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今さら聞けない……「漢方」って実際、どんな薬なの?

2018.04.17

今さら聞けない……「漢方」って実際、どんな薬なの?


スギの次はヒノキがきた〜! 春、花粉症で悩まされている人は多いのではないでしょうか。かくいう筆者もそのうちのひとりで、さらに季節の変わり目だからか体調も不安定……。この気だるさと長引く微熱、一体どうしたらいいの〜。


そんなとき、同じく花粉症に悩むマイカラットの編集さんと「漢方は試した?」という話になったのですが、お互いに「なんだか良さそう」という知識しかなかったことにびっくり。漢方って今やこんなにポピュラーだし、マイカラットの記事でもたくさん紹介しているのに、実はあまりよく知らないかも……。


そこで、これを機に漢方のことをしっかり勉強してみよう! と、東京・品川にある「ニホンドウ漢方ミュージアム」へ。薬剤師の小林さんに漢方のいろはを伺ってきましたよ!

取材協力・監修



小林綾子さん


ニホンドウ漢方ミュージアム ニホンドウ漢方ブティック品川本店副店長/薬剤師

深い知識に基づいた分かりやすい養生アドバイスで、心に寄り添った漢方カウンセリングが人気。幅広い世代のファン多数。


▼ニホンドウ漢方ミュージアム

https://www.nihondo.co.jp/shop/museum/

■漢方は、直接症状を癒すだけのものではなかった!?

和漢ブレンド茶をいただきながら、インタビュースタートです!


――早速ですが、漢方とはどういったものでしょうか。


小林さん

ベースは古代中国医学にあります。5〜6世紀ごろに日本に取り入れられ、日本人の体質や気候などに合わせて独自に進化し、根付いたものが「漢方」となります。漢方自体は植物の根っこや葉っぱ、果実、動物や鉱物などを加工した「生薬」を数種類組み合わせて作られます。


――病院でもらう風邪薬などの薬剤やサプリメントとはどう違うんですか?


小林さん

病院で主に処方されるのは西洋医学のお薬で、症状そのものを癒すものです。漢方は病気になったキッカケを探り、体質改善をして体の不調を整えていくものなんですよ。


また、サプリメントは健康食品という位置付けですが、漢方薬は医薬品として規定されているのが違いですね。


――漢方薬はどうすれば手に入るのでしょうか。


小林さん

病院や漢方専門のクリニック、薬局などで購入できます。ニホンドウ漢方ブティックでは、まず会話の中から不調の原因を探るカウンセリングをします。お悩みについて、いつからどういう症状があるのかといった話から、普段の食事内容やお通じの回数など、生活習慣についても伺った上で、原因のありそうなところを探ります。初回だと、漢方を選んでご用意するまで1時間から1時間半くらいお時間をいただいています。

■苦くて高いものばかりじゃない! 自分に合う漢方の取り入れ方


――漢方薬は、どういった形状のものがあるんですか?


小林さん

煎じ薬、粉薬、錠剤があります。煎じ薬は煮出して飲むもの。粉薬や錠剤はお水やお湯などで飲んでいただくものです。忙しい方には飲みやすい錠剤を提供することが多いです。ただ、一番おすすめしているのは生薬そのものを使っている煎じ薬です。粉タイプや錠剤は加工の段階で、薬を固めるための別の成分が入ってしまうため、どうしても薬の濃度が薄まるんですよ。


漢方薬は続けて飲むことが何より大事です。煎じ薬は弱火で30〜40分煮詰めないといけないので、毎日作ることが負担になる方も。そこで、続けて飲んでいただけるように粉薬や錠剤の手軽なものがあるんです。土日だけ煎じ薬に変えられる方もいらっしゃいますよ。


――漢方と聞くと、苦い、価格が高いなどのイメージがあるのですが……。


小林さん

煎じ薬だとにおいが強かったりすることもありますね。どうしても苦手であれば、錠剤から試していただきたいです。でも、漢方薬の種類によっては苦いものもあれば甘いものもあるんですよ。


価格もさまざまです。国で定められた基準をクリアした生薬を使っているので、それなりにコストがかかってしまう場合もありますが、長い期間飲んでいただくものなので、ライフスタイルに合わせて無理なく続けられるような形でご提案しています。


――それぞれのライフスタイルや好みに合った取り入れ方があるのは安心ですね!


美麗茶、活元茶。12包入りで各800円(税抜)
左から高麗人参(1,800円。税抜)、クコの実、ナツメ(各500円・税抜)


小林さん

あとは漢方薬ではないのですが、和漢素材をブレンドしたお茶や薬膳の食材などもあります。こういったものから漢方に興味を持っていただくのも良いですよ。他にも、和漢レトルトカレーやキャンディなども取り揃えています。普段の生活に気軽に取り入れられる、最も身近なアイテムかもしれませんね。


――漢方薬は長い期間飲み続けるというところが西洋の薬とは違いますが、身体に負担はないのでしょうか。


小林さん

もともと長期的に服用するよう作られていますし、ナツメや高麗人参などの自然のものを使っているので身体には優しいですよ。それに、症状が良くなってきたら減らしていき、最終的には飲まなくても健康になるというところが目的なので、一生飲み続けなければいけないものではないんですよ。ただし合わないものを服用すると不調も起こるので、必ず専門家に相談してくださいね。

■アラサー以上の女性に人気! 忙しく働く人こそ取り入れたい


――相談にいらっしゃるお客さんはどんな方が多いですか?


小林さん

病院に行っても何度も症状を繰り返してしまう方や、病気ではないけど体調が悪いという方が多いです。性別、年齢層では、一番多いのが40代女性、次いで30代女性が多いです。テレビなどでも漢方が取り上げるので、最近は20代の女性も増えていますね。


――どんなお悩みを抱えていらっしゃいますか?


小林さん

疲れや冷え、月経トラブルや不妊のお悩みなどの婦人科系トラブル。その他ニキビ、肌荒れ、胃腸の悩みなど、さまざまです。


――女性ならではの深刻な悩みが多いですね……。こういった婦人科系の悩みによく出されている漢方薬ってありますか?



小林さん

その方の体質にもよりますが、女性のお悩みにはこちらの3つを紹介することが多いです。左から「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」です。


当帰芍薬散は、冷えやむくみ。桂枝茯苓丸は血行の促進。加味逍遙散はストレスからくる生理不順の改善などが期待できます。



――小林さんご自身は、漢方のどんなところに魅力を感じられていますか?


小林さん

身体に起こるさまざまな不調は、ひとつの原因から派生することが多いんです。例えば、冷えがあって、血流が悪くなって、老廃物が溜まって、肌に現れる。生理痛もひどくなり、むくんでしまう。その根っこから整えてくれるのが漢方なんです。


症状があらわれる根本的な原因に働きかけて、一度にまとめていろんな症状を良くしていくことができるのが漢方の強みかなと思います。


お客さまと接していていつも考えるのは、身体の不調を整えるためにお薬だけに頼るのではなく、普段の生活習慣を見直すきっかけにしていただきたいということ。もっと、身体をいたわりながら漢方を始める人が増えたらいいなと思っています。



悩みそのものだけでなく、根本から整えていく漢方の考え方、素敵ですね。なんだか今日は体調が悪いなと困っていた方は、気軽に相談に行ってみてください。不調はからだのSOSなので、いち早く気付いてあげましょう!


(取材・文:西田タニシ 編集:ノオト)