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海外旅行の際は気をつけて!「スナノミ症」ってどんな病気?

2018.04.26

海外旅行の際は気をつけて!「スナノミ症」ってどんな病気?


連休を利用して海外を旅行する人も少なくないでしょう。地球も狭くなったなんていわれるとおり、今や世界中どこへだって出掛けることができます。しかし、気を付けなければならないのは、その土地特有の病気です。今回は主に中南米、アフリカ、インド、パキスタン、マダガスカルなどに見られる「スナノミ症」という病気をご紹介します。

記事監修




境野高資(さかいの・たかし) 先生


専門は救急科、小児科。聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、聖マリアンナ医科大学病院 救命救急・熱傷センター、国立成育医療研究センター 小児救急センター、千葉西総合病院などで救急総合診療、麻酔、小児医療に従事。またクルーズ客船船医として世界一周の経歴を持つ。現在はFreelance医師として被災地支援や離島医療支援に携わっている。

医師+(いしぷらす)所属。

■「スナノミ症」とは?

スナノミ症はスナノミというノミの一種によって引き起こされる「寄生虫性皮膚疾患」です。


スナノミは砂漠などの乾燥地帯に生息しており、主に足の皮膚に取り付いて寄生します。皮膚内に侵入して炎症を引き起こし、感染部に痛みを生じさせます。吸血によってスナノミの体が膨れると、水疱(すいほう)状の膨らみが現れます(直径は10mmほど)。スナノミが卵を産み、それがかえると患部はまるでスナノミの巣のような状態になってしまいます。


足が壊死(えし)して切断が必要となったり、最悪の場合は全身に壊死が広がり死亡することも。傷口からの二次感染で破傷風や敗血症などを発症した場合も、命の危険があります。

■「スナノミ症」の予防と治療

特に流行地域の砂漠地帯・乾燥地帯に出掛ける場合には、


●必ず靴を履くこと


が大事です。気持ちがいいからといって、素足、またサンダル履きで過ごしていると、スナノミに寄生されることがあります。


スナノミを寄せ付けないように、「ホホバオイル」「アロエベラ」「ザンザリン」などを外用する予防法もありますが、100%感染を予防できるわけではありません。


実際、靴を買うことができない人が多い現地ではスナノミ症の罹患(りかん)率は高いものになっています。「ケニア最貧困地域でスナノミ症を治療・予防し、生活改善へ!」というクラウドファンディングを行っている白石陸さんによると、ケニアの最貧困地域「エスンバ」では、

50%以上が感染の恐れがあり(長崎大学によると裸足(はだし)の方の感染率は88%、サンダルも4分の1)、罹患率5%

と推計されているそうです。

⇒データ出典:

『ケニア最貧困地域でスナノミ症を治療・予防し、生活改善へ!』「"スナノミ会議を終えて"」

https://readyfor.jp/projects/jigger_campaign/announcements/48933

スナノミ症に罹患したら症状が進行する前に治療を始めることが大事です。


スナノミ症の治療は、以下のような形です。

  • 外科的にスナノミを完全に摘出することが必須です。

  • そのうえで必要に応じ抗菌薬も用い二次感染を予防します。

現地で感染に気付かず、日本に戻ってきてから異常に気付くという場合もあります。


実際、何の疾患か分からず「虫体」を取り出した後、自治医科大へ照会されたという例が報告されています。この症例の患者は、モザンビーク、スワジランド、南アフリカを旅行(2008年9月4-29日)した26歳の男性でした。10月1日に足の爪部の腫瘤(しゅりゅう)に気付き、10月7日に医療機関を受診したとのこと。

⇒データ引用元:

『自治医科大学』「自治医科大学紀要34(2011)」「自治医科大学医動物学教室で4年間(2007-2010)に経験した寄生虫・衛生動物関連症例の検討」P.5

http://www.jichi.ac.jp/toshokan/jmu-kiyo/34/34pdf-link/p117-128.pdf


スナノミ症は現地でも大きな問題になっているそうです。白石さんはじめボランティアの皆さんがその予防・撲滅に努力されています。この活動に賛同の気持ちがあれば、ぜひご支援ください。


また繰り返しになりますが、日本から流行地域の砂漠地域に出掛ける人は、スナノミ症に罹患しないよう、くれぐれも「靴を履くこと」を忘れないようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)