のこと。腱鞘は全身にあるので、「手」だけに起こるとは限りません。今回は、腱鞘炎について解説します。

記事監修



古賀昭義 先生


整形外科、内科、美容皮膚科医。日本大学医学部卒業。日本大学医学部研究医員、日本大学医学部兼任講師、日本大学医学部臨床准教授を経て、現・市谷八幡クリニック院長。


▼市谷八幡クリニック院長ブログ

http://akiyoshikoga.blog.so-net.ne.jp/

■腱鞘ってどの部分のこと?

私たちの体の中にある筋肉と骨は、「腱」と呼ばれる組織でつながっています。たとえばよく耳にする「アキレス腱」は、ふくらはぎの筋肉と踵(かかと)の骨をつないでいる腱です。


この腱は複数本の腱組織で構成されており、筋肉が動いたときに一緒に動きます。そのときに体の中でバラバラになったりあちこちに動かないよう、「腱鞘」と呼ばれる組織で覆われて固定されています。この腱鞘が炎症を起こすのが「腱鞘炎」というわけです。


腱鞘炎は手や指の病気だと思っている人も多いのですが、腱は手だけでなく体のさまざまな部分にあるので、たとえば前述のアキレス腱などの足の腱を覆っている腱鞘が炎症を起こすこともあります。


腱鞘炎は発生する箇所によって呼び方が変わることがあります。たとえば指の場合は「ばね指」、手首なら「ドケルバン病」(狭窄性腱鞘炎)といった疾患名になっています。

■腱鞘炎になる理由は?

腱は腱鞘で覆われている、つまり「腱鞘の中を腱が通っている状態」です。そのため腱が動くと腱鞘にこすれます。一般的な動きであれば特に問題はありませんが、その部分を過度に動かせば腱と腱鞘が激しくこすれ、双方に炎症が起こることがあります。これが腱鞘炎(腱炎)です。


炎症を起こすと腱が太く腫れるため、腱鞘の中をスムーズに通れなくなります。そのため、腱鞘炎になるとその部分を動かすときに痛みが生じるのです。


腱鞘炎は全身で起こる可能性があるものの、やはり多いのは指や手首、また肘など前腕部分です。特に指は動かす頻度も多いため、たとえば長時間の勉強で発症することも珍しくありません。最近では、長時間のPC作業で発症することも増えているそうです。

■腱鞘炎を治すには?

腱鞘炎になると「自宅で安静にして治している」という人が多いでしょう。その場合は、あまり患部を動かさないようにしたり、湿布や痛み止めを用いているのではないでしょうか?


病院でも同様で、「問診」や「触診」を受けた後、症状に合わせて痛み止めや湿布薬の処方、またテーピングが施されます。症状が重い場合にはステロイド剤を麻酔薬と共に注射し、改善を促すこともあります。


さらに症状が重い場合は、手術による治療が行われることもあります。手術療法では、局部麻酔を施して炎症を起こしている腱鞘を切り開き、腱への圧迫を解消します。

■腱鞘炎を防ぐ方法は?

腱鞘炎を予防するには、やはり「使い過ぎ」を防ぐことが重要です。たとえばPCでの作業を長時間続ける場合は、途中で休憩を何度か挟み、腱、腱鞘への負担を少しでも減らしましょう。



「腱鞘炎」は勉強やPC作業、またスポーツなどさまざまな原因で発症するので、誰でもなる可能性があります。一度発症すると痛みがしばらく続くため、日ごろから予防を心掛けましょう。


(中田ボンベ@dcp)