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【第十六回】彼女の「嫌い」なところ:人の幸せがウザいです

2018.04.15

【第十六回】彼女の「嫌い」なところ:人の幸せがウザいです


SNSで人の成功や明るいニュースを目にするたびにイライラしてしまいます。羨ましいわけでもないし、相手の不幸を望んでいるわけでもないけど、どうしてもウザいと感じてしまいます。どうすれば人の幸せを喜べるのでしょうか?


誰だって、人の幸せを喜べる自分でいたいはずだ。

誰かの幸せを手放しで喜べるとき、世界の喜びは2倍・3倍存在することになる。自分以外の出来事なのに、一瞬で気分がよくなって、その日が終わるまでずっと(或いはもうしばらくの間)幸せな気持ちでいられる。こんな毎日が続けば、人生は相当にはっぴーだろう。


でも。

残念ながら一生懸命生きていれば、心がささくれだつ日は結構ある。うまくいかない、ツイてない。または特に具体的な理由はないのになんだか心がズンとして、どんより梅雨のように晴れない。そんな日もあるわけで。


生きているだけで必死。お願い世界、わたしにどうか優しくして……。という今にも死にそうな小鹿たちの前にも、次々に流れてくるSNSの投稿たち。しかしSNSというのは本当に空気を読んでくれない(あたりまえだけどね)。望んでもいないタイミングで誰かの幸せが流れてくる。「大きな仕事が決まりました」「盛れました」「彼氏できました」「結婚しました」「子ども生まれました」。

ひとつ、ふたつはやり過ごせても、コンボとなればもうK.O。心に広がるどす黒いもやっ&いらっ。そして投稿者へ向けられる苛立ち……。うーん、気持ちはよくわかる。


でも言うまでもなく、自分がうまくいっていないからといって、世間はそのペースに合わせてくれるわけではない。自分が大好きな人にふられた日に、誰かは結婚式をあげているし、自分が一世一代のオーディションに落ちた日、誰かは昇進が決まって喜んでいる。そういうものだ。あなたの状況を慮って、「あの報告はまた今度にしようね」なんて言ってくれるのは、心優しい親族と友人くらい(SNSにイラッとしているのは、あなたがだいぶ優しくされてきた証拠)。だいたいはタイミングの悪さ、さもここにありなん! という感じである。


さて。

そんなふうに、日々サバイバルを乗り越えている最中に「どうすれば人の幸せを喜べるか?」と聞かれたら、とにかく自分と人とを切り離すしかないように思う。


人には人のペースがあって、人には人の幸せがある。

世間は結構容赦なく回っていくので、そのくらいの距離感が必要なんじゃないだろうか。一緒に喜んであげることができなくても、イライラする必要もない。だって、あなたとあの人は全然ちがうのだから。


まずはそうやって、あなたと誰かをしっかり切り離すことからはじめてほしい。

どうしても面白くないなと思うなら、賞賛の言葉を贈る必要もないし、Facebookで「いいね」を押さなくていい。見ないようにして、それについては口をつぐんで、ささっと離れて。



それにしても、わたしたちはどうしてイラッとしてしまうのだろう? あの「イラッ」は、きっと羨ましいからだけじゃない。「妬み」とか「僻み」とか、そんなに明確な気持ちがないときもたくさんある(もし「羨ましい」のだとわかっているなら自分も同じことをすればいいし、「妬み」だとわかっているのであれば、文句言わずにあなたも頑張ろうね)。


わたしは、あれは単純に「機嫌が悪い日に見たものは全部いまいちになるのと同じ仕組み」と思っている。


すこし話がふくらむけれど、わたしは常々、自分の生き方や考え方が世界に反映される……と考えている。たとえば、なにか人に誇れないことをしていれば「世界って汚いところだな」と思うようになるし、逆に自分が幸せに満ち満ちていれば「世界ってなんて素敵なんだろう」と思える。もっとわかりやすくいえば、自分が浮気をしたことがあれば「彼が浮気をしているかもしれない」と疑り深くなるし、自分が浮気なんて考えたこともなければ「浮気」という言葉さえ浮かばない。結局のところ、自分の心が、自分の生きている世界を作る……と思うのだ。


機嫌が悪ければ世界は最悪。

機嫌がよければ世界は最高。


そういう単純な仕組みなんじゃないだろうか?


……ということは、「幸せを喜べない自分」に気づいたら、注意を向けるべきなのは「投稿者」ではなく「あなた自身」だ。満たされていない自分に気づいて、満たされていない部分を探って。そして、それを解決する勇気を持ってほしい。


解決する勇気と言ったのは、現状を変えるのは結構億劫なもので、それゆえに機嫌の悪さを誰かのせいにする人がすごく多いから。


でも、あなたの抱える不満の中で、解決できないことはほとんどない。向き合ってみたり、または気をそらすために何か夢中になれるものを探したり、ずっと気になっていたことに一歩踏み出したり、思い切って夢に挑戦したり。できることはたくさんある。小さなことからだって構わない。

もし万が一、物事自体をなかなか変えられなくても、自分の機嫌をとることくらいはできるだろう。


どうも毎日のように誰かにイライラする……ということであれば、それは何かを変えるタイミングなのかもしれない、と思って欲しい。


そうして、「機嫌がいい、世界は最高!」のループをできるだけつくれるようにしてほしい。誰かのためじゃない、あなたのはっぴーライフのために。



今回の答えはこんなところでしょうか。


喜べなくてもいいよ。

でも、その気持ちをきっかけに、自分を見つめる勇気を持ってください。



(ライター/さえり 写真/インディ 編集/サカイエヒタ)

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