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専門医に聞いた!生理痛を緩和するには?

2017.05.22

専門医に聞いた!生理痛を緩和するには?


毎月やってくる生理痛……。どうしようもないことだとは分かっているものの、やっぱり痛みはつらいものです。どうにかして、緩和することはできないのでしょうか?


今回は「生理痛を和らげる方法」について、『ジャスミンレディースクリニック池袋』の院長である内田美穂医師に取材しました。

取材協力・監修


内田美穂医師


『ジャスミンレディースクリニック池袋』院長。東邦大学医学部卒業。産科婦人科学会専門医。母体保護法指定医。


東京都立駒込病院臨床研修医、順天堂大学医学部付属順天堂医院、産科婦人科立出張佐藤病院、社会福祉法人賛育会病院、東京慈恵会医科大学新橋検診センター、昭和大学横浜市北部病院女性骨盤底再建センターを経て、現職。


⇒『ジャスミンレディースクリニック 池袋』公式サイト

http://jlc.tokyo/

■「月経困難症」の可能性も!?

月経のある女性は程度の差こそあれ、生理痛を感じるものです。しかし、生理のたびに学校や会社に行くのもつらい、起きていることもできずに寝込んでしまうなど、日常生活に支障を来す場合には「月経困難症」と呼ばれます。


内田院長によれば月経困難症にも下のふたつがあるそうです。

1.機能性月経困難症

…特に病気ではなく、誰にでも起こり得る月経困難症


2.器質性月経困難症

…子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となって起こる月経困難症

1.の「機能性月経困難症」は15-25歳の若年者が主体となります。内田院長のお話によれば「機能性月経困難症は、一般に加齢とともに軽減することが多いです。内診、エコー検査、クラミジア検査、淋菌検査などで特に異常がなければ機能性月経困難症と考えてよいでしょう」とのこと。


問題は2.の場合です。「30歳以降になって起こる月経困難症の場合には、器質性月経困難症の可能性が高く、何らかの病気があることを疑います。しかし、近年は若年者の子宮内膜症も多く、増強する月経困難症は要注意です」と内田院長は指摘していらっしゃいます。

■月経困難症の原因とは!?

内田院長に伺ったところ、器質性月経困難症の原因には下のようなものが挙げられるそうです。


●ミュラー管の異常

…子宮や膣に狭窄(きょうさく)や閉塞があると月経血が貯留し、内圧が上昇するため痛みを感じます。


●子宮頸管(けいかん)の狭窄

…月経血の産生量に対して頸管が狭いと痛みを感じます。


●骨盤内感染症

…クラミジアなどによる骨盤内感染症の治癒後の癒着に伴う痛みや、慢性炎症が続いている場合の痛みがあります。


●子宮筋腫

…子宮の筋肉の中に腫瘍ができます。多くは良性のものですが、それでも月経時に筋肉の収縮が起こると痛みを感じることがあります。


●子宮腺筋症

…子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉層にできる病気です。月経のたびにこの組織が増殖・剥離を起こし、痛みを感じることがあります。


●子宮内膜症

…子宮内膜に似た組織が何らかの原因で子宮内膜以外の場所で増殖してしまう病気です。月経のたびに増殖・剥離を起こし、痛みを感じることがあります。

●子宮内避妊具

…子宮内に入れた避妊具が痛みを感じさせることがあります。


内田院長のお話では「これらの病気には早い対応が求められます。自分の年齢、症状などを考え、生理痛が重い場合には早く専門医にかかるようにしてください」とのことです。

■生理痛を緩和する方法は?

生理痛を和らげる方法について内田院長に伺いました。


――重い生理痛に悩んでいる女性は多いと思いますが、この痛みを和らげる方法にはどのようなものがありますか?


内田院長 月経困難症といわれるほど生理痛が重い場合には、

  • 生活上の工夫による体質の改善

  • 非ステロイド系抗炎症薬

  • 鎮痙薬(ブスコパン)

  • 漢方薬

  • ピル(LEP)

  • ミレーナ(レボノルゲストレル放出子宮内システム)

といった方法があります。


――鎮痛剤を用いる人は多いと思うのですが。


内田院長 そうですね。市販薬も多数ありますし、鎮痛作用の大きな処方薬もあります。鎮痛剤の中にはプロスタグランジン(生理活性物質)の合成を阻害する働きがあるものもあります。プロスタグランジンが多く分泌されると生理痛が重くなりますから、これをブロックするわけです。我慢できないほどの痛みが生じる前に服用して、上手に生理痛を回避するといいですね。


――漢方薬もあるのですね。


内田院長 はい。漢方は副作用が少ないといわれており、鎮痛剤との併用もできます。


――ピルも痛みの緩和に効果があるのですか?


内田院長 ピルを服用すると、子宮内膜が厚くなることを抑制し、経血量が減少します。また、プロスタグランジン濃度が最も低い卵胞期初期の状態を保てることから、子宮内膜で生成される過剰なプロスタグランジン産生を減少させますので、これが生理痛を抑える効果を持つのです。


今まで鎮痛剤を服用しないと過ごせなかったような人でも、ピルの服用によって鎮痛剤なしでも大丈夫になるケースがあります。ちなみに、月経困難症で服用するピルは保険適用になりますよ。

――ミレーナというのは何ですか?


内田院長 もともとは子宮内に装着する避妊具として使われてきたものです。黄体ホルモン(レボノルゲストレル)には子宮内膜の増殖を抑えて、月経血量の減少や月経痛の症状を軽減する作用があるのです。


そのため、避妊という機能もありますが、月経困難症の症状の緩和にも使われるようになっています。過多月経や月経痛を和らげるために使用するのであれば、これも保険適用になります。


――生理痛で困っている女性にアドバイスをお願いします。


内田院長 女性であれば一定周期で生理になることは避けられません。しかし、そのたびに学校や会社を休むというのもなかなか難しいでしょう。ですから、やはりうまく付き合っていくしかないのです。生理痛が重いのであれば、上記のような方法を取り入れて和らげるようにしてください。


また、何か自分で異常が感じられたり、あまりにも痛みがひどいといった場合には、すぐに専門医を受診するようにしてください。



「生理が重い」と感じる人は、一度専門医の診察を受けてみてはいかがでしょうか。たとえば月経困難症の原因のひとつである子宮内膜症などは、10%の女性が罹患しているといわれますが、その診断はとても難しいのです。早く見つけて早く治療することが大事! と理解しておくのが良いでしょう。



(高橋モータース@dcp)

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(マイカラット編集部)