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年間を通して注意! ダニ刺されの特徴や危険性

2018.04.23

年間を通して注意! ダニ刺されの特徴や危険性


体の一部がかゆくなった場合、その原因はもしかするとダニかもしれません。ダニは季節を問わず生息している身近な生き物なので、一年を通して注意が必要です。ダニにかまれるとかゆみが生じ、その症状は長引きます。そのうえ、命に関わる重大なリスクが生じる可能性も。今回は、ダニ刺されの特徴や危険性について解説します。

記事監修



桑原香織 先生


皮膚科医。東京医科大学卒業。同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積み、その後は都内皮膚科クリニックに勤務。現在は、一般財団法人中小企業衛生管理協会霞ヶ関診療所の産業医として就労者の健康管理に携わっている。

女医+(じょいぷらす)所属。


▼霞ヶ関診療所

http://www.kasumigaseki.tokyo/

■身近なダニにはどんな種類があるの?

ダニは世界に約5万種類いて、日本にはそのうち約2,000種が生息しているといわれています。その中で、「私たちの生活に身近なダニ」として以下の種類が挙げられます。


・イエダニ

動物に寄生するダニで体長は0.6~1mmほど。ネズミに寄生することで人間の生活圏内に入ることが多いのが特徴です。


・ヒョウヒダニ

体長0.3~0.4mmほどの小さなダニで、カーペット、ベッド、枕、布団などに生息しています。フケや古くなった皮脂などの老廃物を餌に繁殖し、アレルギー症状を引き起こす原因になります。


・コナダニ

食品に生息し、その食品を餌に繁殖するダニで、体長は0.3~0.4mmほど。適切な状態で保存されていない小麦粉の袋の中で大量に繁殖したりします。それを食べることにより、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。


・ツメダニ

カーペットなどに生息し、ヒョウヒダニやコナダニなどを捕食して繁殖します。餌となるダニが増えると、ツメダニも増えます。体長は小さいものだと約0.3mm、大きくなると約1mmとやや大きめです。


・マダニ

屋外に生息している約3mm~1cmほどの大型のダニです。山や河原などの自然豊かな場所だけでなく、公園にあるようなちょっとした草地にも生息しています。ペットに寄生することもあるダニです。


・ツツガムシ

マダニと同じく、山や河原、また田畑に生息しているダニで、体長は0.1~1mmほど。ちなみに「ムシ」と名前に付いていますが、ダニは昆虫ではありません。


こうした身近なダニのうち人間をかむのは、

・イエダニ

・マダニ

・ツツガムシ(※1)

・ツメダニ(※2)

※1……人にかみついて血を吸うのは幼虫のみ

※2……人は捕食対象ではないが誤ってかみつくことがある

の4種類です。それ以外は人にかみついて血(体液)を吸うことはありません。しかし、前述のようにアレルギー症状を引き起こす原因となったりするため、注意が必要です。

■ダニにかまれるとどんなことが起こる?

人をかむダニのうちイエダニとツメダニにかまれた場合は、患部が赤く腫れ、かゆみが出ます。蚊に刺された場合と同じですが、ダニのほうがかゆみが強く、また数日続きます。


また蚊とダニの違いとしては、例外はあるものの、ダニの場合は刺し痕が「ふたつ」であることが特徴です。ほかにも、ダニは患部周辺を連続でかみます。ですので、同じ位置に複数の刺し痕があればダニにかまれた確率が高いでしょう。


一方のマダニとツツガムシにかまれた場合は、患部が赤く腫れ上がりますが、イエダニとツメダニのような強いかゆみが起こらないことが多いのが特徴です。


吸着しているマダニを無理に引っ張ると、口器を残してちぎれ、後に異物肉芽腫を形成するため、引っ張らずにすぐに受診しましょう。

■ダニによる感染症にも要注意!

ダニにかまれることで怖いのは、かゆみではなく感染症です。特に注意しないといけないのが、マダニとツツガムシにかまれた場合です。以下にそれぞれにかまれたときに感染する恐れのある病気をまとめました。


●マダニにかまれた場合


・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSウイルスを保有するマダニにかまれることで感染する病気です。高熱や嘔吐(おうと)、筋肉痛、神経症状のほか血小板減少などの症状が起こることもあります。死に至る恐れもあるため注意が必要です。


・ダニ媒介脳炎

発病すると発熱や筋肉痛といった症状が起こり、重症化すると後遺症が残る恐れがあります。ダニ媒介脳炎には「中央ヨーロッパ型脳炎」と「ロシア春夏脳炎」があり、ロシア春夏脳炎は致死率が20%に上るなど重篤な事態になる傾向があります。


・日本紅斑熱

発症すると頭痛、発熱のほかに四肢末端部分に赤い発疹が出ます。

キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニの3種類のマダニが主な感染源とされており、関東より西側の地域で発生しています。症状は長くて2週間ほど続き、その多くは回復しますが、まれに死に至ることもあります。


・回帰熱

動物に寄生したダニを媒介とする細菌感染症です。感染すると発熱と無熱の状態を繰り返すのが特徴で、頭痛、筋肉痛、関節痛を伴います。国内では長らく感染報告がありませんでしたが、2011年以降に北海道で2名の感染が確認されています。


・クリミア・コンゴ出血熱

クリミア・コンゴ出血熱ウイルスに感染することで起こる病気です。ウイルスに感染した場合、約20%の確率で発症し、発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が起こります。日本国内には存在しませんが、海外渡航の際には十分に気を付けないといけません。


●ツツガムシにかまれた場合


・ツツガムシ病

ウイルスを保有するツツガムシの幼虫にかまれることで感染する病気。数日~2週間ほどの潜伏期間を経て発病し、39度以上の高熱と体幹部分に発疹が出ます。重症化すると死に至る恐れも大きい病気です。国内では毎年数百人の人がツツガムシ病に罹患(りかん)しています。


マダニ、そしてツツガムシにかまれた場合は、強烈なかゆみに悩まされることはありませんが、こうした重大な病気になることがあります。


マダニとツツガムシは、奥深い自然の中だけでなく身近な草地にも生息しているため、誰もが感染する恐れがあります。そのため、草が生い茂っているような場所に行く際は、


・長袖、長ズボンを着用

・サンダルなどを避ける


など、肌の露出を避けるようにしましょう。もしマダニやツツガムシにかまれた場合は、医療機関で診察を受けるようにします。



マダニとツツガムシは春から秋にかけて活動が盛んになりますが、季節に関係なく年間を通して注意すべきです。特にダニの生息域に立ち入ることが多いアウトドアレジャーでは、予防を徹底するように心掛けましょう。

⇒参考記事:

『厚生労働省』「ダニ媒介感染症」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html

(中田ボンベ@dcp)